N-ホルミルメチオニン

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N-ホルミルメチオニン
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
略称 fMet
EC番号
  • 224-322-8
性質
C6H11NO3S
モル質量 177.22 g/mol
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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N-ホルミルメチオニンN-formylmethionine、fMet)は、アミノ基ホルミル基が付加したメチオニンの誘導体である。細菌オルガネラDNAからのタンパク質合成の開始に用いられ、翻訳後修飾で除去される場合もある。

fMetは、細菌ミトコンドリア葉緑体のタンパク質合成において重要な役割を果たすが、真核生物細胞質古細菌では用いられない。ヒトの体内では、fMetは異物もしくは損傷を受けた細胞から放出されるアラームシグナルとして免疫系に認識され、感染の可能性に対して戦うよう体を刺激する。

fMetは細菌のタンパク質合成の開始残基であり、伸長するポリペプチド鎖N末端に位置する。fMetは、mRNA上の開始コドン5'-AUG-3'と対合するアンチコドン3'-UAC-5'を持つ、専用のtRNA(tRNAfMet)によって、リボソーム(30S)-mRNA複合体へ運ばれる。

fMetはメチオニンと同じAUGコドンによってコードされるが、AUGが開始コドンとして利用される場合にはメチオニンの代わりにfMetが使われ、ペプチド鎖の最初のアミノ酸となる。その後mRNA上に再び出現したAUGコドンには、通常のメチオニンが使われる。この基本的機構は、多くの生物に利用されている。

メチオニンへのホルミル基の付加は、メチオニルtRNAホルミルトランスフェラーゼ英語版によって触媒される。この修飾は、アミノアシルtRNA合成酵素によってメチオニンがtRNAfMetにロードされた後に行われる。

メチオニンは、tRNAfMetとtRNAMetの両方にロードされるが、トランスホルミラーゼは、メチオニンがtRNAfMetにロードされている場合にのみ、メチオニンにホルミル基を付加する。

このN末端のfMetは、宿主タンパク質と組換えタンパク質のいずれにおいても、大部分のタンパク質では連続的な2つの酵素反応によって除去される。まず、ペプチドデホルミラーゼがfMetを通常のメチオニンに脱ホルミル化する。続いて、メチオニンアミノペプチダーゼがN末端のメチオニンを除去する[1]

ヒトを含む真核生物のミトコンドリアや、植物細胞の葉緑体でも、タンパク質合成はfMetから開始される。ミトコンドリアと葉緑体が細菌と共通してfMetによるタンパク質合成開始を行うことは、細胞内共生説の証拠として引用される[2]

免疫との関連

出典

外部リンク

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