アルモンテ (スペイン)

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Almonte

  


左上から、儚い大聖堂、「アルカルデ・モハーロ」公園、黄金の塔の遺跡、歩行者専用通り、レチント・フェリアル・イ・アルデア・デ・エル・ロシーオ
 アンダルシーア州
 ウエルバ県
面積 861 km²
標高 54m
人口 25,751 人 (2023年)
人口密度 29.91 人/km²
Almonteの位置(スペイン内)
Almonte
Almonte
スペイン内アルモンテ (スペイン)の位置
Almonteの位置(ウエルバ県内)
Almonte
Almonte
ウエルバ県内アルモンテ (スペイン)の位置

北緯37度16分 西経06度31分 / 北緯37.267度 西経6.517度 / 37.267; -6.517座標: 北緯37度16分 西経06度31分 / 北緯37.267度 西経6.517度 / 37.267; -6.517

アルモンテスペイン語: Almonte)は、スペイン 南西部に位置する町および自治体である。人口は2万5,751人[1]を超え、面積は約88,000平方キロメートルに及ぶ[2]エル・ロシーオ、世界で最も人気のある巡礼の一つを開催することで知られ、またアメリカ西部文化に影響を与えたとされている[3][4][5]。自治体内には、ユネスコ[6]世界遺産に登録されているヨーロッパ最大級の自然保護区であるドニャーナ国立公園と、スペイン最長の海岸線が含まれる[7][8]。さらに、アルモンテはスペイン南部で唯一、公邸発射台の両方を有する自治体である[9]

アルモンテの町は、古代タルテッシア地方に位置し、銅石器時代には金属交易を行っていた地域である。当時、この一帯はリグスティニア湖に部分的に囲まれていたが、同湖は紀元前700年に完全に干上がった。考古学者ジョージ・ボンソル(George Bonsor)とアドルフ・シュルテン(Adolf Schulten)は、アトランティス探索の過程で、ガルム製造工場、集落、墓地跡を発見しており、この地域がローマ支配下にあったことを示している。[10]

現在の地名は、西暦8世紀に定着した名称「アル・ムント(Al Munt)」に由来する。ウマイヤ朝の時代、この地域に古くから生息していた野生馬が初めて家畜化・繁殖され、後にマリスメーニョ(Marismeño)の保護品種として登録され、マスタングの祖先となった。[11][12]

アルモンテはその後カスティーリャ王国によって再征服され、1270年、アルフォンソ10世賢王は、森の中に聖域を建設するよう命じた。地元ではこの聖域に祀られた存在を「ラス・ロシナスの聖マリア(Santa María de las Rocinas)」と呼び、その像は作者不詳のゴシック様式の木彫像で、建立以来同地に安置されている。[13][14].この像は後に「エル・ロシーオの聖母(Virgen de El Rocío)」として知られるようになった。

ルネサンス期には、エル・ロシオ村は重要な河川港の一つとなり、砂地の未舗装道路や馬をつなぐ木製の柵といった景観要素が、ムスタングの祖先とともに北米へ伝えられた。ラス・ロシナスの森は王室林「ドニャーナ(Doñana)」となり、後に公的施設であるラス・マリスミージャス宮殿(Palacio de las Marismillas)が設けられた。同世紀には、フェリペ2世(Felipe II)の命により、アルモンテ沿岸に6基の防御塔が建設された。

1583年、アルモンテは公爵からドニャーナを購入し、1653年にはエル・ロシーオの聖母が町の守護聖人と定められた。これを契機に、近隣地域からの信仰が集まり、毎年の巡礼が始まった。1810年、半島戦争中に住民がフランス軍将校を処刑したことを受け、ナポレオンは報復として軍を派遣したが、部隊は町に到達しなかった[15]。この出来事を奇跡と解釈し、住民は現在も毎年8月に「エル・ロシーオ・チコ(El Rocío Chico)」と呼ばれる誓願行事を行っている。1949年以降、エル・ロシオの聖母像は7年ごとに聖域からアルモンテへ移され、約9か月間滞在することが制度化された。現在、アルモンテはエル・ロシオ村、ドニャーナ国立公園、マタラスカニャス海岸によって広く知られている。

