アベルマブ

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アベルマブ[3](Avelumab)は、メルケル細胞癌英語版尿路上皮癌腎細胞癌の治療を目的とした完全ヒト型モノクローナル抗体薬である[2]

一般的な副作用には、疲労、筋骨格痛、下痢嘔気急性輸液反応発疹、食欲不振、手足の腫れ(末梢性浮腫)などがある[4]

プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)タンパク質を標的としている。2017年1月に胃癌の治療薬として、欧州医薬品庁(EMA)から希少疾病用医薬品の指定を受けている[5]。米国食品医薬品局(FDA)は、2017年3月に、侵攻性の皮膚癌の一種であるメルケル細胞癌(MCC)に対して承認した[4]。EMAは2017年9月に同じ適応症で承認した[6]。これは、稀で悪性度の高いタイプの皮膚癌である転移性MCCに対する、初めてのFDA承認の治療薬である[4]

  • 根治切除不能なメルケル細胞癌
  • 根治切除不能または転移性の腎細胞癌
  • 根治切除不能な尿路上皮癌における化学療法後の維持療法

警告

間質性肺疾患が現れ、死亡に至った症例も報告されている旨の警告が記載されている[7]

副作用

重大な副作用として[7]

が知られている。

JAVELIN Merkel 200試験(下記参照)に登録された88名の患者において、最も多く見られた副作用は、疲労、筋骨格系の痛み、下痢、吐き気、輸液関連反応、発疹、食欲減退、末梢性浮腫であった。また、同試験で複数の患者に発生した重篤な副作用は、急性腎障害、貧血、腹痛、イレウス、無力症、蜂巣炎であった[8][6]

最も一般的な重篤なリスクは、体の免疫系が健康な細胞や臓器を攻撃する免疫介在性のもので、肺(肺炎)、肝臓(肝炎)、大腸(大腸炎)、ホルモン分泌腺(内分泌障害)、腎臓(腎炎)などが挙げられる[4]。また、重篤な輸液関連反応が起こる可能性がある[4]。重篤な、または生命を脅かす輸液関連反応を経験した患者は使用を中止すべきである[4]。妊娠中または授乳中の女性は、発達中の胎児または新生児に害を及ぼす可能性があるため服用してはならない[4]

作用機序

免疫チェックポイント阻害剤の一つであり、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)に結合して受容体であるプログラム細胞死1受容体(PD-1)との結合を阻害する、アイソタイプIgG1の完全ヒトモノクローナル抗体である。PD-1/PD-L1の受容体/リガンド複合体の形成によってCD8+T細胞の活性が阻害され免疫反応が抑制されるが、アベルマブはPD-1/PD-L1複合体の形成を阻害し免疫反応を亢進させる[9]

開発

2015年5月時点で、膀胱癌、胃癌、頭頸部癌、中皮腫、卵巣癌、腎癌を対象に第I相臨床試験が行われていた。メルケル細胞癌に対する第II相、非小細胞肺癌に対する第III相の試験も行われていた[10]

2017年3月のFDAによる承認は、多施設共同単群非盲検試験(JAVELIN Merkel 200)のデータに基づいている。これは、組織学的に転移が確認されたMCCで、転移性疾患に対して実施された化学療法中または後に疾患が進行した患者を対象としている[11][4]。全奏効率(ORR)は、RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)1.1 に基づいて独立審査委員会が評価した。投与を受けた88名の患者のORRは33%(95%信頼区間:23.3-43.8%)で、完全奏効が11%、部分奏効が22%であった。奏効した29名のうち、奏効期間は2.8か月から23.3か月以上で、86%が6か月以上、45%では12か月以上持続した[4]。PD-L1の発現やメルケル細胞ポリオーマウイルス英語版の有無にかかわらず奏効が認められた[11]

尿路上皮癌の維持療法における有効性は、JAVELIN Bladder 100試験(NCT02603432)で検討された。これは、切除不能な局所進行性または転移性の尿路上皮癌で、第一選択の白金製剤化学療法を4-6サイクル行い疾患の進行が見られなくなった患者700名を登録した無作為化多施設共同非盲検試験である。患者は、最良の支持療法(BSC)に加え2週間ごとのアベルマブ静脈内投与を行う群と、BSCのみを行う群に1:1に無作為に分けられた。治療は、最終化学療法の実施後4-10週間以内に開始された[12]

承認

参考資料

外部リンク

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