アンドレーエフ反射

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常伝導体(N)と超伝導体(S)の界面に到達した電子(赤)は、超伝導体内にクーパー対を形成し、常伝導体内に逆反射された正孔(緑)を生成する。垂直の矢印は、各粒子が占有するスピンバンドを示す。

アンドレーエフ反射(アンドレーエフはんしゃ、英語: Andreev reflection)は、ロシアの物理学者アレクサンドル・アンドレーエフ英語版にちなんで名付けられた、超伝導体(S)と常伝導体(N)の界面で起こる粒子の散乱の一種である。これは、N内の常伝導電流がS内の超伝導電流に変換される電荷移動プロセスである。各アンドレーエフ反射は界面を越えて2eの電荷を転送し、超伝導エネルギーギャップ内での禁止された単一粒子透過を回避する。

この効果は一般にアンドレーエフ反射と呼ばれるが、1960年代初頭にサン=ジェーム(Saint-James)とド・ジェンヌ(de Gennes)、およびアンドレーエフによって独立に予測されたため、アンドレーエフ=サン=ジェーム反射(Andreev–Saint-James reflection)とも呼ばれる。[1]

このプロセスは、常伝導材料から界面に入射する、超伝導エネルギーギャップ未満のエネルギーを持つ電子に関わるものである。図のように、入射電子は、入射電子と逆のスピンと速度を持ち、運動量が等しい正孔の逆反射を伴って、超伝導体内にクーパー対を形成する。界面のバリアの透過率は高いと仮定され、界面での通常の電子-電子散乱や正孔-正孔散乱の頻度を減少させる酸化層やトンネル層は存在しないものとする。クーパー対は上向きスピンと下向きスピンの電子で構成されるため、常伝導状態からの入射電子に対して逆向きのスピンを持つ第2の電子が超伝導体内でペアを形成し、その結果として逆反射正孔が生じる。時間反転対称性により、入射電子によるプロセスは入射正孔(および逆反射電子)でも同様に機能する。

また、このプロセスはスピンに強く依存する。常伝導材料において伝導電子が1つのスピンバンドのみを占有している場合(すなわち、完全にスピン偏極している場合)、超伝導体内でペアを形成できず、単一粒子の透過も不可能であるため、アンドレーエフ反射は抑制される。強磁性体や、スピン偏極が存在する、あるいは磁場によって誘導される材料では、アンドレーエフ反射の強さ(ひいては接合のコンダクタンス)は常伝導状態のスピン偏極の関数となる。

アンドレーエフ反射のスピン依存性は、ポイントコンタクト・アンドレーエフ反射法(PCAR)を生み出した。これは、細い超伝導チップ(多くの場合、ニオブアンチモン、または)を、チップの臨界温度以下の温度で常伝導材料に接触させる手法である。チップに電圧を印加し、チップとサンプル間の微分コンダクタンスを測定することで、その点における常伝導金属のスピン偏極(および磁場)を決定できる。これは、スピン偏極電流の測定や、材料層またはバルク試料のスピン偏極特性、およびそれらの特性に対する磁場の影響の評価などに役立つ。

アンドレーエフプロセスにおいて、電子と正孔の間の位相差はに超伝導秩序パラメータの位相を加えたものになる。

交差アンドレーエフ反射

注釈

参考文献

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