アルギッパイオイ
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古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは『ヒストリアイ(歴史)』において次のように記している。
別種スキタイ[注 1]の地を過ぎれば、小石や岩だらけの荒地が続き、そこを過ぎると、高い山脈[注 2]の麓に男女の関係なく全員、生まれながらにして禿頭[注 3]の民族が住んでいる。獅子鼻で顎が張り、スキタイ風の服装をしているが[注 4]、独自の言語を話し、木の実を常食としている。彼らの生活の糧となっている樹の名はポンティコン[注 5]。と言い、大きさはほぼ無花果の樹ほどで、扁豆によく似た果実がなり、この実には核がある。熟した実を布を通して搾ると、黒ずんだ濃い液が流れ出すが、これをアスキュと呼んでいる。彼らはこの汁をそのまま舐めたり、乳と混ぜて飲んだりし、また搾り糟の濃厚な部分で菓子のようなものを作って食べる。この地方には良い牧場がないため、家畜の数が少ないことによる。彼らはいずれも木陰を住み家とし、冬になると樹に白いフェルトをかけて住み、夏はそれを取る。この民族は神聖視されているので、彼らに危害を加える者は誰もおらず、また武器の類は一切ない。近隣の住民の争いを調停するのも彼らであるし、彼らを頼って避難して来た者は何人たりとも危害を加えられることはない。この民族の名はアルギッパイオイという。 — ヘロドトス『歴史』巻4-23[7][8]
