へぐら航路

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へぐら航路の旅客船「希海」(2022年撮影)

へぐら航路(へぐらこうろ)は、石川県輪島市輪島港舳倉島を結ぶ離島航路、またはその運航主体であるへぐら航路株式会社の通称である。舳倉島にとって本土との間を結ぶ唯一の定期的交通手段であり、旅客輸送に加え、生活物資、漁業関連資材、水産物などの輸送も担う生活航路である。[1][2][3]

へぐら航路は、輪島港と舳倉島の間を結ぶ離島定期航路である。国土交通省は、舳倉島の交通手段として「輪島市(輪島港) - 舳倉島」の旅客船航路を掲げており、舳倉島には空路が存在しないため、本航路は島民、関係事業者、来島者にとって唯一の定期的交通手段となっている。[1]

石川県の資料によれば、舳倉島は輪島市本土の北方沖合約48キロメートルに位置する特定有人国境離島であり、地理的条件や人口減少、高齢化の進行などから、本土との定期交通の維持が地域社会の維持に直結するものと位置づけられている。[2]

運航主体のへぐら航路株式会社は、1980年5月30日設立で、本店を輪島市鳳至町下町166番地に置く。資本金は5,000万円である。石川県公表の定款では、輪島・舳倉島間の定期航路にかかる旅客および貨物の運送事業を会社目的としている。[4][5]

沿革

輪島市本土と舳倉島を結ぶ貨客船は1960年に能登商船が運航を開始し、1972年から通年運航となった。1980年には現在のへぐら航路株式会社へ経営が移管された。[2]

歴代の就航船には初代定期船「桐丸」、続いて「あすなろ丸」「くれない丸」「へぐら」「ニューへぐら」があり、2019年からは「希海」(のぞみ)が運航している。[3]

現行船「希海」は、2019年3月竣工、総トン数98トン、旅客定員93人である。輪島市の事業評価資料では、新船就航の周知を通じて利用促進を図ったとしている。[2][6]

運航

通常時の運航は1日1往復で、片道所要時間は約85分である。夏季(4月1日 - 10月31日)は輪島発9時・舳倉島発15時、冬季(11月1日 - 3月31日)は輪島発9時・舳倉島発14時で運航される。受付および乗船券販売は7時30分からで、出航・欠航は当日7時30分ごろに決定される。[3]

片道普通運賃は大人2,300円、小人1,150円で、団体割引および障害者割引が設けられている。島民向けには特定有人国境離島地域社会維持推進交付金を活用した運賃低廉化が導入されている。[3][2]

お盆の8月14日・15日と輪島大祭の8月22日 - 24日を休航日としている。[3]

また、同社の貨物案内では、魚箱、モズクタンク、アワビ篭、プロパンガス、家電製品、自動車、小型船などの運賃区分が掲げられており、旅客輸送に加えて島の生活および漁業に必要な物資輸送を担う貨客航路としての性格を有する。[3]

航路の役割

へぐら航路は、住民の移動手段であるだけでなく、生活物資や漁業関連資材、島で水揚げされた水産物の輸送も担う生活航路である。石川県の離島振興計画では、舳倉島について「本土からの唯一の交通機関である定期船の維持」により住民の生活交通を確保するとしている。[7]

国土交通省の2025年度離島活性化交付金等事業計画では、舳倉島について、基幹産業である漁業の再生に関する取組や、漁獲物の輸送費負担の軽減を通じて地域社会の維持を図る方針が示されている。へぐら航路は、こうした島の生活・産業基盤を支える海上交通として位置づけられる。[8]

輪島市の事業評価資料では、へぐら航路株式会社による輪島 - 舳倉島航路について、料金体系の維持および1日1往復の運航体制の維持を目標とし、2022年度実績ではこれを達成したと評価している。[6]

利用実態

へぐら航路の年間利用者数は2015年度8,885人、2016年度8,176人、2017年度8,023人、2018年度6,954人、2019年度8,773人で推移し、2020年度は新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けて4,269人に落ち込んだ。2020年度の就航率は47.7パーセントであった。[2]

同資料では、5月と10月にはバードウォッチング客、7月と8月には観光客の利用が特に多いとしている。舳倉島は渡り鳥の飛来地として知られ、へぐら航路は生活航路であると同時に、自然観察や観光の交通手段としても利用されてきた。[2][1]

また、輪島市地域公共交通計画では、へぐら航路について「輪島港と舳倉島を連絡する唯一の交通手段」と位置づけたうえで、経営改善策を検討しつつ、関係機関との協議により航路の維持存続に取り組むとしている。[9]

2024年能登半島地震以後

2024年1月1日の能登半島地震の影響により、輪島港と舳倉島を結ぶ定期航路は長期運休となった。2025年7月30日には約1年7か月ぶりに運航が再開した。再開にあたっては、地震による海底隆起のため従来どおり接岸できなくなっており、海底の掘削や仮桟橋設置などを経て運航再開に至ったとされる。[10][11]

一方、へぐら航路株式会社公式サイトでは、2025年11月13日から2026年5月中旬ごろまで休航すると案内している。また、海士地区の荷捌所周辺係留施設の完成後、港内での漁船の荷揚げ等を優先するため、定期船の運航再開は2026年5月中旬ごろまで延期するとしており、震災後の運航状況は段階的かつ流動的なものとなっている。[12]

船舶

  • 希海(のぞみ) - 2019年3月竣工。総トン数98トン、旅客定員93人。[2]
  • ニューへぐら - 「希海」就航以前の就航船。[3]
  • へぐら[3]
  • くれない丸[3]
  • あすなろ丸[3]
  • 桐丸 - 1962年に輪島と舳倉島を結ぶ交通機関として就航した初代定期船である。[3]

脚注

関連項目

外部リンク

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