オオバイケイソウ
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オオバイケイソウ(大梅蕙草、学名: Veratrum maximum (Nakai) M.N.Tamura & N.S.Lee)は、シュロソウ科シュロソウ属の多年草である[1]。分類学上は、バイケイソウ(Veratrum oxysepalum)の変種[4]として扱われてきた経緯があるが、Kimら (2014) の提案により独立種(Veratrum maximum)へ昇格した[5]。
特徴
分布
分類
中井(1937)は、オオバイケイソウを Veratrum grandiflorum var. maximum として新変種として記載した[4]。その後の地域植物誌等では、バイケイソウ(V. oxysepalum)の変種として Veratrum oxysepalum var. maximum を用いる扱いも見られる[1]。
丹沢山地の個体群については、城川・大場(1982)が、普通型(花序が立ち、花被片が大きい型)が中井(1937)のオオバイケイソウに当たると述べ、垂れ型などについては今後の検討が必要としている[9]。
一方、分子系統解析を含む検討に基づき、従来 V. grandiflorum var. maximum とされてきた分類群を独立種(V. maximum)として扱う提案がなされている[5]。Kimら (2014) は、白馬乗鞍岳、和佐又山で採取したサンプルに対して、核DNA ITS領域および葉緑体DNA(matK、psbA–trnH、rpl16、trnS–G)の配列(計4,856塩基対)を用い、最大節約法とベイズ推定により Veratrum 節の系統関係を解析した[5]。その結果、V. grandiflorum var. maximum(オオバイケイソウ)は、ITS系統樹と葉緑体DNA系統樹で系統的位置が一致せず、V. stamineum(コバイケイソウ)と V. oxysepalum(バイケイソウ)の過去の交雑に由来する可能性が示唆された[5]。以上を踏まえ、著者らは V. grandiflorum var. maximum を種に昇格し、V. maximum として扱うことを提案した[5]。
その後、講談社『Flora of Japan』に基づき独立種として扱われたとされる[7]。Plants of the World Online(POWO)では、V. maximum を学名として採用(accepted)し、V. grandiflorum var. maximum および V. oxysepalum var. maximum を異名(synonym)としている[1]。
毒性
丹沢山地における植生
丹沢山地では、ニホンジカの高密度化に伴う累積的な採食圧により、スズタケ等の林床植生の消失や不嗜好性植物の分布拡大が進んでいる[11][12]。オオバイケイソウは、シカが食べ残す(不嗜好性)植物として増加傾向にあるとされる[8]。 檜洞丸のブナ林の林床において、閉鎖林冠下の柵外では植生が減少し、日当たりのよい林冠ギャップではマルバダケブキ等とともにオオバイケイソウが繁茂している様子が報告されている[13]。
一方で、丹沢山地における生育地は限られており、湿潤な立地条件に依存することが報告されている[14]。安藤・持田(2008)は、丹沢では頂部平坦面・頂部斜面・上部谷壁凹斜面など、一定条件以上に湿潤な環境に生育が限られることを示した[14]。
不嗜好性植物として増える側面が指摘される一方で、オオバイケイソウのように湿潤環境に依存する種は、微小な気候変動の影響を受けやすく、乾燥化が進めば分布域が減少する可能性があると論じられている[14]。県内の概説でも、丹沢では土壌が厚く湿潤な場所に生育立地が限られるため、乾燥化が進むと減少する危険性が指摘されている[8]。