政府と政治

アルモンテ市議会は、自治体内にある三つの都市区域、すなわちアルモンテ市、エル・ロシーオ村、沿岸部の町マタラスカニャスを管轄している。18世紀にはメディナ=シドニア公爵家の統治下にあったが、1812年以降、市議会が地方行政において実質的な役割を担うようになった[16]。19世紀には、地域の動植物を保全しようとする科学的関心が高まり、1858年には、セビリア大学の学長であった地元出身のアントニオ・マルティン・ビジャ(Antonio Martín Villa)が、市議会に対し野生動物の詳細な目録作成を求める書簡を送った。この記録は、後にドニャーナ国立公園の設立に寄与し、同公園は現在 ユネスコ 世界遺産に登録されている。

アルモンテの地方政府は21[17] 名の市議会議員で構成されている。フランシスコ・ベラ(Francisco Bella)は、2011年から2023年までの期間を除き、20年以上にわたり市長職を務めており、現在もその地位にある。 主な行政課題には、観光活動に起因する廃棄物がドニャーナ国立公園に与える影響、夏季にマタラスカニャスで発生する人口増加、ならびに巡礼期間中にエル・ロシーオで見られる一時的な人口集中(この期間、人口規模はスペイン国内で第3位に相当するとされる)が含まれる。また、農業用水の利用や、産業開発と国立公園の管理をめぐる地方・自治州・中央政府間の対立も、継続的に議論されている課題である。[18]

都市計画

アルモンテ市には、地理的条件や成立過程の違いにより、都市計画、歴史、住民構成において大きく異なる3つの都市圏が存在する。アルモンテの中心都市は市域の北部に位置し、大西洋岸から26km離れている。エル・ロシーオ村は南に15km、そして海岸沿いの町マタラスカニャスがすぐ近くにある。中心都市は8世紀の創設以来発展を続け、歴史的中心部には狭い石畳の道や修復された建物が残っている。一方、エル・ロシーオ村は19世紀の馬車交通に適応した、広くまっすぐな未舗装の道を維持している。そして、海岸沿いの町マタラスカニャスは、周囲を囲むドニャーナ国立公園が設立される直前の1960年代後半に創設された。

建築

典型的な18世紀の建築

20世紀半ばまで、この町の建築様式は、住宅、搾油工場、ワイナリーの3つだった[19]。16世紀以降、アルモテア人の住居のほとんどは2階建てで、通りに面した裏口のあるパティオを備えている。特徴的なのは搾油工場の塔であり、その代表例がサンタ・マリア荘園(Hacienda de Santa María、18世紀)である。1990年代に修復された主なワイナリーには、カニェテ伯爵酒蔵(Bodegón del Conde de Cañete)、現在は「アナ・マリア・マトゥテ図書館(Biblioteca Ana María Matute)」)、エスコラール兄弟酒蔵(Bodega de los Hermanos Escolar、現在はワイン博物館)、セペダ製粉所(Molino de Cepeda、現在は町立博物館)、セラフィン酒蔵(Bodegón de Serafín、19世紀、現在はビジターセンター)がある。

エル・ロシーオの庵の眺め

エル・ロシーオ村は、湿地帯に隣接する長方形の未舗装の町で、ドニャーナ国立公園のすぐ近くにある。南側の庵を囲む通りを除いて、すべての通りはまっすぐになっている。ここには千人強の定住者がおり、その建築様式と馬文化はアメリカ大陸発見の際にアメリカの開拓時代に持ち込まれた[3][4][5] 。アルモンテから南へ26km、大西洋岸には、1960年代後半に建設されたマタラスカニャスの町がある。海岸沿いに長さ4km、幅1kmの市街地で構成されている。約3,000人の住民がここに定住している。

