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ゆっくりMovieMaker

動画編集ソフトウェア From Wikipedia, the free encyclopedia

ゆっくりMovieMaker(ゆっくりムービーメーカー、略称:YMM)は、個人開発者・饅頭遣いが開発・配布する動画編集ソフトウェアである[2]。主に「ゆっくり実況」動画の制作に広く使用されており、テキスト入力から音声合成・字幕の自動生成・キャラクターのリップシンク(口パク)・タイムライン編集・動画出力までを単一のアプリケーション内で完結させることを特徴とする[3]。現行バージョンはゆっくりMovieMaker4(YMM4)であり、YMM3の後継として開発された[4]。

作者 饅頭遣い
初版 2011年(YMM1)
最新版
4.55.1.0[1] / 2026年8月07日
対応OS Windows 10 以降(YMM4)
Windows 11 対応
概要 作者, 初版 ...
ゆっくりMovieMaker4
作者 饅頭遣い
初版 2011年(YMM1)
最新版
4.55.1.0[1] / 2026年8月07日
対応OS Windows 10 以降(YMM4)
Windows 11 対応
プラットフォーム Windowsのみ
対応言語 日本語
サポート状況 開発中
種別 動画編集ソフトウェア
ライセンス フリーウェア(AquesTalk使用時は別途商用ライセンスが必要)
公式サイト manjubox.net/ymm4/
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開発経緯

YMMの登場以前、ゆっくり実況動画を制作するためには、SofTalkなどの音声合成ソフトウェアでセリフの音声データを1つずつ作成し、それをAviUtlなどの動画編集ソフトウェアに取り込み、字幕やキャラクターの口パクを手動で同期させるという多段階の工程が必要であった。ねとらぼの記事では、筆者がこの手法で30分のゆっくり実況動画を制作した際にまる1日を要したと述べている[2]。

こうした煩雑さを解消するため、饅頭遣いが2011年にYMMを開発・公開した。YMMでは、テキストを入力してEnterキーを押すだけで音声が自動的にタイムラインに挿入される仕組みとなっており、ゆっくりボイスの編集作業が大幅に短縮・簡略化された[2]。ITmediaの記事(2022年)によれば、YMMの登場により声当てと動画編集が一つのソフトウェア上で行えるようになり、ゆっくりを使った動画がさらに広まったとされる[5]。

バージョン変遷

YMM1〜YMM3

初期のバージョン(YMM1〜3)では、動画出力機能を内蔵しておらず、AviUtl用のexoファイルとしてエクスポートした後にAviUtlで動画化する必要があった[2]。YMM3の最終バージョンはVersion 3.4.8.1であり、現在はサポートが終了している[6]。

YMM4(現行版)

YMM4はYMM3の後継として開発され、動画出力機能を内蔵したことで、AviUtlなどの外部ツールを経由せずに単体で動画制作を完結できるようになった[3]。主な新機能として、倍速プレビュー、テンプレート機能、64bit対応、多様な音声合成エンジンへの対応などが挙げられる[4]。

インプレスが運営する「窓の杜」では、YMM4のバージョンアップ情報が継続的に報道されている[7][8]。

機能

編集機能

YMM4はゆっくり動画の制作を主な用途としつつ、カット編集、複数映像の並列配置や重ね合わせ、色調補正、モザイクやぼかしの挿入など、一般的な動画編集ソフトウェアとして使用できる機能を備えている[3]。入力形式としてはMP4、MKV、AVI、MOVなどの主要な動画・音声・画像形式に対応しており、出力はMP4(H.264+AAC)を基本としつつ、FFmpeg経由でAV1やVP9での出力にも対応している[4]。

動画制作のワークフロー

制作にあたっては、まずYMM4を導入したうえで、語り手となるキャラクターの立ち絵素材(「ゆっくり立ち絵」など)を用意し、キャラクターの設定を行う[9]。

YMM4の画面はプレビュー、タイムライン、アイテムの各種プロパティの各ペインで構成されている[10]。タイムライン上のレイヤーに立ち絵・字幕・BGM・映像などのアイテムを配置し、プレビューで確認しながら編集を進める[10]。編集作業では、アイテムの長さを揃えるためにカットを多用するほか、ショートカットキーをカスタマイズすることで操作効率を高めることができ、Adobe Premiere Proと同様のキー配置に設定することも可能である[10]。

ゆっくり実況ではシーンの切り替えが少なく背景が一定であるため映像が単調になりやすいという課題があり、これを補うために立ち絵や字幕をランダムに動かすアニメーション効果(ランダム移動)がよく用いられる[10]。複数のアイテムに同一のエフェクトを適用するにはグループ制御を使用し、グループ制御アイテムをタイムライン上で対象アイテムの上位レイヤーに配置することで、その下にあるアイテムがまとめて制御対象となる[10]。

動画の出力時には解像度やフレームレートを事前に設定する[10]。YouTube向けの動画であればフルHD(1920×1080ピクセル)・60フレーム/秒が推奨される[10]。出力形式は標準ではMPEG-4であり、FFmpeg経由でAVI形式での保存にも対応している[10]。

また、人気のある動画を制作するためには、ストーリーやシナリオの組み立て方を工夫するとともに、投稿後の表示回数・視聴回数などのデータ分析に基づいて改善を行うことも重要とされる[11]。

音声合成

YMMの最も特徴的な機能は、テキストを入力すると音声合成エンジンを用いた音声クリップが自動的に生成され、同時にキャラクターの字幕とリップシンクがタイムライン上に配置される統合処理である[2][3]。

YMM4が対応する音声合成エンジンは多岐にわたり、AquesTalkシリーズのほか、VOICEVOX、COEIROINK、CeVIO AI / CeVIO Creative Studio 7、VoiSona Talk、A.I.VOICE、VOICEPEAK、CoeFont、Style-Bert-VITS2、Amazon Polly、Google Cloud Text-to-Speech、OpenAI TTSなどに対応している[4]。

2022年3月には、AI音声プラットフォーム「CoeFont」を運営する株式会社CoeFontがYMM4とのAPI連携を開始し、同社のAI音声キャラクター「アリアル」および「ミリアル」を商用利用を含む完全無償で利用可能とした[12][13]。CoeFontはサーバー側で音声合成を行うAPI方式を採用しており、ユーザーのPCにソフトウェアをインストールする必要がなく、他のエンジンと比べて導入の手間が少ないことが特徴とされる[12]。

ライセンス構成とプラグイン

YMM4本体はフリーウェアとして無償で配布されているが、「ゆっくりボイス」として知られる音声の合成には、株式会社アクエストが開発する音声合成ライブラリAquesTalk(AquesTalk1・AquesTalk2・AquesTalk10)が使用されている[4]。AquesTalkはYMM4とは独立した別会社の製品であり、営利目的での使用には株式会社アクエストの使用ライセンスを別途購入する必要がある[3]。

YMM4にはAquesTalk1・AquesTalk2・AquesTalk10が標準搭載されるバージョン(YMM4)と、これらを除外した状態で配布されるバリアント(YMM4Lite)がある[4]。AquesTalkはYMM4Liteにおいてはプラグインとして別途追加する形態が用意されている[4]。

YMM4はサードパーティ開発者によるプラグインの追加に対応しており、「プラグインポータル」機能から利用可能なプラグインを一覧で選択・追加できる[4]。

脚注

外部リンク

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