アヴェスター語
インド・ヨーロッパ語族インド・イラン語派イラン語群に属し、ゾロアスター教の聖典『アヴェスター』において用いる典礼言語
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概要
分類
文字
文法
サンスクリットとの関係
インドのサンスクリット語とは極めて近縁の言語で、特にサンスクリットの最古層であるヴェーダ語 (『リグ・ヴェーダ』などに用いられた言語) とは文法的にも酷似している。そのため、「アヴェスターをヴェーダ語に翻訳するには、一定の規則に従って個々の音を置き換えるだけで良い」と言われる[5]ほどである。
サンスクリットとアヴェスター語の音韻上の相違点のうち重要な物を以下に幾つか例示する。 なお、サンスクリットの表記はIASTによる。
- サンスクリットのsはアヴェスター語のhになる。 例) sapta (七) = hapta
- 同じくhはzになる。 例) hasta (手) = zasta
- 無声帯気閉鎖音kh、th、phは摩擦音x、θ、fになる。例) gāthā (詩頌) = gāθā
- 有声帯気閉鎖音gh、dh、bhはg、d、bになる。 例) bhrātar (兄弟) = brātar
- yやrの前の閉鎖音は摩擦音になる。 例) mitra (ミトラ神) = miθra
- 語中のt等の閉鎖音、n、r等は、後ろにi、yが来ると前の母音にiを生じさせる。
- 例) bharati (彼は運ぶ) = baraiti , vārya (望ましい) = vairya
- なお、この"i"は、後続のt等の閉鎖音、n、r等の子音がやや口蓋化する事を示す物で、それ自体は発音しない。例えばvairyaはワルヤ、或いはワリヤの様に発音されていたと思われる。
- 語中のt等の閉鎖音、n、r等は、後ろにu、vが来ると前の母音にuを生じさせる。
- 例) aruṣa (白い) = auruša
- なお、この"u"は、後続のt等の閉鎖音、n、r等の子音がやや円唇化する事を示す物で、それ自体は発音しない。
- śvはspになる。 例) aśva (馬) = aspa
- eはaēになる。例) deva (デーヴァ神族) = daēva (悪神)
- oはaoになる。 例) soma (神酒) = haoma