カンガンスルレ

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ハングル 강강술래
発音 カンガンスルレ
文化観光部2000年式 Ganggangsullae
カンガンスルレ
2013年 南山にて
各種表記
ハングル 강강술래
発音 カンガンスルレ
文化観光部2000年式 Ganggangsullae
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カンガンスルレは、大韓民国(韓国)において民衆の間に継承されてきた伝統的な民俗舞踊である。主に秋夕(チュソク)の夜など韓国の年中行事の際に、女性たちが大きな円を作り、手を取り合い、歌に合わせて踊る集団舞踊で、豊作祈願や共同体の結束を象徴する芸能として知られる[1]

1966年に同国の国家無形遺産[2]、2009年にユネスコ無形文化遺産に登録された[3]

カンガンスルレ(1891年)

「カンガンスルレ(강강술래)」という名称の語源は諸説ある。この舞踊そのものの起源はさらに古く、正確な起源は不詳ながら紀元前の古代の部族社会の時代にはすでに行われていたと考えられている[1]。特に、馬韓では稲の種蒔き後(5月頃)と収穫後(10月)に人々が集まり舞い踊りながら遊んだ記録が残されている[1]。この舞は「宕舞(とうぶ)」と呼ばれる、群衆で円を描いて踊る性質の踊りで、カンガンスルレの起源と考えられている[1]

稲作とともに伝承されてきたこの農耕舞が、「カンガンスルレ」という名の一つの舞踊として定着したのは、1896年であるとされる[1]。この年、珍島(チンド)に流罪となったソンビ鄭万朝(チョン・マンジョ)が、ある日の夜中に、女性たちが集団で舞い踊る光景を目撃し「カンガンスルレ(強々須来)」と口にしたのが最初であるとされる[1]

内容

カンガンスルレ(1960年)

多数の女性による歌、舞踊、音楽の三位一体の形で構成された、韓国固有のバラード・ダンスで、原始集合芸術とされる[4]太鼓などの農楽器の伴奏に乗り、民謡と民俗舞踊が一体化し、中断することなく舞い踊る[4]。始まりは、まずひとりが歌い、他の人々はそれを受けて「カンガンスルレ」と繰り返す歌詞の部分を唱和する先後唱形態で[4]、先導の歌い手は特定のひとりがずっと歌うこともあれば、順番に歌うこともある[1]

踊りは歌に合わせ、女性たちは最初は狭い間隔で立ち、ゆっくりとしたリズムで優雅に円を描いて歩くが、歌を繰り返しのうちに徐々にペースを速め、歌のテンポが速まるに合わせて踊りの動きも速く、大きくなる[1]。最後には腕を最大限に広げて手を取り合ったまま力強く飛び回るように走り、踊る[5]

先導する人の曲調によって変化する歌と踊りの速度は大きく分けて3段階あり、「遅いカンガンスルレ」、「中くらいのカンガンスルレ」、「速いカンガンスルレ」と呼ばれる[4]。この3つは、内容は同じでありながら速度が変わることで印象を異とするほか、「クサ亀ノリ」、「ワラビ折ノリ」、「青魚編みノリ」、「瓦踏み」、「ムシロ巻き」、「ねずみの子ノリ」、「大門ノリ」、「窯灯踏み」、「ハンカチ探し」、「奉仕ノリ」など多彩なノリが付帯的に折々に取り入れられる場合もある[4]

最大の特徴は女性のみの踊りである点で、夕暮れ時の月が昇る時間帯に始まる[4]。女性たちは空の満月を眺めるように踊る[1]。月は女性たちが願い事や恨み言を願掛けする対象であり、月と一体になってその身に月を感じるように踊るため、男性がカンガンスルレを見ることは古くは禁忌とされ、禁を破った男は雷に打たれるとも言われていた[1]。歌詞を変えながら、月が西の山陰に消えるまで夜通し行われ、その歌詞には女性の人生の哀歓がこめられているため、カンガンスルレは口承文学ともみなされている[1]

実施時期

もっとも大規模に行われる機会は伝統的に旧暦8月15日のチュソク(秋夕)の夜で、満月の下で踊ることで、豊穣や安寧を祈願する意味が込められている。ほか、ソルナル(旧暦1月1日)、テボルム(旧暦1月15日)、端午(旧暦5月5日)、などの年中行事に行われる[3]

特に秋夕の夜に盛大に行われる理由については、寒さ対策であるともいう。秋夕の夜には様々な遊びが行われる風習があるが、寒さも増す季節であるため、遊びの合間にカンガンスルレを行うのは寒さをはねのけるためであったとも考えられている[1]

評価と継承活動

イベントにおけるカンガンスルレ

踊りはシンプルな動きで容易に習得することができ、集団の協調性や平等や親愛を感じ取ることができる民俗芸術である[3]儒教社会のなかで制約の多い人生を送っていた女性たちが、全身を動かして力いっぱい歌い踊り、生命力を発散した伝統芸能として親しまれる[1]

1966年に国家無形遺産[2]、2009年にユネスコ無形文化遺産に登録された[3]。現代では、学校教育や地域イベントを通じて継承活動が行われているほか、韓国の民族文化を象徴するパフォーマンスとして国内外のイベント等で紹介されている。

脚注

参考文献

外部リンク

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