アイザック・ニュートン望遠鏡

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運用組織 アイザック・ニュートン望遠鏡群 ウィキデータを編集
座標 北緯28度45分44秒 西経17度52分39秒 / 北緯28.7622度 西経17.8775度 / 28.7622; -17.8775座標: 北緯28度45分44秒 西経17度52分39秒 / 北緯28.7622度 西経17.8775度 / 28.7622; -17.8775
観測波長 可視光線, 赤外線 ウィキデータを編集
建設 1967年 ウィキデータを編集–1984年 ウィキデータを編集 (1967年 ウィキデータを編集–1984年 ウィキデータを編集)
Isaac Newton Telescope
運用組織 アイザック・ニュートン望遠鏡群 ウィキデータを編集
座標 北緯28度45分44秒 西経17度52分39秒 / 北緯28.7622度 西経17.8775度 / 28.7622; -17.8775座標: 北緯28度45分44秒 西経17度52分39秒 / 北緯28.7622度 西経17.8775度 / 28.7622; -17.8775
観測波長 可視光線, 赤外線 ウィキデータを編集
建設 1967年 ウィキデータを編集–1984年 ウィキデータを編集 (1967年 ウィキデータを編集–1984年 ウィキデータを編集)
形式 ニュートン式望遠鏡, カセグレン式望遠鏡 ウィキデータを編集
口径 2.54 m (8 ft 4 in)
開口面積 5 m2 (54 sq ft)
焦点距離 8.36 m (27.4 ft)
架台 赤道儀式架台 ウィキデータを編集
ドーム spherical dome ウィキデータを編集
ウェブサイト www.ing.iac.es/Astronomy/telescopes/int/index.html
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アイザック・ニュートン望遠鏡 (アイザック・ニュートンぼうえんきょう、:Isaac Newton Telescope: INT)は、1984年から大西洋上のスペインカナリア諸島ラ・パルマ島にあるロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台においてアイザック・ニュートン望遠鏡グループ英語版が運用している、口径 2.54 m (100インチ)の光学望遠鏡である。

INTは元々、イギリス南部のサセックスにあるハーストモンスー城英語版に設置されていた。ここはグリニッジから光害を逃れて移設してきたグリニッジ天文台があり、INTは1967年エリザベス2世により開所された[1]

しかしハーストモンスーでは悪天候に悩まされ、航空輸送の発達により、イギリスの天文学者が海外に多くの観測機器を運べるようになり、海外天文台の建設・開設が可能となった。 そして1979年にINTはラ・パルマ島へ移送され、現在に至っている。

その後ラ・パルマでの改良や再組立てなどを経て、1984年には新しくビデオカメラを搭載してのファーストライトが行われた[2][3]。 この間の大きな改良点は、主鏡の材質を従来のパイレックスガラスからゼロデュアガラスに変更されたことである[4]

2024年までは主要観測装置は広視野カメラ(Wide Field Camera :WFC)と中分散分光器(Intermediate Dispersion Spectrograph :IDS)だった。WFCは4枚のCCDイメージセンサを並べて主焦点に設置され、0.56×0.56度という比較的広い視野を実現し、1997年から運用されていた。IDSはスペクトル分解能英語版R=550-9375の、低めから中程度の分解能を持つ可視光分光装置である[5]。 2024年半ばからINTは新型装置HARPS3の設置の準備作業が行われており[6]、設置後はこの装置が主要装置となる。

イギリス設置時のINTの跡地は現在ハーストモンスー天文台科学センターとなっており、緑色の銅製の特徴的なドームと様々な科学・天文普及活動で知られている[7]

ハーストモンスーにある旧グリニッジ天文台のINTドーム

1949年にアメリカがイギリスに口径98インチの望遠鏡主鏡材を寄贈した[8]。当時、アメリカのヘール望遠鏡とフッカー望遠鏡に次ぐ世界3番目に相当する大きさの口径だった。10年かけて、この主鏡を搭載する架台などが発注され、1959年からINTとなる望遠鏡の建設が始まり、1965年に完成した。この年にハーストモンスーでのファーストライトが行われた[8]

