Tert-ブチルアルコール

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tert-ブチルアルコール(ターシャリーブチルアルコール、tertiary butyl alcohol)は、最も単純な構造の第三級アルコールで、四種存在するブタノール異性体の一つである。2-メチル-2-プロパノール2-メチルプロパン-2-オール、tert-ブタノール[注釈 1]とも呼ばれ、tert-ブチル基の化学略語を用いてt-BuOHと表記されることもある。tert-ブチルアルコールは透明な液体で樟脳のような臭いを持ち、エタノールジエチルエーテルと均一に混和する。融点が摂氏25度をわずかに上回るので、常温で固体になるという特徴はブタノールの異性体の中でも唯一である。

概要 物質名, 識別情報 ...
tert-ブチルアルコール[1]
tert-ブチルアコール
tert-ブチルアコール
t-BuOH
t-BuOH
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ECHA InfoCard 100.000.809 ウィキデータを編集
性質
C4H10O
モル質量 74.1216(42) g/mol
密度 0.78086 g/cm³
融点 25.69 °C - 298.84 K
沸点 82.4 °C - 355.55 K
危険性
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 1: Exposure would cause irritation but only minor residual injury. E.g. turpentineFlammability 3: Liquids and solids that can be ignited under almost all ambient temperature conditions. Flash point between 23 and 38 °C (73 and 100 °F). E.g. gasolineInstability 0: Normally stable, even under fire exposure conditions, and is not reactive with water. E.g. liquid nitrogenSpecial hazards (white): no code
1
3
0
引火点 11 °C
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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利用

tert-ブチルアルコールは工業用エタノールとする添加剤、塗料の溶剤ガソリンの助撚剤・添加剤など溶媒成分として利用される他に、香料などの日用化成品の合成原料としても利用される。

製造

tert-ブチルアルコールは触媒を用いたイソブテンの水付加反応により製造される。

化学

第三級アルコールの化学的性質として、tert-ブチルアルコールは他のブタノール異性体と比べて酸化されにくく、立体障害による反応性の低減が見られる。

tert-ブチルアルコールは強塩基による脱プロトン化をうけると、アルコキシドアニオンの一種であるtert-ブトキシドを生成する。例えば、tert-ブチルアルコールを水素化ナトリウム脱プロトン化すると、ナトリウムtert-ブトキシドが得られる。

tert-ブトキシドアニオンは、立体的にかさ高いために、強い塩基性でありながらウィリアムソン合成のような求核攻撃は起こしづらい。そのため、カリウム tert-ブトキシドなどのtert-ブトキシド塩は、求核性の低い強塩基としてさまざまな有機合成に用いられる。

塩化アルキルへの変換

tert-ブチルアルコールは塩化水素と反応して、SN1反応により tert-ブチルクロリドを生成する。

ステップ1
ステップ2
ステップ3
強酸である塩化水素により水酸基がプロトン化される。プロトン化された水酸基は良い脱離基である。 SN1反応により、水が脱離して比較的安定な三級カルボカチオンを生成する(律速段階)。 塩化物イオンがカルボカチオンを攻撃しtert-ブチルクロリドとなる。

反応全体は次の通り

脚注

関連項目

外部リンク

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