オーレの定理

From Wikipedia, the free encyclopedia

オーレの定理の条件を満たし、ハミルトン閉路を持つグラフ。図の中央には次数が n/2 未満の頂点が2個存在するため、このグラフはディラックの定理の条件は満たさない。しかしこの2頂点は隣接しており、またこのペア以外のどの2頂点についても、次数の和はグラフの頂点数である7以上である。

オーレの定理(オーレのていり、: Ore's theorem)は、ノルウェーの数学者 Øystein Ore英語版ノルウェー語版 によって1960年に証明されたグラフ理論の定理である。オアの定理とも表記される。これはグラフがハミルトングラフであるための十分条件を与えるもので、実質的に、グラフに十分多くの辺が存在していればハミルトン閉路を含んでいなければならないと述べている。特に、この定理ではグラフの隣接しない2頂点次数の和について考える。もしこのような和が常にグラフの頂点数以上であれば、グラフはハミルトングラフである。

G が有限単純グラフで、頂点数 n ≥ 3 とする。G の頂点 v の次数(その頂点に接続する辺の数)を deg v と書く。このとき、

隣接しない任意の2頂点 v, w について deg v + deg wn
(∗)

であるなら、G はハミルトングラフである。

逆に、ハミルトングラフならば条件を満たすわけではない。(十分条件)

ハミルトングラフの集合の中に、上記の条件を満たす特殊なハミルトングラフの集合が存在する。

証明

オーレの定理の証明の図解。(閉じていない)ハミルトン路 v1...vn は存在するがハミルトン閉路は存在しないようなグラフについて、2本の辺 v1vivi 1vn(青い破線で示した)のうち存在し得るのは高々1本である。なぜなら、もし両方とも存在するとすれば、ハミルトン路にそれらの2辺を加え、赤い辺 vi 1vi を除去することによってハミルトン閉路ができてしまうからである。

任意の非ハミルトングラフ G が条件 (∗) を満たさないことを言えばよい。

(全てのハミルトングラフでないGが条件を満たさない→条件を満たすグラフGの集合は、ハミルトングラフの集合に必ず含まれる。)

そこで、G を頂点数 n ≥ 3 の非ハミルトングラフとし、これに辺を1本ずつ足していって、それ以上どのように辺を追加してもハミルトン閉路ができてしまうようなグラフを H とする。

xyH における任意の隣接しない2頂点とする。このとき xy をグラフ H に追加すると、1個以上のハミルトン閉路が生じる。この閉路から辺 xy を除いたものは H のハミルトンパス v1v2...vn (ここで x = v1, y = vn )である。

任意の添字 i (2 ≤ in)に対し、v1 から vi への辺と vi 1 から vn への辺の存在について考えると、これらのうち存在するのは高々1本である。なぜなら、さもないと Hv1v2...vi 1vnvn 1...vi がハミルトン閉路になってしまうからである。

よって、頂点 v1 または vn に接続する辺の総数は最大でも添字 i の選び方の数、n 1 である。よって deg v1 + deg vnn 以上でないため、 H は条件 (∗) を満たさない。

グラフ G の頂点の次数は H での次数以下だから、G もやはり条件 (∗) を満たさない。

アルゴリズム

関連する結果

参考文献

Related Articles

Wikiwand AI