インドボダイジュ
クワ科イチジク属の植物の一種
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インドボダイジュ(印度菩提樹、覚樹(かくじゅ)、道場樹(どうじょうじゅ)、学名: Ficus religiosa、梵: pippala または aśvattha)は、クワ科イチジク属の植物の一種[2]。インド中部や北部の風土や文化によく根づいており、仏教徒、ヒンドゥー教徒、ジャイナ教徒にとって聖なる木とされる[3]。仏教の発祥地であるインドの国花になっている。「仏教三霊樹」のひとつで、仏教の経典にはテンジクボダイジュ[1](天竺菩提樹)の別名を持つ。
| インドボダイジュ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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インドボダイジュの葉と幹 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| Ficus religiosa L.[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| インドボダイジュ[1] (印度菩提樹) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| Bo tree Peepal Pipal Bodhi Tree |
特徴

熱帯地方では高さ30メートル (m) に生長する高木[5]。成長が早く、木の寿命は数千年といわれている[3]。本来は落葉性であるが、常に多湿なところでは常緑となる[5]。若木の樹皮は滑らかで、うっすらと横縞があるが、老化するにつれてまだら状に裂けて縦に溝が入り、基部が広く張り出してくる[3]。しばしば気根が出て、木の強度と安全性を高め、他の動物などの隠れ家にもなる[3]。
葉は長さ15 - 18センチメートル (cm) の円状卵形から三角状のハート形で、先端が細長く突き出すように伸びて尾状になるのが特徴である[5][3]。葉身の表面は光沢のある明るい緑色[5]、裏側は光沢のない薄い緑色である[3]。成長した葉は革質になり、黄緑色の葉脈がよく目立つ[3]。4月ごろの芽生えのときは、朱色や銅色、ピンク色の若葉が萌えだし、真冬に落葉する[3]。若菜のときに葉色が薄いのは、草食動物に食べられてしまう可能性を低くするためで、赤い色は食草にする昆虫に見えにくくする効果があるといわれる[3]。葉柄が長く柔軟であるので、わずかな風でも大きくそよいで、特徴的な葉ずれの音が聞こえる[3]。
他のイチジク属植物と同様に、他肉質で袋状の球形をした花嚢(かのう)が枝につき、花嚢の内側に無数の小さな花が咲く[3]。花嚢にはイチジクコバチ属のハチが共生しており、ハチが花粉を運んで受粉する[3]。受粉すると花嚢が肥大してサクランボほどの大きさの果嚢となり、黄緑色から濃紫色を経て、黒色に熟す[3]。果嚢をほとんどの人が食用にすることはないが、ムクドリやコウモリが好んで食べて、湿り気のある木の割れ目などに種子を落として発芽させる[3]。
他のイチジク属と同様、絞め殺しの木となることがある。耐寒性が弱く元来は日本で育てるには温室が必要であるが、近年では地球温暖化の影響で、関東以南の温暖な地域では路地植えで越冬できたり、または鉢植えの観葉植物として出回っている。先述の通り原産地のインドが仏教発祥の地であることから仏教を信仰する国々で広く栽培されている。温帯地方に位置する天台宗の祖庭の国清寺では葉の形が似ているシナノキ科のボダイジュを「菩提樹」としたため、天台宗の影響を色濃く受けている日本では、各地の仏教寺院では本種の代用としてボダイジュがよく植えられている。ボダイジュが「菩提樹」であるかのように誤解されることが多いが、本種が仏教聖樹の「菩提樹」である。ただ、中国におけるボダイジュの生息地は浙江省などの東部に限るため、他の地域の寺院ではイチョウなど別の樹種が「菩提樹」として植えられることが多い。うち四川省・重慶市では本種の近縁のバンヤンイチジク、チベット仏教の寺院ではモクセイ科のハシドイ(亜種のSyringa reticulata subsp. amurensis)、中国北方ではトチノキの近縁のシナトチノキが「菩提樹」として植えられることも多い(シナトチノキは本来「娑羅樹」として寺院に植えられるため、のち混同したと見られる)[6][7][8][9]。
分布
諸言語における呼称
南アジア
インド:
- サンスクリット: अश्वत्थ (aśvattha-)、पिप्पल (pippala-)、कुञ्जराशन (kunjarāśana-)〈象の食べ物〉、चलदल (caladala-)〈葉がそよぐもの〉、प्लक्ष (plakṣa-)[12]
インドおよびバングラデシュ:
- ベンガル語: অশ্বত্থ (/ɔʃwɔtːʰɔ/ オシュウォット あるいは /ɔʃːɔtʰːɔ/ オッショット)、পিপ্পল (/pipːɔl/ ピッポル)、প্লক্ষ (/plokːʰɔ/ プロッコ)、চলদল (/cɔlɔdɔl/ チョロドル)、অশোত (/ɔʃot/ オショト)、আশোত (/aʃot/ アショト)、পিপলী (/pipɔli/ ピポリ)、মঙ্গল্য (/moŋɡolːɔ/ モンゴッロ)、শ্রীবৃক্ষ (/sɾibɾikːʰɔ/ スリブリッコ)[12][13] - 左記のほか পিপুল (/pipul/ ピプル) をインドボダイジュのこととする資料も存在する[14]が、これはサンスクリットの語源本来の意味ではヒハツのことを指す[12][13]。