クモノスホコリ
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クモノスホコリ(学名: Cribraria cancellata)は、アミホコリ目アミホコリ科アミホコリ属に分類される変形菌の1種であり、針葉樹の腐朽木上に比較的ふつうに見られる。球形の胞子嚢(子嚢)は、子嚢壁が脱落すると鳥かごのように多数の肋が残る(同属の多くの種は網目状に残る)。学名の種小名である cancelatus はラテン語で「格子状の」を意味し[1]、この子嚢の形態を示している。
| クモノスホコリ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1. 群生する子実体 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| Cribraria cancellata (Batsch) Nann.-Bremek., 1975[2] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
特徴
子実体は群生し、長い柄の先に1個の子嚢(胞子嚢)をつけた単子嚢体であり、高さ 1–5 mm[1][3][4](図1, 2a)。変形膜は不明瞭[1]。柄は先端に向かって細くなり、暗褐色、上部はねじれて淡色[1][3](図1, 2a)。子嚢は亜球形まれに卵形、直径 0.3–0.7 mm、しばしば上下が凹み、ふつう赤褐色まれに紫色[1][3][4](図2a)。
子嚢壁は早落性であり、ふつう杯状体を欠き(これをもつものは変種サラクモノスホコリ)、子嚢基部から経線状に伸びる40–50本の肋(幅約 5 µm)が残る[1](図2b)。肋と肋の間は細い淡色の横断糸で連結されている[1](図2b)。肋上の壁小粒は暗紫褐色、直径 1 µmほど[1]。
胞子は反射光では赤褐色(まれに紫色)、透過光では淡赤色(まれに淡紫色)、直径 5–7 µm、表面は細かいイボ状、しばしば壁小粒が付着している[1](図2b)。
分布・生態
分類
変種
子嚢において、肋の上部が分岐し互いに癒合して特に子嚢上部が網状になるものは変種ミダレクモノスホコリ(Cribraria cancellata var. anomala (E.Jahn) Y.Yamamoto, 1998)[5]、基部の子嚢壁が残存して杯状体となるものは変種サラクモノスホコリ(Cribraria cancellata var. fusca (G.Lister) Nann.-Bremek., 1962 nom. inval.) [6]として分けられる[1][3][4]。
また、子嚢が卵形のものを変種 "Cribraria cancellata var. prolatum"、紫色のものを変種ムラサキクモノスホコリ("Cribraria cancellata var. purpurea") とすることもあるが、ふつう分類学的には分けられない[3][4]。
類似種
類似種として、肋が20–30本でそれぞれの先端が分岐してやや網状になるアミクモノスホコリ(Cribraria mirabilis (Rostafinsky) Massee, 1892)[7]や、子実体がより小型で肋が14–16本しかないタチクモノスホコリ(Cribraria rutila (G. Lister) Nann.-Bremek., 1962)[8]などがある[3][4]。
高次分類
クモノスホコリは、ふつうアミホコリ属(Cribraria) に分類される[2][1][3][4]。クモノスホコリは子嚢壁が網状ではなく肋状に残るため、アミホコリ属の中でクモノスホコリ亜属(subgenus Dictydium)に分類される。また、クモノスホコリ亜属に含まれる種を独立属(Dictydium Schrader, 1797)とすることもある(タイプ種はクモノスホコリ)[3][4]。
アミホコリ属はフンホコリ属とともにアミホコリ科を構成し、変形菌綱コホコリ目に分類されることが多かった[3][4]。しかし、2019年に提唱された変形菌の分類の再編成では、アミホコリ科は独自の目、アミホコリ目に分類することが提唱されている[2][1][9]。