主鏡の研磨はグラッブ・パーソンズ社によって1950年代に行われたが、グラッブ社から新しくより手ごろな74インチ鏡を購入することも検討されていた[9]。グリニッジ天文台は1956年にハーストモンスーへ移転されてきた[9]。 1956年に公開された短い映画では、グラッブ社でINTの98インチ鏡材を研磨する様子が撮影されている[10]。大型反射望遠鏡の鏡を高い精度で研磨するには、何年もの年月を要する。

ハーストモンスーにある旧グリニッジ天文台の航空写真で、INTドームは右側に離れたドーム。

望遠鏡のファーストライトは1965年に行われ、正式な運用は1967年から始まった[11][12]

1967年の12月1日に、INTはエリザベス2世女王から献呈されるという形でハーストモンスーのグリニッジ天文台に開設された[13][14][12]。望遠鏡が最初にあげた観測成果の1つが、当時奇妙な天体として発見されたばかりで注目を集め、のちにブラックホールと判明したはくちょう座X-1の詳細観測である[14]

1960年代末に北半球天文台の構想が練られ、大西洋上のカナリア諸島に国際天文台を建設する計画が持ち上がった[12]。ハワイのマウナ・ケアも同時期に検討され、マウナケア天文台群が実現している[15]。 INTは順調に運用されているも、設置場所の天候があまり優れないことが問題視されており、これがINTをカナリア諸島にできる新しい天文台に移転する計画に繋がった。これは1980年代初頭までかかる計画とされた[12]

ハーストモンスーの旧グリニッジ天文台の概観

イギリスでのINTの最後の観測は1979年の5月だった[16]。 しかし、カナリア諸島での新しい望遠鏡は、イギリスからそのまま持っていくはずが、新しい部品が多数製作されていたため、1980年代半ばには移転ではなく、INTを2つの望遠鏡に分割して運用する案まで持ち上がった。 これは、カナリア諸島の望遠鏡とは別にサセックスでも望遠鏡を運用することを意味したが、最終的には中止された。問題の1つとして2つの望遠鏡を並行して運用する負担があり、カナリア諸島での新しいINTに集中して注力することが優先されたためである。 跡地には古い望遠鏡の部品がそのまま残され、科学博物館に改装された[17]

ハーストモンスー城のそばには現在も古い天文台の建物が残っており、ハーストモンスー科学センター(ハーストモンスー天文台科学センター)として活用されている[18][7]

ラ・パルマ島移設後

INTの主鏡部分。花弁状の主鏡カバーが閉じている。

ラ・パルマでのINTはカセグレン式望遠鏡で、主鏡直径は2.54 m (100 in)、焦点距離は8.36 m (329 in)である。鏡の重量は4361 kg (9614 lb)で、ポーラーディスクのフォーク式赤道儀に搭載されている。望遠鏡全体の総重量は90トンに達する。 主鏡のf/3.29主焦点は撮像装置WFCに使用され、40分角四方(0.3平方度)のケラレのない視野が実現される。 また、f/15のカセグレン焦点は20分角の視野があり、分光装置IDSが搭載された。 望遠鏡の2度目のファーストライトはビデオ撮影で行われた[3]

新しい100インチの主鏡はラ・パルマ島に1982年12月に到着した[4]。 望遠鏡の指向精度は5秒 (角度)だが、特定のガイド星英語版を追跡して望遠鏡の追尾を修正するオートガイドにより、20等級より明るいガイド星での追尾精度は1秒角を切り、INT設置場所の標準的なシーイング(0.8-1.5秒角)を十分カバーできる。

INTを含むロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台は国際天文学連合小惑星センターから天文台コード「950」が与えられている[19]。 INTではWFCを用いて複数の太陽系天体が発見されており、特に1990年代の太陽系外縁天体(TNO)の発見黎明期には多数のTNOを発見している[20]

同時代の望遠鏡

INTは建設当時は非常に大型の望遠鏡で、イギリスでは最大を誇った。口径はアメリカにあったフッカー望遠鏡をわずかに下回るものの、フッカー望遠鏡よりもはるかに新しい望遠鏡であった。イギリスにあったときは口径2.48m(98インチ)の主鏡を擁していたが、移転時にグラッブ・パーソンズから現在の2.54m鏡を提供された[21][22]

