はなればなれに
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『はなればなれに』(Bande à part)は、1964年(昭和39年)製作・公開、ジャン=リュック・ゴダールによるフランスの長篇劇映画である。
概要
ゴダールの長篇劇映画第7作で、即興演出、ミュージカル風シーンもあるコメディ・タッチの犯罪ミステリーである[1]。原作はドロレス・ヒッチェンズのペーパーバック小説Fool's Gold(2023年に『はなればなれに』の題で邦訳)である。
有名なのは3人のダンス・シーンで、アンナ・カリーナとクロード・ブラッスールのダンスにサミ・フレーが加わる形でダンスが始まり、音楽はミシェル・ルグランが本作のために書き下ろしたリズム・アンド・ブルースであるにもかかわらず、俳優たちは「マジソン・ダンス」と呼んでいたという[2]。このシーンは、クエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』(1994年)[3]、ハル・ハートリー監督の『シンプルメン』(1992年)[4]等に影響を与えた。また3人でルーブル美術館を走り抜けて、ルーブルを一周する最短記録を更新するというシーンは後にベルナルド・ベルトルッチの60年代後半のパリを舞台とした映画『ドリーマーズ』(2003年)でも参照されている。
ゴダールは、本作について「不思議の国のアリス・ミーツ・フランツ・カフカ」(Alice in Wonderland meets Franz Kafka.)と表現している[5]。
日本では、長らく未公開映画であり、東京日仏学院ホール等での特殊上映以外では観ることができなかった。2001年(平成13年)2月3日、製作以来37年ぶりに、日本で初めて劇場公開された。
スタッフ
- 監督・脚本 : ジャン=リュック・ゴダール
- 原作 : ドロレス・ヒッチェンズ
- 撮影監督 : ラウール・クタール
- 録音 : ルネ・ルヴェール、アントワーヌ・ボンファンティ
- 編集 : アニエス・ギュモ
- スクリプター : シュザンヌ・シフマン
- 音楽 : ミシェル・ルグラン
- 助監督 : ジャン=ポール・サヴィニャック、エレーヌ・カルーギン
- 製作主任 : フィリップ・デュサール
- 製作 : アヌーシュカ・フィルム、オルセー・フィルム
キャスト
- アンナ・カリーナ (オディル役)
- ダニエル・ジラール (英語教師役)
- ルイザ・コルペン (ヴィクトリア夫人役)
- シャンタル・ダルジェ (アルチュールのおば役)
- サミー・フレー (フランツ役)
- クロード・ブラッスール (アルチュール役)
- ジョルジュ・スタケ (軍人役)
- エルネスト・メンツェル (アルチュールのおじ役)
- ジャン=クロード・レモルー (飲酒する生徒役)
- アルファベット順
- ミシェル・ドラーユ (ポーター役)
- ジャン=リュック・ゴダール (ナレーション)
- ムッシュ・ジョジョ
- クロード・マコウスキー (英語クラスの男子学生役)
- ミシェル・セゲール (英語クラスの女子学生役)
ストーリー
ある冬のパリ。2人の青年、フランツ(サミー・フレイ)とアルチュール(クロード・ブラッスール)は、推理小説マニアの親友どうしで、性格は正反対だが、英語学校に現れた美しい生徒オディル(アンナ・カリーナ)に2人とも一目ぼれしてしまう。オディルは、北欧の国からおばの住むパリにやってきたのだが、どうもおばの家には大金が隠されていることを知る。
フランツとアルチュールは、オディルを巻き込み大金を盗み取る計画を練る。いざ犯罪決行の日が来たが、次々に事態はおかしくなり、ついにアルチュールが撃たれてしまう。フランツとオディルは逃走、貨物船に乗り南米へ。フランツとオディルの冒険は続く。
評価
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは51件のレビューで支持率は94%、平均点は8.10/10となった[6]。
関連事項
- ジャン=リュック・ゴダール監督作品一覧
- マジソン (ダンス) (en:Madison (dance))
- A Band Apart - クエンティン・タランティーノによる映画プロダクションで、名前は本作にちなんでいる。
関連書籍
- Dolores Hitchens, Fool's Gold, Doubleday, 1958.
- ドロレス・ヒッチェンズ(著)・矢口誠(訳)『はなればなれに』 新潮社〈新潮文庫〉、2023年3月1日初版発行、ISBN 978-4-10-240271-9