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アルミニウムイソプロポキシド

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アルミニウムイソプロポキシド (aluminium isopropoxide) は、アルミニウムアルコキシドの一種で、化学式が Al(O-i-Pr)3(i-Pr はイソプロピル基。-CH(CH3)2)と表される白色の固体。有機合成において反応試剤、触媒として用いられる。この化合物の実際の構造は複雑で、さらに結晶化後の時間や、溶媒による変化があることが知られている。

概要 物質名, 識別情報 ...
アルミニウムイソプロポキシド
One enantiomorph of Al4(OiPr)12
One enantiomorph of Al4(OiPr)12
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.008.265 ウィキデータを編集
EC番号
  • 209-090-8
RTECS number
  • BD0975000
UNII
性質
C9H21AlO3
モル質量 204.246 g·mol−1
外観 白色の固体
密度 1.035 g cm−3, solid
融点 純度に敏感:
138–142 °C (99.99+%)
118 °C (98+%)[1]
沸点 @10 Torr 135 °C (408 K)
分解
イソプロパノールへの溶解度 溶けにくい
構造
単斜晶系
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
可燃性(F)
GHS表示:
可燃性
Warning
H228
P210, P240, P241, P280
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 2: Intense or continued but not chronic exposure could cause temporary incapacitation or possible residual injury. E.g. chloroformFlammability 1: Must be pre-heated before ignition can occur. Flash point over 93 °C (200 °F). E.g. canola oilInstability 2: Undergoes violent chemical change at elevated temperatures and pressures, reacts violently with water, or may form explosive mixtures with water. E.g. white phosphorusSpecial hazards (white): no code
2
1
2
引火点 16 °C (61 °F; 289 K)
関連する物質
その他の
陽イオン
オルトチタン酸テトライソプロピル
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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構造

アルコキシドには構造が複雑なものが多く、アルミニウムイソプロポキシドも例外ではない。構造が複雑であることは、水などの不純物や結晶化後の時間により融点が大きく変わる性質に現れている。知られている構造のひとつ、Al[(μ-O-i-Pr)2Al(O-i-Pr)2]3 と書き表される四量体構造(右上Infobox内参照)はNMR分光法やX線結晶構造解析で確かめられている[2][3]。この D3対称構造の中心に位置する Al原子は形式上、3個のアート錯体 "[Al(O-i-Pr)4]−" により八面体型に配位を受けている。一方、溶融状態から固化した直後の構造は環状三量体を多く含むことが NMR により知られている[4]。

他にアルミニウムのアルコキシドでは、アルミニウム tert-ブトキシド[5]が Al2(μ-O-t-Bu)2(O-t-Bu)4 の形の二量体構造をとることが知られる[6]。

合成

広く用いられる合成法は 1936年に Young らが報告した、塩化水銀を触媒としてアルミニウムの薄片をイソプロパノール中で過熱する手法である[7]。この反応ではアルミニウムのアマルガムの生成を経ており、反応の開始剤としてヨウ素が加えられることがある。Young らは蒸留後の生成物を収率 85-90% で得たとしている。

反応

メールワイン・ポンドルフ・バーレー還元(MPV還元)、オッペナウアー酸化の触媒として用いられる。前者はイソプロパノールを溶媒としてケトンやアルデヒドをアルコールに還元する反応、後者はアセトンやシクロヘキサノンを溶媒として二級アルコールをケトンに酸化する逆反応である[1][8]。

MPV還元とオッペナウアー酸化
MPV還元とオッペナウアー酸化

アルコキシドとしての塩基性により、アルミニウムイソプロポキシドはラクトンやラクチドを開環して多量化させる反応に用いられる[9]。

歴史

アルミニウムイソプロポキシドが最初に報告されたのは、ハンス・メールワインとルドルフ・シュミットがメールワイン・ポンドルフ・バーレー還元を報告した中でのことであった[10]。

参考文献

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