イナータ
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イナータ(英: Inerter)あるいは慣性器とは、制御理論においてメカニカル・ネットワークの方法を適用して、端子に作用する力が等しく、反対方向であり、かつノード間の相対加速度に比例する二端子デバイス(英: two-terminal device)のことである。この概念はF1レーシングカーのサスペンションシステムに、
フライホイールをラック・アンド・ピニオンに取り付けて構築できる。これは、ばねで支えられた物体の慣性を増加させるのと同様の効果を持つ。
ケンブリッジ大学の制御工学教授であるマルコム・C・スミスは、2002年の論文で初めてイナータ(慣性器)を提唱した[1]。スミスは、機械要素で構成される系に対して電気理論をメカニカル・ネットワークの手法で類推適用(モビリティ・アナロジー)した。しかし、スミスはこの類推が不完全であると指摘した。なぜなら、電気的なコンデンサと同じ役割を果たす機械装置が欠けていたからだ。この類推では質量を静電容量のアナログと見なすが、質量を表すコンデンサは常に一方の端子が接地電位相当に接続されている。実際の電気回路では、コンデンサは任意の二つの電位間に接続でき、接地に限定されない。この点に着目したスミスは、コンデンサの真の機械的アナログとなる装置の探索に着手した。彼は歯車とフライホイールを用いてそのような装置を構築できることを発見した。これは複数の可能な手法の一つであった。
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ここで定数 はモビリティー・アナロジーにおける慣性であり質量単位をとる。
イナータの構築
応用技術
この発明後間もなく、イナータの原理が露見しないように意図的に誤解を招くコードネーム「Jダンパー」という名称で、F1レーシングカーのサスペンションシステムに採用された。タイヤの固有振動数に同調させることで、イナータはサスペンションにかかる機械的負荷を低減した。
マクラーレン・メルセデスは2005年初頭にJダンパーの使用を開始し、ルノーもその後すぐに追随した[2][3]。Jダンパーは2007年のF1スパイ疑惑の中心的存在であった。この問題はフィル・マッケレスがマクラーレンからルノーに移籍した際に発生した。
研究者らは、強風に耐えられる超高層ビルを建設するため、慣性装置を基盤とした新たな振動制御装置を開発している[4][5]。