ラクトン
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5–6員環のラクトン構造はテルペン類などの天然物に多く存在し、香気成分やフェロモンなどによく見られる。例えば麝香臭を持つ香料として著名なエキサルトリド (exaltolide) は16員環のラクトンである。
- 例
- ε-カプロラクトン
- γ-ノナラクトン - モモ、アンズなど
- ウイスキーラクトン
- γ-デカラクトン
- γ-ウンデカラクトン - モモなど
- シクロペンタデカノリド
- シクロヘキサデカノリド
- アンブレットリド
- エチレンブラシレート (Musk T)
- グルコノラクトン - 蜂蜜など
- クマリン - サクラの葉
- ワインラクトン
- カヴァラクトン
- セスキテルペンラクトン
- エラグ酸 - イチゴ、ラズベリー、クランベリー、ブドウなど
命名
ラクトンは一般に、前駆体となるカルボン酸分子の名称(アセト- = 2炭素、プロピオ- = 3、ブチロ- = 4、バレロ- = 5、カプロ = 6、…)の末尾に-ラクトン(-lactone)をつけ、複素環を構成する炭素数をギリシア文字で表し、それを前に置いて命名する。前に置くギリシア文字は、三員環のものはα-、四員環のものはβ-、五員環のものはγ-のようになる。
その他、ラクトンであることを表す末尾には -オリド、-オライド (-olide) がある。例えば、ブテノライド、マクロライド、カルデノライドおよびブファジエノライドなどがある。
12員環以上の大環状ラクトンをマクロライドと総称する。抗菌作用や抗腫瘍作用など強い生理活性を示すものが多く、抗生物質 エリスロマイシン、抗真菌剤 アムホテリシン、免疫抑制剤 タクロリムスなどが医薬として実用に供されている。
合成
合成法は主に、ヒドロキシ基とカルボキシル基を持つ分子(ヒドロキシカルボン酸)の分子内脱水縮合による。環化を起こしやすい5,6員環ラクトンの形成は容易で、相当するヒドロキシカルボン酸あるいはそのエステルを酸触媒で反応させるだけでラクトンが得られることが多い。7員環以上の中・大員環ラクトンは高度希釈法を用いるなど合成に工夫を要し、山口ラクトン化反応や椎名ラクトン化反応、およびオレフィンメタセシスによる方法が近年多く用いられている。