地理

スペイン南西部に位置するアルモンテ市は、国内でも最大級の自治体の一つであり、スペイン最長の海岸線を有している[2]。考古遺跡であるトーレ・デル・リオ・デ・オロ(Torre del Río de Oro)からグアダルキビール川河口まで、50キロメートル以上にわたって直線的で途切れのない砂浜が続いている[7][8]。このうち28キロメートルはドニャーナ国立公園の一部として保護されており、市街化されているのはマタラスカニャス(Matalascañas)に位置する約4キロメートルのみである。海岸の大部分は、低木植生を伴う半化石砂丘で構成されており、岩盤や断崖はほとんど見られない。砂は淡色で粒子が細かいのが特徴。一方、クエスタ・マネリ(Cuesta Maneli)海岸から東へ数キロメートル進むと、高さ約100メートルに達する砂丘の断崖が存在する。この「エル・アスペリージョ(El Asperillo)」はヨーロッパで最も高い砂丘断崖とされ、アンダルシア州の天然記念物に指定されている[20][21]

帯水層・河川・流域

アルモンテ・マリスマス帯水層(Acuífero Almonte-Marismas)は州内で最も広大な帯水層で、面積は2,800平方キロメートル以上[22]、最大深度は約150メートルに達し、ドニャーナ国立公園の主要な水源となっている。アルモンテ市内には、サンタ・マリア川(Arroyo de Santa María)、ラ・ロシーナ川(Arroyo de La Rocina)、マドレ・デ・ラス・マリスマス川(Caño Madre de las Marismas)の3河川と、サンタ・オラジャ湖(Laguna de Santa Olalla)がある。ラ・ロシーナ川は、エル・ロシーオの象徴的な湿地帯への主要な水供給源となっている。この湿地は10月から7月にかけて水が満ち、最も乾燥する時期には湿地または草地の状態になる。

気候

この地域は、大西洋と地中海の境界付近に位置しているため、地中海性気候と海洋性気候の特性を併せ持っている。自治体の面積が広いため複数の微気候が存在し、年間平均気温は約17℃。夏季および冬季はいずれも温暖で、スペイン内陸部に見られるような極端な寒暖差はない。年間降水量は比較的少なく、700ミリメートルに達しない年もある。[23]

ドニャーナ地域では、極前線と亜熱帯高気圧の影響を受けるため冬は比較的湿潤で、夏は降水量が非常に少なくなる。春季および秋季には局地的な豪雨が発生することがあり、冬季には高気圧の影響が頻繁に見られる。アルモンテは海洋の影響により年間を通じて温和な気温が保たれているが、冬には激しい嵐が沿岸部を襲い、レストランや歩道などの海岸沿いの構造物に被害をもたらすことがある。これらの被害に対応するため、市議会は特定地域の復旧に多額の予算を投じており、その額が100万ユーロを超える場合もある。

環境政策

アルモンテは、2000年にスペインで初めて環境条約環境持続性憲章 (Carta por la Sostenibilidad)に署名した自治体である[24]。この条約は後にスペイン首相によって批准され、都市計画を含む地方政策に反映されてきた。また、アルモンテは国立公園影響地域協会(Asociación de Municipios con Territorios de Parques Nacionales, AMUPARNA)の創設メンバーであり、本部所在地でもある。同協会は1997年に設立され、現在では全国各地の約100の自治体が加盟している[25]

アルモンテは、1960年代にドニャーナ国立公園が設立されて以降、欧州レベルでの環境課題に直面してきた。この状況は、1990年代にベリー類の集約的農業が導入されたことで、より顕在化した。

動植物

ドニャーナ国立公園およびその周辺地域には、保護対象種を含む多様な動植物が分布している。植物相には、地中海性低木林が広く見られ、セイヨウネズガマユーカリイタリアカサマツヨシアカシアコルクガシシダ類スゲ類ローズマリーエニシダ属タチジャコウソウなどが含まれる。

スペインオオヤマネコ

動物相としては、スペインオオヤマネコをはじめ、シカ、イノシシアカギツネムラサキサギイベリアカタシロワシハヤブサシロエリハゲワシなどが確認されている。

また、公園内には1950年代に植林された松林が広がり、下層植生としてロックローズ(jaras)や複数の芳香植物が分布している。約12万2,000ヘクタールの範囲には、湿地、砂丘、森林、草原、海岸などが含まれ、多様な景観と微気候が形成されている。

