こちらあみ子
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あらすじ
広島の公立小学校に通う5年生の「あみ子」は、純粋無垢だが他人の気持ちが分からず、授業中に騒ぐ等、トラブルの多い少女だった。同級生の「のり君」が好きだが、迷惑この上ない「のり君」。家族が誕生日パーティーを開いてくれても、プレゼントのトランシーバーに夢中で、せっかくのご馳走を残す「あみ子」。流行のトランシーバーは欲しかったが友達はおらず、「こちら『あみ子』」と呼びかけても、応答は返って来なかった。
妊娠中だった母・さゆりが死産した。良かれと思って庭に「弟の墓」を作る「あみ子」。それまで気持ちを押さえていた母は、墓を見て泣き叫び、以来、何も出来ず寝て過ごす状態になってしまった。妹思いの優しい兄・考太も暴走族になった。
中学生になる「あみ子」。不良の兄が校内で恐れられている為にイジメには合わないが、相変わらず友達はいない。会社員の父・哲郎は、制服のまま寝て何日も風呂に入らない「あみ子」に、スーパーの惣菜を与えることしか出来なかった。自分の部屋で聞こえる謎の音を、「成仏できない弟の霊」だと騒ぐ「あみ子」。父は苦しげに「女の子だった」と告げたが、父の気持ちが分からない「あみ子」は、空想のお化けたちと無心に遊ぶばかりだった。
公立高校に進んでも、テスト中に「♪お化けなんかないさ〜」と童謡を歌う「あみ子」。「あみ子」にしつこく絡まれた「のり君」は、耐えきれずに「あみ子」の鼻の骨が折れるほど殴りつけた。諦めたように「引っ越そう」と話す父に、「離婚だ、離婚だ!」と興奮する「あみ子」。
部屋の物音は、ベランダに巣を作った鳥の仕業だった。高校を中退し、父と二人で田舎の祖母の家に移る「あみ子」。だが父は広島の家に帰ると言う。「あみ子」一人が祖母の家に預けられたのだ。朝の海岸でお化けたちの乗った小舟を見送った「あみ子」は、水が冷たいという人声に、元気に「大丈夫!」と応えるのだった。