ULAS J1120+0641
From Wikipedia, the free encyclopedia
| ULAS J1120+0641 | ||
|---|---|---|
中央付近の赤い点がクエーサーである。 | ||
| 星座 | しし座 | |
| 分類 | クエーサー | |
| 位置 元期:J2000.0 | ||
| 赤経 (RA, α) | 11h 20m 01.48s | |
| 赤緯 (Dec, δ) | +06° 41′ 24.3″ | |
| 赤方偏移 | 7.085±0.003[1] | |
| 距離 | 288億5000万 光年(88億5000万 パーセク)(共動距離)[2] | |
| 他のカタログでの名称 | ||
| ULAS J112001.48+064124.3[1], ULAS J1120+0641[3] | ||
| ■Template (■ノート ■解説) ■Project | ||
ULAS J1120+0641は、2011年6月29日に発見が公表されたクエーサーである[1]。発見時点で、共動距離 288.5億光年と既知の最も遠いクエーサーであり(現在ではさらに遠いULAS J1342+0928が知られている)、赤方偏移が7に達する最初のクエーサーである[4]。AP通信を含むいくつかのニュースで、このクエーサーは、これまで観測された宇宙で最も明るい天体だと報じられたが[5]、これは誤報であり、これより少なくとも100倍明るいクエーサーも知られている[6]。
ULAS J1120+0641は、ハワイのマウナ・ケア山にあるイギリス赤外線望遠鏡を用いたUKIRT赤外線ディープ・スカイ・サーベイ(UKIDSS)によって発見された[7]。天体の名前は、発見されたUKIDSS Large Area Survey (ULAS)と天球座標系における天体の位置(赤経:11h20m、赤緯:+06°41′)に由来する。この方角は、しし座の中で、しし座σ星に近い。このクエーサーは、可視光よりも波長が長くエネルギーが小さい赤外線でのサーベイ中に発見された。これは、ULAS J1120+0641から光が放出された際には、波長が短くエネルギーが大きい紫外線の波長であったが、宇宙の膨張のために、光が宇宙を進んで地球に届くまでの間に、赤方に偏移するためである[8]。
UKIDSSの科学者のチームは、赤方偏移が6.5以上のクエーサーを何年も探索していたが、ULAS J1120+0641は赤方偏移が7.0を超える期待以上のものであった[9]。
UKIDSSは、近赤外線の測光学的サーベイであるため、当初の発見は、zphot>6.5の赤方偏移だけであった[1]。発見の公表の前、チームはジェミニ天文台と超大型望遠鏡VLTの分光計を用い、7.085±0.003という赤方偏移の値を得た[1]。
概要

ULAS J1120+0641の赤方偏移は7.085であり、この値は、地球から288.5億光年の距離(共動距離)に相当する。発見時点で、最も遠いクエーサーであった[8]。今日地球に届いているULAS J1120+0641からの光は、約130億年前に起こったビッグバンから7億7,000万年以内のものである[10]。これは、それまでに知られていた最も遠いクエーサーからの光より1億年も早い[11]。
クエーサーの光度は、太陽光度の6.3×1013倍と推定されている。このエネルギーは、太陽質量の2+1.5-0.7×109倍の質量を持つと推定される超大質量ブラックホールによって生み出されている[1][3]。ブラックホールがクエーサーにエネルギーを与えているが、光はブラックホール自体から来ている訳ではない。ULAS J1120+0641の発見を公表した論文の主著者のダニエル・モートロックは、「超大質量ブラックホール自体は暗いが、周囲にガスか塵のディスクを持っていて、これが熱くなり、銀河全体の恒星よりも明るく輝く」と説明している[8]。