クリゾチニブ
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| IUPAC命名法による物質名 | |
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| 臨床データ | |
| 販売名 | ザーコリ、Xalkori |
| MedlinePlus | a612018 |
| ライセンス | EMA:リンク、US FDA:リンク |
| 胎児危険度分類 | |
| 法的規制 | |
| 薬物動態データ | |
| 生物学的利用能 | 43% |
| 血漿タンパク結合 | 91% |
| 代謝 | 肝代謝 (CYP3A4/CYP3A5-mediated) |
| 半減期 | 42 時間 |
| 排泄 | 糞中 (63%), 尿中 (22%) |
| データベースID | |
| CAS番号 |
877399-52-5 |
| ATCコード | L01XE16 (WHO) |
| PubChem | CID: 11626560 |
| DrugBank | DB08700en:Template:drugbankcite |
| ChemSpider |
9801307 |
| UNII |
53AH36668S |
| KEGG | D09731 en:Template:keggcite |
| ChEBI | CHEBI:64310en:Template:ebicite |
| ChEMBL | CHEMBL601719en:Template:ebicite |
| PDB ligand ID | VGH (PDBe, RCSB PDB) |
| 別名 |
PF-02341066 1066 |
| 化学的データ | |
| 化学式 | |
| 分子量 | 450.337 g/mol |
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クリゾチニブ (英語: Crizotinib) は、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)およびROS1阻害薬[1][2][3]であり、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer、略称:NSCLC)の治療に用いられる。商品名はザーコリ。また、米国ではROS1陽性転移性NSCLC治療薬としても承認されている[4]。未分化大細胞型リンパ腫、神経芽細胞腫、その他固形進行癌の治療での安全性および有効性について臨床試験が実施されている[5]。開発コードPF-02341066。
- ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
警告欄
クリゾチニブにより間質性肺疾患、劇症肝炎、肝不全が発現し、死亡した例が報告されている[6]。
副作用
臨床試験では94.8%の患者に副作用が発生した。
添付文書に記載されている重大な副作用は、間質性肺疾患(1.7%)、劇症肝炎、肝不全(0.1%)、肝機能障害(29.1%)、QT間隔延長(2.7%)、徐脈(6.4%)、好中球減少症(16.5%)、白血球減少症(8.2%)、リンパ球減少症(2.1%)、血小板減少症(1.1%)、心不全(0.1%)である[6]。
20%以上に視覚障害(視力障害、光視症、霧視、硝子体浮遊物、複視、羞明、視野欠損、視力低下等)、悪心、下痢、嘔吐、便秘、浮腫(末梢性浮腫、顔面浮腫、眼窩周囲浮腫等)、疲労が発現する。
作用機序

非小細胞肺癌患者の6.7%で遺伝子が組み換わってEML4とALKが融合し、キナーゼ活性を有する異常タンパク質が生成して発癌性と悪性の表現型を示すと思われる[8]ことが日本から報告された。この融合遺伝子が陽性の患者は主に、若年者、非喫煙者、かつEGFR遺伝子・K-Ras遺伝子変異陰性である[9][10]。ALK陽性の非小細胞がん患者は全世界で年間4万5千人程度であると推定される[11][12]。ALK 変異はまた、神経芽細胞腫の約15%にも発生して悪性化に寄与していると思われるが小児の末梢神経系腫瘍では稀である[13]。
クリゾチニブはアミノピリジン骨格を持ち、標的となるEML4–ALK融合キナーゼのATP結合部位に競合的に結合して阻害効果を発揮する[9]。また、様々な悪性腫瘍で発現する癌遺伝子であるc-Met/肝細胞増殖因子受容体(HGFR)チロシンキナーゼを阻害する[14]。クリゾチニブは、現在、腫瘍細胞の増殖、遊走、浸潤の調節を介してその効果を発揮すると考えられている[14][15]。他にも、クリゾチニブが悪性腫瘍内の血管新生を阻害しているとする研究もある[16]。