Wood mood
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2023年5月の『AIRPORT』以来、約9ヶ月ぶりのスタジオ・アルバム。2023年10月にレコードレーベルをSPEEDSTAR RECORDSから自主レーベル「Tiny Jungle Records」に移してからリリースした初めてのアルバムであり、2018年の『red』『green』以来のひとりのプロデューサーによるトータルプロデュース作品となった[2]。
制作背景
「wood mood」はコンセプトアルバムとして制作された[4]。
コンセプトは暗い森のような未開の地に足を踏み入れたあと、そんな混沌とした場所から外の世界に抜けていくというものだった[4][5][6]。「森の中に迷い込む」というコンセプトには、発声障害と耳管開放症を抱え音楽活動に不安を覚えていた当時の藤原自身の心境が投影されている[7]。制作は曲が出揃ってからアルバムの方向性をまとめていくというこれまでの進め方とは違い、先行して「森の中」「未知の植物」「光が差す」といったコンセプトによって構築されたアルバムのビジョンに向けて曲を作っていくやり方だった[5]。
石若駿をプロデューサーとして起用した理由は、2022年に原田知世「早春物語」のカバー曲を石若と一緒に制作した時に手応えを感じ、次にアルバムを作るなら石若をプロデューサーとして迎えたいと考えたから。また、石若のプロジェクト「SONGBOOK PROJECT」シリーズにサウンド面でもシンパシーを感じていたことも理由のひとつとして挙げている[4][8]。
藤原の中にはどんな楽器を入れどんな音を入れたいかという具体的なアイデアがあり、まず参考になるようなプレイリストを作って、プロデューサーの石若駿とアルバムのイメージを共有してから制作に入った。藤原が山梨でフィールドレコーディングした鳥の音、水の音、森の中を歩く足音などの自然の音が利用されている[4]。
石若駿をはじめ、レコーディングにはジャズ界で活躍しているミュージシャンが多く参加しているが、「自分がメロディーを書いて歌うとなると、ジャズそのままにはならない」と言っており、ジャズを下地にしてはいるが、石若と一緒に制作するからこそできることを表現している[8]。
今作はアコースティックな楽器を多く用い、生の音で録るということに注力しており、ミュージシャンのその場の化学反応みたいなものを大事にしながらのレコーディングだった。それはデビューEPの『à la carte』に通じるような生楽器でセッションしながら作り上げていくやり方と通じるものがある[4][6]。