2022年7月、アルモンテは国際的な研究者や大学、団体が参加する世界生物回廊(World Biological Corridor)の枠組みにおいて、「ヨーロッパ生物多様性拠点(Hub of European Biodiversity)」の一つとして位置づけられた。[26]

文化

先史時代から人が居住し、その領域が大西洋岸にまで及ぶアルモンテは、独自の慣習と豊かな文化遺産を有している。タルテッソス人から北欧系集団に至るまで、古代ギリシア人、フェニキア人、ローマ人西ゴート族ウマイヤ朝など、多様な文明が何世紀にもわたりこの地に影響を与え、その伝統は主として恵まれた自然資源を基盤として形成されてきた。

歴史遺産

青銅器時代から現代に至るまで、アルモンテには多様な歴史的遺構や文化的要素が残されている。主なものは以下のとおり。

トーレ・デ・ラ・イゲラ。
  • 海岸沿いの町マタラスカニャスの西数キロに位置する、世界的に重要な化石足跡遺跡。[27]
  • プエンテ・デ・ロス・オリバレホス橋(Puente de los Olivarejos)付近にある紀元前5000年頃の新石器時代遺跡で、小屋跡、斧、スプーン、石英、や珪石、などの鉱物が確認されている。[28]
  • 紀元前2000年頃のトゥルデタニ人の笛。テラコッタ製で女性像を表し、現在はウエルバ博物館に所蔵されている。[29]
  • ドニャーナ国立公園内にある、約40ヘクタールに及ぶタルテッソス人の金属遺構。[30][31]
  • 同じく公園内のセロ・デル・トリゴ(Cerro del Trigo)に位置するローマ時代の漁業加工施設。[32]
  • エル・ロシーオにある古代オリーブの木群で、最古のものは樹齢約800年とされている。[33]
  • ドミグラティアの墓石(Domigratia)。6世紀の墓碑で、町で最初にキリスト教の洗礼を受けたローマ人のものとされ、教会内に保存されている。[34][35]
  • ドニャーナ宮殿(Palacio de Doñana)。14世紀建立の保護建造物で、現在はスペイン国立研究評議会(CSIC)が管理する先端研究施設として国立公園内に位置している。[36]
  • フェリペ2世の命により建設された沿岸の防御塔群。観光資料や絵葉書にも頻繁に登場し、「トーレ・デル・オロ(Torre del Oro)」、「トーレ・デ・ラ・イゲラ(Torre de la Higuera)」、「トーレ・カルボネロ(Torre Carbonero)」などが含まれる。[37][38]
  • アルモンテ教会(15世紀)。エル・ロシーオの庵を除き、エル・ロシーオの聖母(Virgen del Rocío)を迎えた唯一の聖堂であり、フアン・ラモン・ヒメネスなどの著名な作家や、スペイン国王、アメリー・ドルレアンらも訪れている。[39]
  • 市庁舎(17世紀)。教会に隣接する町の主要広場に位置している。[40]
    新古典主義様式のエル・アセブロン宮殿
  • ラス・マリスミージャス宮殿(Palacio de las Marismillas)。南スペイン唯一の大統領官邸で、市域南東部、グアダルキビール川近くにある。[41]
  • グアダルキビール川河口付近の海岸に残る第二次世界大戦時の掩体壕[42]
  • アルモンテの音楽伝統を代表するフルートとタボル(flauta y tamboril)。[43]
  • 修復され、現在は公共施設、博物館、レストランなどとして再利用されているワイナリーや搾油工場。[44]
  • ラ・ロシーナ川(La Rocina)近くに位置する新古典主義様式のエル・アセブロン宮殿(Palacio del Acebrón)。[45]

地元の祭り

エル・ロシーオの巡礼

アルモンテでは、さまざまな伝統的な祭りや祝祭が行われている。これらの多くは、ドニャーナ国立公園 や、自治体内で何世紀にもわたって行われてきた経済活動と関係している。

