N-ホルミルメチオニン
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| 物質名 | |
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(S)-2-Formylamino-4-methylsulfanylbutanoic acid | |
別名 2-Formylamino-4-methylsulfanyl-butyric acid; Formylmethionine; N-Formyl(methyl)homocysteine | |
| 識別情報 | |
3D model (JSmol) |
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| 略称 | fMet |
| EC番号 |
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PubChem CID |
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| 性質 | |
| C6H11NO3S | |
| モル質量 | 177.22 g/mol |
N-ホルミルメチオニン(N-formylmethionine、fMet)は、アミノ基にホルミル基が付加したメチオニンの誘導体である。細菌やオルガネラDNAからのタンパク質合成の開始に用いられ、翻訳後修飾で除去される場合もある。
fMetは、細菌、ミトコンドリア、葉緑体のタンパク質合成において重要な役割を果たすが、真核生物の細胞質や古細菌では用いられない。ヒトの体内では、fMetは異物もしくは損傷を受けた細胞から放出されるアラームシグナルとして免疫系に認識され、感染の可能性に対して戦うよう体を刺激する。
fMetは細菌のタンパク質合成の開始残基であり、伸長するポリペプチド鎖のN末端に位置する。fMetは、mRNA上の開始コドン5'-AUG-3'と対合するアンチコドン3'-UAC-5'を持つ、専用のtRNA(tRNAfMet)によって、リボソーム(30S)-mRNA複合体へ運ばれる。
fMetはメチオニンと同じAUGコドンによってコードされるが、AUGが開始コドンとして利用される場合にはメチオニンの代わりにfMetが使われ、ペプチド鎖の最初のアミノ酸となる。その後mRNA上に再び出現したAUGコドンには、通常のメチオニンが使われる。この基本的機構は、多くの生物に利用されている。
メチオニンへのホルミル基の付加は、メチオニルtRNAホルミルトランスフェラーゼによって触媒される。この修飾は、アミノアシルtRNA合成酵素によってメチオニンがtRNAfMetにロードされた後に行われる。
メチオニンは、tRNAfMetとtRNAMetの両方にロードされるが、トランスホルミラーゼは、メチオニンがtRNAfMetにロードされている場合にのみ、メチオニンにホルミル基を付加する。
このN末端のfMetは、宿主タンパク質と組換えタンパク質のいずれにおいても、大部分のタンパク質では連続的な2つの酵素反応によって除去される。まず、ペプチドデホルミラーゼがfMetを通常のメチオニンに脱ホルミル化する。続いて、メチオニンアミノペプチダーゼがN末端のメチオニンを除去する[1]。
ヒトを含む真核生物のミトコンドリアや、植物細胞の葉緑体でも、タンパク質合成はfMetから開始される。ミトコンドリアと葉緑体が細菌と共通してfMetによるタンパク質合成開始を行うことは、細胞内共生説の証拠として引用される[2]。
