完全グラフ
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性質
n頂点の完全グラフは、Knで表される。いくつかの文献はKという文字がドイツ語の単語 komplett を表していると主張しているが[4] 、完全グラフはドイツ語で vollständiger Graph であり、Kという文字を含まない。 他のいくつかの文献では、カジミェシュ・クラトフスキのグラフ理論への貢献を称えるものであると主張している[5]。
Knの辺数はn(n − 1)/2(三角数)で、次数n − 1の正則グラフである。 すべての完全グラフはそれ自身が極大クリークである。 完全グラフの唯一のグラフセパレータは、頂点集合そのものであり、すなわち完全グラフは最大限に連結している。 完全グラフの補グラフは空グラフである。
サイズnのクリークを含むグラフは「n-クリークである」と言う。辺を持つグラフは必ず 2 頂点の完全グラフを含むので 2-クリークである。また n-クリークであって、直径がn未満となるグラフを、n-クランと言う。
完全グラフの各辺に方向付けが与えられているとき、得られる有向グラフはトーナメントと呼ばれる。
Knは、 Tiがi個の頂点を持つようなn個の木 Tiに分解できる[6]。 リンゲルは、完全グラフK2n+1が複数個の、n頂点の任意の木によって分解可能だと予想している[7]。 これは十分大きいnに対しては真であることが知られている[8][9]。
Kn+2の2頂点間を結ぶ異なる道の数は、次の式で求められる[10]:
ここで、eはネイピア数を表し、
である。
完全グラフのマッチングの数は 、telephone numberである。
- 1, 1, 2, 4, 10, 26, 76, 232, 764, 2620, 9496, 35696, 140152, 568504, 2390480, 10349536, 46206736, ... オンライン整数列大辞典の数列 A000085
この数はn頂点のグラフにおける細矢インデックスの最大値を与える[11]。 完全グラフ(は偶数)の完全マッチングの数は、二重階乗で与えられる[12]。
完全グラフの交差数はK27まで知られており、K28は7233または7234個の交差を持つ。それ以上の値はRectilinear Crossing Number projectが収集している[13]。 Knの直線交差数は
- 0, 0, 0, 0, 1, 3, 9, 19, 36, 62, 102, 153, 229, 324, 447, 603, 798, 1029, 1318, 1657, 2055, 2528, 3077, 3699, 4430, 5250, 6180, ... オンライン整数列大辞典の数列 A014540
である。
幾何学・位相幾何学との関係

n頂点完全グラフは、(n − 1)次元単体のedge graphである。 幾何学的には、三角形の辺の集合はK3から、四角形の辺の集合はK4から得られ、以降も同様である。 穿孔多面体の一つであるチャーサールの多面体は、そのスケルトンとしてK7をもつ[15]。 4次元以上のすべてのneighborly polytopeも、完全スケルトンをもつ。
K1からK4はすべて平面的グラフである。 一方、5頂点以上の完全グラフを平面に描くと必ず交差を生じる。 平面的でない完全グラフであるK5は、平面的グラフの特徴付けにおいて重要な役割を果たす。 クラトフスキの定理によれば、グラフが平面的であるためには、部分グラフとしてK5と完全2部グラフK3,3を含まないことが必要十分であり、またワグナーの定理によれば、グラフマイナーの場合でも同様の結果が従う。 ピーターセン族の一つとして、絡み目なし埋め込みの禁止マイナーとしてK6が同様の役割を果たしている[16]。 言いかえれば、コンウェイとゴードン[17]が証明したように、K6の3次元空間への埋め込みはすべて絡み目内在であり、少なくとも一つの三角形の対と絡んでいる。 コンウェイとゴードンは、K7の3次元空間への埋め込みが、非自明な結び目として空間に埋め込まれたハミルトン閉路を含むことも示している。
例
関連項目
- フルコネクトネットワーク - コンピュータネットワークにおける例
- 完全2部グラフ - 2部グラフで、一方の頂点集合の各頂点から、もう一方の頂点集合のすべての頂点へと辺が伸びているもの
- 単体 (数学) - nを単体の次元として、(n + 1)頂点の完全グラフと同一視できる