  • エル・ロシーオの巡礼は、アルモンテに関連する最もよく知られた祝祭である。1980年にスペイン政府により国際観光祭(Fiesta de Interés Turístico Internacional)に指定され、推定で約100万人が参加している[46]。国内外から約120の支部共同体(Hermandades)が、エル・ロシーオの聖域を目指して巡礼する。このイベントは日本国内でも関心を集め、朝日新聞などの全国紙が祝賀記事を掲載した[47]
  • ラ・ヴェニーダ・デ・ラ・ビルヘン(La Venida de la Virgen)は7年ごとに聖母像をエル・ロシーオからアルモンテへ移送する行事で、1589年に始まった[48]。聖母像は9か月間アルモンテに留まり、その期間中、町では特別な装飾が施され、人口が大きく増加する。
    牝馬の集まり
  • 牝馬の集まり(Saca de las Yeguas)は、起源が1000年以上前にさかのぼる年次の畜産行事である[49]。毎年6月26日に行われ、数千頭の牝馬と子馬がドニャーナ国立公園から町へと導かれる。
  • フェリア・デ・アルモンテ(Feria de Almonte)は、13世紀頃の中世に行われていた馬や牛の飼育活動に起源を持つ年次祭。牝馬の集まり直後の6月下旬に開催され、屋台やコンサート、遊戯施設、伝統的な催しなどが行われる。[50]
  • トランジション・フェスティバル(Transition Festival)は、2011年に設立された国際的なオルタナティブ音楽フェスティバルである。アルモンテの南東約4kmに位置する松林地帯で、通常は5月第2週に開催される。[51]
    アルモンテのクリスマス
  • クリスマスでは、マタラスカニャス(Matalascañas)周辺の自然保護区からのラクダが登場し、東方の三博士に関連する行列が海岸沿いで行われる。[52]
  • エル・ロシオ・チコ(El Rocío Chico、「小さなロシオ」を意味する)は、毎年8月19日に行われる奉納行事で、町の守護聖人に捧げられている。地域の伝承によれば、この誓願は、ナポレオン軍が町を占領せずに撤退した出来事を記念するものとされている。[15][53]

文化遺産

  • 「ラ・シウダ・デ・ラ・クルトゥーラ(La Ciudad de la Cultura)」州内でも主要な劇場の一つを含み、文化センターや芸術学校、図書館が併設されている。[54]
    アルモンテ劇場
  • 市立博物館(Museo de la Villa)都市空間と自然環境の相互関係を主題とした、民族誌資料を中心とするコレクションを所蔵している。[55]
  • 海の博物館(Museo del Mundo Marino)ISO 9001ISO 14000、およびAENORの品質認証を取得したスペイン初期の博物館の一つである。ヨーロッパで唯一、シャチの全身骨格を所蔵しており、哺乳類の骨格標本、各種模型、国内有数の貝殻コレクションも展示されている。また、NASAが開発した自立型密閉生態系であるエコスフィア(Ecosfera)を展示した博物館でもあり、当時ヨーロッパでは他に1点しか同様の展示はなかった。[56]
  • エル・ロシ一オ博物館(Museo de El Rocío)世界的に知られるエル・ロシーオ巡礼と、ドニャーナ国立公園との歴史的・環境的関係を紹介している。[57]
  • ワイン博物館(Museo del Vino)ガイド付き見学のほか、飲食施設や売店を併設している。アルモンテ産のワインであるライガル(Raigal、1992年にアンダルシア初のスパークリングワインとして製造)やオレンジワインについて、製造工程や歴史を含めた解説が常設展示室で行われている。[58][59][60]
  • 絵画館(Pinacoteca)2階建ての展示空間を持ち、地元作家による美術作品を中心に収蔵・展示している。[61]
  • 森林博物館(Museo Forestal)有機農業学校、スペインオオヤマネコの研究施設、地域固有の松林に関する展示を含んでいる。[62]
  • ヴィラ文化センター(Centro Cultural de la Villa)絶版本や希少書籍を含む、約2,000点の資料を所蔵している。

文学

地元出身の人物としては、アントニオ・マルティン・ビジャ(Antonio Martín Villa)、セビリア大学元学長、ロレンソ・クルス(Lorenzo Cruz)、ドミンゴ・ムニョス・ボルト(Domingo Muñoz Bort)、アルフォンサ・デ・アルモンテ(Alfonsa de Almonte)、フアン・ビジャ(Juan Villa)、ロシオ・カストリージョ(Rocío Castrillo)などが挙げられる。[63] [64]

