イケマ
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イケマ(生馬[5]・牛皮消、学名: Cynanchum caudatum)はキョウチクトウ科ガガイモ亜科イケマ属のつる性の多年草。別名、「ヤマコガメ」「コサ」ともよばれる[6]。
名称
分布と生育環境
特徴
多年生草本[5]。根茎は太く、横に這う[5]。茎はつる性で数本が束生し、初夏に伸びて藪(やぶ)の他の草などに巻きついて這い登って葉を茂らせ、高さは2 - 5メートル (m) になる[5]。つるの巻き方向は、左から右巻き(S巻き)で、低木に巻き付いて寄りかかって成長する[6]。
葉は長さ10センチメートル (cm) 前後のガガイモより長い葉柄をもっており、茎に対生する[5]。葉身は長さ5 - 15 cm、幅4 - 10 cmの心形で先端は尾状に鋭く尖り、裏面は淡緑色で[5]、葉脈が浮きだって目立つ。葉縁は全縁。
花期は7 - 8月[5]。葉腋から長さ6 - 12 cmある葉柄より長い花柄の先に、径2 - 4 cmの散形花序をつけ、葉の上に多数の白色花が顔を出す[5]。小花柄は長さ1 - 2 cm、花冠(花弁)は蕾(つぼみ)の状態は真ん丸であるが、5裂して開花すると星形となって、裂片は後部へ反り返る[5][7]。副花冠は白色で花弁の内側にあり、小さな花が多数集まって花序全体が球のように丸く咲く[7]。
花が終わると、秋に径1 cm、長さ8 - 11 cmの、旧ガガイモ科特有の袋果(果実)を2つずつつける。袋果は、オクラのような紡錘形から角状披針形をしており、中には種子を多数つくる[5][7]。秋に袋果が割れ、白く長い種髪(毛束)をつけた長さ8ミリメートル (mm) ほどの種子がはじけ、風により散布される[7]。
- 花序。白色で目立つのは副花冠。
- 開花すると5裂けて星形になるが、蕾のときは丸い形をしている。
毒性
利用・文化
食用
若葉や茎先の柔らかい葉を摘んで食用にする[5]。採取時期は5 - 6月ごろが適期とされる[5]。摘んだ葉は茹でて水にさらし、おひたし、和え物、汁の実、天ぷら、煮物などにする[5]。秋には、若い果実が天ぷらにして食べられる[5]。しかし、根は有毒のため食用にできない[5]。
薬用
漢方では、イケマの根を「午皮消根」というが、利尿、強壮、強心薬として、また、食中毒の解毒や腹痛、歯痛、風邪薬、回虫の駆除として使われていた[8]。
アイヌとの関係
アイヌは本種を古くから呪術用、薬用、食用に用いられていた。本種の根を乾燥させたものを細かく刻み、紐を通したものをネックレスのように首から下げるか、小片をマタンプシ(鉢巻)に取り付けて魔よけとしたという。また、葬儀のとき、夜道の一人歩き、漁や旅のときにも身につけて、魔除けとして使われていた。