カイサ・マトマキ
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カイサ・S・マトマキ | |
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| Kaisa S.Matomäki | |
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マトマキ、2019年オーバーヴォルファッハにて | |
| 生誕 |
1985年4月30日(40歳) |
| 国籍 | フィンランド |
| 研究分野 | 数学 |
| 研究機関 | トゥルク大学 |
| 出身校 | ロンドン大学 |
| 博士課程指導教員 | グリン・ハーマン |
| 博士課程指導学生 | ヨニ・テラヴァイネン(Joni Teräväinen)[1] |
| 主な受賞歴 |
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| プロジェクト:人物伝 | |
カイサ・ソフィア・マトマキ(芬: Kaisa Sofia Matomäki、1985年4月30日 - )は、フィンランドの数学者。専門は数論。2023年4月より、フィンランドはトゥルクにあるトゥルク大学の数学・統計学科教授。
短い区間における乗法的関数の分布に関する研究で知られる。例えば、メビウス関数の値が短い区間において +1 と −1 にほぼ均等に分布することを示した。これらの成果は、テレンス・タオによるエルデシュのdiscrepancy problemの解決に重要な役割を果たした[2]。
2016年SASTRAラマヌジャン賞をカナダ・マギル大学のマクシム・ラジウィルとともに受賞[3]。この賞は2005年に創設され、ラマヌジャンの影響を受けた分野で顕著な業績を挙げた若手数学者に毎年授与されている。2016年SASTRAラマヌジャン賞の授賞理由は次のとおりである。
カイサ・マトマキとマクシム・ラジウィルは、数論の広範な分野にまたがる重要な諸問題への深遠かつ多大な貢献に対して、特に、この分野を革新しつつある卓越した共同研究に対して、2016年SASTRAラマヌジャン賞を共同で授与される。両氏が、偉大な先人たちによる長年の未解決問題の研究を大幅に改良する中で、多くの革新的手法を導入したことを本賞は称えている。両氏の共同研究は、まず2015年の『Geometric and Functional Analysis』誌に発表され、2016年の『Annals of Mathematics』誌での発表へと続いている。この研究には、短い区間における乗法的関数に関する驚くべき成果、特に、ほとんどすべての短い区間におけるリウヴィルのラムダ関数の偶奇性(パリティ)に関する画期的成果が含まれており、この論文が乗法的関数の研究に大きな変革をもたらすことが期待されていると、本賞は特に称えている。ごく最近のマトマキ・ラジウィル・タオによる共著論文においては、連続する k 個の整数の組上でのラムダ関数の値に関するチョウラの予想の k = 3 の場合に著しい進展があったことが発表されている、と本賞は続けている。マトマキとラジウィルは、目覚ましい一連の深い成果と両氏が導入した強力な新技法を通じて、将来の解析的整数論の発展に多大な影響を与えるであろう、と本賞は結んでいる[4]。
2019年数学ニューホライズン賞をラジウィルとともに受賞。この賞は数学ブレイクスルー賞の若手部門で、2019年の受賞者は5人だった[5]。2020年ヨーロッパ数学会賞を受賞[6]。2021年のアメリカ数学会ルース・リトル・サッター賞を受賞。受賞理由は「短い区間での乗法的関数という研究分野を全く予想外かつ非常に実りの多い方法で(多くはマクシム・ラジウィルと共に)切り拓いた。特に、画期的な論文「短い区間での乗法的関数」(原題英語。2016年『Annals of Mathematics』第183巻の1015–1056にて掲載)に対して」[7]。2023年AMSコール賞(数論部門)を受賞[8]。
2021年、ヨーロッパ・アカデミーの会員に選出された[9]。
略歴
マトマキは1985年4月30日にフィンランドのナッキラに生まれた。フィンランドのヴァルケアコスキにある高校に通い、同国の高校生を対象とした全国数学競技会で一等賞を獲得した。トゥルク大学で修士号を取得、フィンランド国内の数学分野における最優秀修士論文に対して授与されるエルンスト・リンデレーフ[10]賞を2005年に受賞した。2009年、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイにてグリン・ハーマン教授の指導のもと博士号を取得。その後トゥルクに戻り准教授兼アカデミー・リサーチ・フェローとして勤務[4][11][12]。2023年4月に教授へと昇任した[13]。