1995年以降、市議会は地域文化の保存と振興を目的として、「クアデルノス・デ・アルモンテ(Cuadernos de Almonte)」と題された100冊以上に及ぶ出版シリーズを刊行している。 また、ルイス・デ・ゴンゴラフアン・ラモン・ヒメネスラファエル・アルベルティ、ホセ・マヌエル・カバジェロ・ボナルド(José Manuel Caballero Bonald)、フェルナンド・ビジャロン(Fernando Villalón)、アルフォンソ・グロッソ(Alfonso Grosso)といった作家たちも、作品の中でアルモンテの風景を描写している。[65]

映画

アルモンテは、これまで多くの映画、短編映画、ドキュメンタリー、テレビ番組、各種ショーのロケ地として使用されてきた。主な撮影地には、果てしなく続くビーチ、エル・ロシーオ村、そしてドニャーナ国立公園内の砂丘地帯などがある。代表的な作品としては、『ネバーエンディング・ストーリー[66]や『アラビアのロレンス』が挙げられる。アルモンテは、地域における映像制作を推進するアンダルシア映画委員会(Andalucía Film Commission)の加盟自治体でもある。

音楽

アルモンテの伝統音楽は、大きく二つに分けられる。ひとつはフルートとタボル(flauta y tamboril)[67]による器楽演奏、もうひとつはセビジャーナ・ロシエラ(Sevillana Rociera)に代表される声楽である[68]。近年では、オルタナティブ・ロック、ルンバ、サイケデリック・トランスといった新しい音楽ジャンルも登場しており、特に後者はトランジション・フェスティバル (Transition Festival) の開催によって広まった。

現代音楽の分野では、レキエブロス(Requiebros)、センデロス(Senderos)、オルタナティヴ・ロックバンドのザ・ピンク・パイロン(The Pink Pylon)などが知られている。また、チコ・ガジャルド(Chico Gallardo)やマカレナ・デ・ラ・トーレ(Macarena de la Torre)は、地域を代表する歌手として高い評価を受けている。[69]

美食

ガンバ・ブランカ)

アルモンテの地中海料理は非常に多彩だが、大西洋ドニャーナ国立公園が交わる地に位置しているため、ジビエ料理と魚介料理が中心となっている。肉料理では、野生のウサギシカイノシシ、ヤマウズラなどが一般的で、ドニャーナ周辺に根付く狩猟文化を反映している。

魚介類では「ガンバ・ブランカ(gamba blanca)」をはじめ、ランゴスティーノ(langostinos)、や「コキーナ(coquinas)」が名物である。近年ではベリー類の栽培も盛んになり、アルモンテは現在、ヨーロッパ有数のベリー輸出地域となっている[70][71][72][73]。野菜では、野生のアスパラガスや豆類が頻繁に使われる。

蜂蜜を主原料とするイスラム起源のデザートも数多く残っている。特筆すべき点として、地元ブランドのライガル(Raigal)は、1992年に誕生した南スペイン初のスパークリングワインである。

スポーツ

アルモンテは温暖な気候に恵まれており、屋外スポーツに力を入れている。デュアスロン[74]柔道[75]サイクリング[76]モトクロス[77]新体操[78]などの分野で、国内および国際レベルにおいて多くの地元選手が金メダルや銀メダルを獲得している。

その他の重要なアクティビティとしては乗馬[79][80]が挙げられる。スポーツとしての競技だけでなく、伝統的なファッションに関連したコンテストも数多く開催されているほか、馬やラクダのレンタルサービスも提供されており、観光客は周囲の自然空間を満喫することができる。アルモンテは、州内でオリンピックサイズ・プール[81]を有する数少ない町の一つでもある。

町で近年人気を集めているスポーツはインライン・アルペンスラロームである。アルモンテには地域初の専用トラックが整備されており、出場選手はすでに数々の国内賞を受賞している[82]。2026年には、アルモンテがスペインで唯一モトクロス世界選手権の開催地となる[83]

