TFIIH
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歴史
構造
TFIIHは10個のサブユニットから構成され、そのうちの7つがコア複合体を構成し、3つは解離可能なCAK(CDK activating kinase)モジュールを構成する[5]。コア複合体はERCC2/XPD、ERCC3/XPB、GTF2H1/p62、GTF2H4/p52、GTF2H2/p44、GTF2H3/p34、GTF2H5/TTDA/p8から構成され、CAKはCDK7、MAT1、サイクリンHからなる[6]。CAKはERCC2/XPDを介してコア複合体と連結されている[7]。ERCC2/XPDとERCC3/XPBはヘリカーゼそしてATPアーゼとしての活性を持ち、転写バブルの形成を補助する。試験管内では、DNA鋳型が変性していない場合やスーパーコイルを形成している場合にのみこれらのサブユニットが必要である。CDK7とサイクリンHはRNAポリメラーゼIIのC末端ドメインのセリン残基をリン酸化し、また細胞周期に関与する他のタンパク質のリン酸化も行っている可能性がある。
機能

TFIIHの一般的機能は、タンパク質コーディング遺伝子の転写開始、そしてヌクレオチド除去修復(NER)である[8]。
TFIIHはRNAポリメラーゼIIを遺伝子のプロモーターへリクルートする基本転写因子の1つであり、ヘリカーゼとしてDNAを巻き戻す機能を果たす。また、NERの全ゲノム修復(global genome repair、GGR)経路または転写共役修復(transcription-coupled repair、TCR)経路のいずれかによってDNA損傷が認識された後のDNAの巻き戻しも担う[9][10]。TFIIHは損傷の認識後にDNAの二重らせん構造を開くことでNERに関与する。NERは、かさ高い化学損傷や紫外線損傷など、正常な塩基対をゆがめるさまざまな損傷を除去する多段階の経路である。TFIIHの構成要素を含む、NER経路を触媒するタンパク質をコードする遺伝子の欠陥は、早老の症状を引き起こすことが多い[11][12](老化のDNA損傷仮説も参照)。
疾患
阻害剤
グルコーストランスポーターの発現が増加している低酸素状態のがん細胞に対し、基本転写因子TFIIHのXPBサブユニットの阻害を介して哺乳類の転写を阻害する強力な生物活性を有するトリプトリドなどの天然物をグルコース抱合体として標的投与する方法が報告されている[15]。