オセロー
1602年のウィリアム・シェイクスピア作の悲劇
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あらすじ
ヴェニスの軍人でムーア人であるオセローは、デズデモーナと愛し合い、デズデモーナの父ブラバンショーの反対を押し切って駆け落ちする。オセローを嫌っている旗手イアーゴーは、自分をさしおいて昇進した同輩キャシオーがデズデモーナと密通していると、オセローに讒言する。嘘の真実味を増すために、イアーゴーは、オセローがデズデモーナに贈ったハンカチを盗み、キャシオーの部屋に置く。
イアーゴーの作り話を信じてしまったオセローは嫉妬に苦しみ怒り、イアーゴーにキャシオーを殺すように命じ、自らはデズデモーナを殺してしまう。だが、イアーゴーの妻のエミリアは、ハンカチを盗んだのは夫であることを告白し、イアーゴーはエミリアを刺し殺して逃げる。イアーゴーは捕らえられるが、オセローはデズデモーナに口づけをしながら自殺をする。
原典
作品解説
表題の人物であるオセローは気高いムーア人(北アフリカのムスリム)であり、キプロスの軍隊の指揮官である。オセローは同情的に描かれているが、これはムーア人のようなムスリムが悪役として描かれることが多かったシェイクスピアの時代のイギリス文学においては珍しいことである。ただしこれは個人的・道徳的に捉えた場合で、オセローに対するイアーゴーの同性愛――あるいは女より男を盲信するホモソーシャリティ――を認識するなら、純粋な背理者、欲望の実行(成功)者はオセローのみとなり、その当時のムーア人社会が男色者達の集団・男色社会として扱われていたことを踏まえると、イングランドはそれを許容しないというテーマ、すなわち悪はオセロー=ムーア人社会だけになる。オセローが黒人であるかアラブ人であるかについては研究者の間でも議論があるが、一般には前者と解釈されている。シェイクスピアは劇中でイスラム教についてほとんど触れていない。
日本語訳
映像化作品
映画
- オセロ(1922年) - エミール・ヤニングス主演のサイレント映画。
- オセロ (1951年) - オーソン・ウェルズ監督・主演。
- オセロ(1955年) - セルゲイ・ボンダルチュク、イリーナ・スコブツェワ出演。
- オセロ(1965年) - ローレンス・オリヴィエ、マギー・スミス出演。
- オセロ(1986年) - ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ『オテロ』の映画化。フランコ・ゼッフィレッリ監督、プラシド・ドミンゴ主演。
- オセロ(1995年) - ケネス・ブラナー、イレーヌ・ジャコブ、ローレンス・フィッシュバーン出演。
- O(2001年) - メキ・ファイファー、ジュリア・スタイルズ、ジョシュ・ハートネット出演。舞台は現代のアメリカのハイスクール。
- Omkara(2006年) - 舞台は現代のインド・ムンバイ。アジャイ・デーヴガン、サイフ・アリー・カーン、カリーナ・カプール出演。
テレビドラマ化
- 未来世紀シェイクスピア(2008年) - AAA(トリプル・エー)主演ドラマ(関西テレビ)。
『オセロー』を元にした音楽作品
- オテロ - ヴェルディのオペラ。オテロ(オテッロ、Otello)はオセローのイタリア語名。
- オテロ - ジョアキーノ・ロッシーニのオペラ。
- 序曲「オセロ」 - アントニン・ドヴォルザークの序曲三部作『自然と人生と愛』の第3曲。
- 威風堂々 - エドワード・エルガーの行進曲集。原題 Pomp and Circumstance はオセロの台詞から採られた。
- オセロ - アルフレッド・リードが戯曲の上演のための付随音楽を作曲しており、後に演奏会用の吹奏楽曲としてまとめられている。
『オセロー』に由来して命名された事物
- オセロ (詳しくはオセロ (ボードゲーム)#歴史を参照)
- デズデモーナ(天王星の衛星)
- デズデモーナ(小惑星)
- オセロ症候群(病名)
関連項目
- アブドゥルワーヒド・ブン・マスウード・ブン・ムハンマド・アンヌーリー - 『オセロー』が書かれる直前の1600年にモロッコからイングランドに派遣された外交官
外部リンク
- 坪内逍遙訳 オセロー - 物語倶楽部のインターネットアーカイブ。
- オセロオ(国立国会図書館デジタルコレクション)久米正雄訳、新潮社