経済

アルモンテの経済は、主に天然資源と観光業を基盤としている。過去10年間において、自治体の年間平均収入は約5,000万ユーロで、2019年には約6,300万ユーロに達した[84]。伝統的な経済活動には、オリーブ栽培、ブドウ栽培、ドングリの採取、養蜂、松の実の生産、製塩、林業、木炭生産、農業、漁業などがある。

2022年には、アルモンテには1,898の企業が登録されていた。その内訳は、従業員20人以上の企業が63社、卸売業が473社、作物栽培畜産漁業が261社、宿泊・飲食業が254社、建設業が200社、その他のサービス業が120社となっている[85]

第一次産業

アルモンテは、ヨーロッパでも有数の有機ブルーベリー生産地域の一つである。市内に拠点を置く企業には、約3,000人を雇用し、約1,600ヘクタールの耕作地を管理するスレクスポルト社(Surexport)などがある[86]。2009年には、市内に410の畜産農家が登録されており、そのうち276戸が馬、72戸が牛を飼育していた[87]。地元の馬種および牛種は古代から存在し、中世に部分的に家畜化された後、16世紀にはアメリカ大陸へと輸出された。これらの在来品種は、1969年以降、ドニャーナ国立公園内で保護されている。町の北部には、地元の牧場主と在来家畜品種を代表するため、1982年に設立されたマリスメーニョ家畜生産者全国協会(Asociación Nacional de Criadores de Ganado Marismeño)がある。沿岸海域で一般的に見られる水産資源には、ガンバ・ブランカ(gamba blanca)、コキーナ(coquina)、ランゴスティーノ(langostino)などがある。

第二次産業

アルモンテでは、1,677件の工業・製造関連事業が登録されている。その内訳は、車両修理が561件、飲食サービスが284件、建設業が232件、科学・技術関連活動が103件、製造業が80件である。[85]

第三次産業

観光業は、アルモンテ経済の重要な柱となっている。文化遺産、美食、ワイン生産、地元の祭礼、エル・ロシーオへの巡礼、マタラスカニャスにおける海岸観光など、多様な観光活動が展開されている。アルモンテは、自治州政府により観光都市として正式に指定されている。[88]

ホテル

アルモンテ市には、ホテルやホステルなど約25の宿泊施設があり、合計で約9,000床を提供している。これらの多くはエル・ロシーオおよびマタラスカニャスに所在しており、4つ星ホテルも含まれている。[85]

国内外のプログラムと認知度

アルモンテ市は、40年以上にわたり国際観光見本市フィトゥール(Fitur)に参加している[89]。各種メディアのランキングにも取り上げられており、旅行雑誌『ビアハル(Viajar)』では「スペインで最も美しい22の自治体」の一つとして紹介された[90][91]。さらに、コンデ・ナスト・トラベラー(Condé Nast Traveller)の記事でも言及されている。加えて、クエスタ・マネリ(Cuesta Maneli)、マタラスカニャス(Matalascañas)、エル・アスペリージョ(El Asperillo)の3つのビーチは、ナショナルジオグラフィックによる「アンダルシアの注目すべきビーチ」に選ばれている。

地域プロジェクト

2022年には、スペイン南部を横断する公式ルート網「デスティノ・ロシーオ(Destino Rocío)」や、エル・ロシーオサンティアゴ・デ・コンポステーラを結ぶ巡礼ルートなど、複数の観光関連プロジェクトが開始された[92]。また、同市ではフラメンコ・ファッション分野も展開されており、ルシア・サンチェス(Lucía Sánchez/Lemachet)、ロシオ・カブレラ(Rocío Cabrera)、ホセ・ホアキン・ヒル(José Joaquín Gil)、リマ・ポチェビチェネ(Rima Poceviciene)、フアン・フランシスコ・ヒル・オルティス(Juan Francisco Gil Ortiz)といったデザイナーが活動している。さらに、SIMOF(Semana Internacional de la Moda Flamenca/国際フラメンコ・ファッション・ウィーク)などの関連イベントも開催されている。

サービス

科学技術

脚注

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