CYP3A4

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シトクロムP450 3A4 (CYP3A4) はシトクロムP450 (CYP) の分子種の一種であり、人体に存在する生体異物を代謝する酵素の主要なものの1つである。CYPによる酸化反応では寄与する範囲が最も広い。また、肝臓に存在するCYPのうちの大部分を占める。

PDBHuman UniProt検索: RCSB PDBe PDBj
記号CYP3A4, CP33, CP34, CYP3A, CYP3A3, CYPIIIA3, CYPIIIA4, HLP, NF-25, P450C3, P450PCN1, cytochrome P450 family 3 subfamily A member 4, VDDR3
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
CYP3A4
PDBに登録されている構造
PDBHuman UniProt検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

1TQN, 1W0E, 1W0F, 1W0G, 2J0D, 2V0M, 3NXU, 3TJS, 3UA1, 4I3Q, 4I4G, 4I4H, 4K9T, 4K9U, 4K9V, 4K9W, 4K9X, 4NY4, 5A1P, 5A1R, 4D6Z, 4D75, 4D78, 4D7D

識別子
記号CYP3A4, CP33, CP34, CYP3A, CYP3A3, CYPIIIA3, CYPIIIA4, HLP, NF-25, P450C3, P450PCN1, cytochrome P450 family 3 subfamily A member 4, VDDR3
外部IDOMIM: 124010 HomoloGene: 111391 GeneCards: CYP3A4
EC番号1.14.13.32
遺伝子の位置 (ヒト)
7番染色体 (ヒト)
染色体7番染色体 (ヒト)[1]
7番染色体 (ヒト)
CYP3A4遺伝子の位置
CYP3A4遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点99,756,960 bp[1]
終点99,784,248 bp[1]
RNA発現パターン


さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 金属イオン結合
ヘム結合
カフェインオキシダーゼ活性
testosterone 6-beta-hydroxylase activity
oxidoreductase activity, acting on paired donors, with incorporation or reduction of molecular oxygen
ステロイド結合
vitamin D3 25-hydroxylase activity
steroid hydroxylase activity
vitamin D 24-hydroxylase activity
酸素結合
酵素結合
iron ion binding
oxidoreductase activity, acting on paired donors, with incorporation or reduction of molecular oxygen, reduced flavin or flavoprotein as one donor, and incorporation of one atom of oxygen
モノオキシゲナーゼ活性
酸化還元酵素活性
estrogen 16-alpha-hydroxylase activity
細胞の構成要素 細胞質
integral component of membrane

小胞体
オルガネラ膜
endoplasmic reticulum membrane
細胞内膜で囲まれた細胞小器官
生物学的プロセス 生体異物の代謝プロセス
複素環代謝プロセス
oxidative demethylation
monoterpenoid metabolic process
ステロイド異化プロセス
アンドロゲン代謝プロセス
アルカロイド異化プロセス
vitamin D metabolic process
脂質代謝
calcitriol biosynthetic process from calciol
lipid hydroxylation
ステロイド代謝プロセス
long-chain fatty acid biosynthetic process
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_001202855
NM_001202856
NM_001202857
NM_017460

n/a

RefSeq
(タンパク質)

NP_001189784
NP_059488

n/a

場所
(UCSC)
Chr 7: 99.76 – 99.78 Mbn/a
PubMed検索[2]n/a
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト
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胎児は肝臓その他の組織でCYP3A4ではなく同様な基質に作用するCYP3A7を作る。成長に伴い、CYP3A7はCYP3A4に徐々に置き換えられていく。

分布

主に肝臓に存在するが、代謝に重要な役割を果たす他の器官や組織中にもみられる。ある種の薬剤の代謝にも大きく関わっており、プロドラッグ (prodrug) が活性化される場合もある。抗ヒスタミン薬テルフェナジン (Terfenadine) などが例として挙げられる。

2003年、脳にも存在することが見出されたが、中枢神経系における役割は明らかになっていない[3]

基質と反応

CYP3A4が基質とする物質は多数あり、薬剤の代謝において大きな役割をはたしている。以下にCYP3A4の主な基質を挙げる。

さらに見る 基質, 反応 ...
CYP3A4の主な基質と反応
基質反応
アミオダロンN-脱メチル
カルバマゼピンエポキシ化
エリスロマイシンN-脱メチル
シクロスポリンAN-脱メチル、メチル基水酸化
タクロリムスO-脱メチル、C-酸化
タモキシフェンN-脱メチル、α-水酸化
シクロホスファミド4-水酸化、N-脱アルキル
パクリタキセル3'-水酸化
テルフェナジンC-酸化、N-脱アルキル
コデインN-脱メチル
テストステロン6β-水酸化
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変異

CYP3A4の酵素活性には個体差があることが知られている。CYP3A4 をコードする遺伝子には28種以上の一塩基多型が同定されているが、これらは生体内 (in vivo) における個体差に反映されないことが知られている。これは、基質に接触する際にCYP3A4へと誘導されるためではないかと考えられている。

CYP3A4の変異はエリスロマイシン呼気検査 (erythromycin breath test, ERMBT) によって非侵襲的に決定できる。この検査では、点滴静脈注射によって(14C-N-メチル)エリスロマイシンを投与したあと、呼気中に含まれる同位体標識された二酸化炭素を測定することにより、生体内のCYP3A4活性を決定する[4]

誘導

様々なリガンドによって誘導される。それらはまずプレグナンX受容体 (PXR) に結合する。PXR活性錯体はレチノイドX受容体 (RXR) とヘテロ2量体を形成し、これはさらにCYP3A4遺伝子中のXREM部位に結合する。XREMはCYP3A4 遺伝子の制御部分であり、ここに結合することによって遺伝子のプロモーター基部に共同的相互作用が生じ、CYP3A4 の転写・翻訳が増進する。

CYP3A4のリガンド

CYP3A4の選択的な基質誘導剤および阻害剤の表を示す。薬剤の種類を記載している場合には、その種類の中でも例外がある可能性がある。

CYP3A4の阻害剤は、その力価英語版によって、次のように分類できる。

  • 強力な阻害剤は、血中濃度における曲線下面積(AUC)の値を5倍以上増加させるか、クリアランスを80%以上減少させる[5]
  • 中等度阻害剤は、血中濃度におけるAUC値を2倍以上増加させるか、クリアランスを50~80%減少させる[5]
  • 弱い阻害剤は、血中濃度におけるAUC値を1.25倍以上増加させるか、クリアランスを20~50%減少させる[5]

グレープフルーツジュースは約85種類の薬と薬物相互作用を起こし、うち約半分の薬では他のフルーツジュースとは異なり重篤な副作用を起こし命にかかわる場合がある[6]

さらに見る 基質, 阻害 ...
CYP3A4の選択的誘導剤、阻害剤および基質
基質阻害誘導
(アジスロマイシンは異なる)[5]
(プラバスタチンは異なる)[5]
(ロスバスタチンは異なる)[5]
強力

中等度

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参考文献

関連項目

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