1967年時点

INTはエリザベス2世女王によって開設された。当時の望遠鏡の口径ランキングは以下のとおりである。

# 名称/
天文台
画像 主鏡径 標高 ファースト
ライト
1 ヘール望遠鏡
パロマー天文台
508 cm 1713 m 1949年
2 C・ドナルド・シェーン望遠鏡英語版
リック天文台
305 cm 1283 m 1959年
3 Shajn2.6m望遠鏡
クリミア天体物理天文台
260 cm 600 m[23] 1961年
4 フッカー望遠鏡
ウィルソン山天文台
254 cm 1742 m 1917年
5 アイザック・ニュートン望遠鏡
グリニッジ天文台 (1967年-1979年)
98″
249 cm
1965年 [2]
6 KPNO 2.1 m望遠鏡
キットピーク国立天文台
211 cm 2,070 m 1964年
7 オットー・シュトルーベ望遠鏡英語版
マクドナルド天文台
208 cm 2070 m 1939年

1984年時点

INTは新しい鏡とドームを備え、1984年からカナリア諸島のラ・パルマ島でリニューアルされ運用されている。1984年時点での最大の可視光望遠鏡は以下の通りである。

名称 /
天文台
画像 主鏡径 主鏡
面積
標高 ファースト
ライト
北半球 BTA-6
ロシア科学アカデミー天体物理学観測所英語版
605 cm 26 m2 2070 m 1975年
北半球 ヘール望遠鏡
パロマー天文台
508 cm 20 m2 1713 m 1949年
北半球 マルチミラー望遠鏡
フレッド・ローレンス・ホイップル天文台
1.8 m x 6
6+ (有効径4.7 m)
m2 2617 m 1979年
北半球 マイヨール望遠鏡英語版
キットピーク国立天文台
401 cm 10 m2 2120 m 1973年
南半球 ビクター・M・ブランコ望遠鏡
セロ・トロロ汎米天文台
401 cm 10 m2 2200 m 1976年
南半球 アングロ・オーストラリアン望遠鏡英語版
サイディング・スプリング天文台
389 cm 12 m2 1742 m 1974年
北半球 カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡
マウナケア天文台群
358 cm 4205 m 1979年
南半球 ESO3.6 m望遠鏡英語版
ラ・シヤ天文台
357 cm 8.8 m2 2400 m 1976年
北半球 MPI-CAHA 3.5m望遠鏡
カラル・アルト天文台
350 cm 9 m2
[24]
2168 m 1984年
北半球 C・ドナルド・シェーン望遠鏡英語版
リック天文台
305 cm 7 m2 1283 m 1959年
北半球 ハーラン・J・スミス望遠鏡英語版
マクドナルド天文台
270 cm 2070 m 1968年
北半球 Shajn2.6m望遠鏡
クリミア天体物理天文台
260 cm 600 m [23] 1961年
北半球 BAO 2.6m望遠鏡
ビュラカン天文台英語版
260 cm 1500 m 1976年
北半球 アイザック・ニュートン望遠鏡
ロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台 (1980年–現在)
254 cm 2396 m 1984年 [2]
南半球 デュポン望遠鏡
ラスカンパナス天文台
254 cm 2380 m 1976年
北半球 フッカー望遠鏡
ウィルソン山天文台
254 cm 1742 m 1917年

HARPS3

高精度視線速度系外惑星探査装置3(High Accuracy Radial velocity Planet Searcher 3 :HARPS3)はINTに搭載されるエシェル回折格子による分光器である[25]2025年3月から新しく運用されている[26]ESAチリラ・シヤ天文台の3.6m望遠鏡に搭載した1号機HARPS、その北半球設置用の2号機で、INTと同じロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台にあるイタリア国立ガリレオ望遠鏡英語版に搭載されたHARPS-N英語版に次ぐHARPSの3号機である。

この装置は、10年間かけて地球型の太陽系外惑星視線速度法で発見するテラ・ハンティング実験の一環として製作された[27][28]視線速度の測定精度の目標は10 cm/s に設定されている[29]

関連項目

出典

外部リンク

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