オルガン交響曲 (ヴィエルヌ)
From Wikipedia, the free encyclopedia
オルガン交響曲'(仏:Symphonies pour orgue)はルイ・ヴィエルヌの独奏オルガンのための作品群である。
1899年から1930年の間に作曲され、作中にもシャルル=マリー・ヴィドールの作風に近い華麗なロマン派的な様式から、不協和音を織り交ぜたより緊密な作風への変化が見られる[1]。ヴィエルヌによる作品群は、セザール・フランクによって開拓され、ジャン・ギユー以降も受け継がれてきたオルガン交響曲の代表的な作品である。
彼のオルガン交響曲の魅力は、オーケストラ的なスケール感をオルガン1台で実現している点にあるとされる。とくに第3番以降では、色彩感よりも構造の凝縮や、劇的な緊張感が強まる[1]。
第1番を除く全ての楽曲が5つの楽章から成り、常に短調で調性が上昇していく構成となっている。
第1番は、1898年から1899年にかけて、彼が結婚した年であり、パリのノートルダム大聖堂のオルガニストに任命される直前に書かれた。ヴィエルヌが音楽院で助手を務めていたアレクサンドル・ギルマンに献呈され、シャルル=マリー・ヴィドールのソロによって初演された。
6楽章から成り、演奏時間は45分弱である。
- 第1楽章 前奏曲
- 第2楽章 フーガ
- 第3楽章 パストラール
- 第4楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ
- 第5楽章 アンダンテ
- 第6楽章 終曲
交響曲第2番 作品20 ホ短調
1902年に作曲された第2番は、カヴァイエ=コルの後継者であり、作曲家の友人でもあったオルガン製作者のシャルル・ムタンに捧げられたもので、彼はこの曲の初演を行ったが、後にヴィエルヌ自身の妻と不倫関係にあると疑われた。また、クロード・ドビュッシーはこの曲を絶賛した。
5楽章から成り、演奏時間は45分弱である。
- 第1楽章 アレグロ
- 第2楽章 コラール
- 第3楽章 スケルツォ
- 第4楽章 カンタービレ
- 第5楽章 終曲
交響曲第3番 作品28 嬰ヘ短調
第3番は1911年に書かれた。この年は、ヴィエルヌの母と、第1番の献呈先であるアレクサンドル・ギルマンが亡くなった年である。作品は、ヴィエルヌが避暑していたマルセル・デュプレのノルマンディーの別荘で作曲され、ヴィエルヌはこれを招待者であるデュプレに献呈し、デュプレは1912年3月に初演を行った。ヴィエルヌの6曲のオルガン交響曲の中で最もインスピレーションに富み、最も優れた構成を持っていると評される[2]。
5楽章から成り、演奏時間は30分強である。
- 第1楽章 アレグロ・マエストーソ
- 第2楽章 カンティレーヌ
- 第3楽章 間奏曲
- 第4楽章 アダージョ
- 第5楽章 終曲
交響曲第4番 作品32 ト短調
第4番は1914年の夏に作曲され、アメリカのオルガニスト、ウィリアム・C・カールに献呈されたが、初演は1924年にアンドレ・マルシャルのソロによって行われた。全曲が循環形式で統一されているのが特徴的である。
また日本では、作曲家の田村文生が抜粋編曲したことでも知られる[3]。2017年に静岡大学吹奏楽団が全日本吹奏楽コンクールで初演しており、2018年3月にブレーンミュージックから出版された。
5楽章から成り、演奏時間は30分強である。
- 第1楽章 前奏曲
- 第2楽章 アレグロ
- 第3楽章 メヌエット
- 第4楽章 ロマンス
- 第5楽章 終曲