ある過去の行方
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| ある過去の行方 | |
|---|---|
| Le passé | |
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第66回カンヌ国際映画祭に出席するキャスト・スタッフ | |
| 監督 | アスガー・ファルハディ |
| 脚本 | アスガー・ファルハディ |
| 製作 | アレクサンドル・マレ=ギ |
| 出演者 |
ベレニス・ベジョ タハール・ラヒム アリ・モサファ |
| 音楽 |
エフゲニー・ガルペリン ユーリ・ガルペリン |
| 撮影 | マームード・カラリ |
| 編集 | ジュリエット・ウェルフリング |
| 製作会社 |
メメント・フィルム フランス3シネマ BIMディストリビュツィオーネ |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 130分 |
| 製作国 |
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| 言語 |
フランス語 ペルシア語 |
『ある過去の行方』(あるかこのゆくえ、仏: Le passé、英: The Past)は、2013年のフランスのドラマ映画。アスガー・ファルハディが脚本と監督を務め、ベレニス・ベジョ、タハール・ラヒム、アリ・モサファが主演した。イランの映画監督であるファルハディにとって初の海外資本作品であり、パリを舞台に、夫婦や恋人、親子の間でそれぞれの思いや願いがすれ違い、事態が膠着状態に陥るさまをスリリングに描いた群像劇である[1]。
本作は第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、ベジョに女優賞をもたらした[2]。第86回アカデミー賞外国語映画部門のイラン代表作品である[3]。
テヘランに住むアフマドは、4年前に別れたフランス人妻マリーの要請により正式な離婚手続きを完了するためにパリを訪れる。マリーは自身の娘2人だけでなく、恋人のサミールとその息子と既に同居しており、アフマドは到着後すぐに長女リュシーとマリーの関係が良好でないことを知る。当初は、単に年頃のリュシーがマリーの再婚に反対しているだけと思われたが、実はサミールの妻セリーヌが自殺未遂で植物状態にあること、更に、自殺未遂の原因が、マリーとサミールの不倫関係をリュシーがメールでセリーヌに伝えたためであることが分かる。アフマドに説得されて、その事実を明かしたリュシーをマリーは激しく罵るが、許して受け入れる。マリーはこの事実をサミールに伝えるが、サミールは疑問を抱く。リュシーは、セリーヌのメールアドレスを、サミールの経営するクリーニング店に電話をして本人から直接聞いたとしているが、鬱病を患い、店でトラブルを起こしていたセリーヌはその日に店にはおらず、電話に出ることもなかったはずだからである。実は、サミールの店の従業員であるナイマがセリーヌのふりをしてメールアドレスを教えたのである。ナイマはかねてより、セリーヌから嫌われていると思い込み、更にサミールの不倫相手と疑われていると思っていたことから、リュシーにメールアドレスを教えたのだ。サミールはナイマをクビにするが、ナイマの残した言葉に更に疑問がわく。もしセリーヌがリュシーからのメールを読んでいたのなら、サミールかマリーの前で自殺を図るはずだが、実際にはナイマの前で行なったのである。ナイマの言うように、ナイマを不倫相手と思い込み、リュシーからのメールは読んでいない可能性もあるが、真相はセリーヌが目覚めるまで明らかになることはない。一連の出来事を通じ、マリーはアフマドを失った心の隙間をサミールで埋めていただけであり、一方のサミールもセリーヌの鬱病という現実から逃避するためにマリーと関係を持っていただけで、マリーが妊娠したために仕方なく、再婚を決めただけであることが明らかになる。アフマドはイランに帰る。サミールは息子をマリーに預け、セリーヌを見舞う。香りが意識を取り戻すきっかけになる可能性があることから、サミールはセリーヌが好きだったサミールの香水をつけてセリーヌを抱きしめる。