クローンが成り立つためにはまず、最小限、1 ボットを構成する必要がある。1 ボットはバートエーク(一番バート)とバートトー(二番バート)の 2 バートで成り立ち、2 バートは 4 ワックで成り立つ。バートエークのワックの内、先行するワックをワックサダップ (a)、次に来るワックをワックラップ (b) という。バートトーの内、先行するワックをワックローン (c)、次に来るものをワックソン (d) という。1 ワックは基本的に 8 音節の文章あるいは節からなるが、必ずしも 8 音節でなければならないと言うことはなく、おおむね 6 - 10 音節が字余り・字足らずの許容範囲である。される具体的には以下のような形になる(○は 1 音節および 1 音節と見なされる多音節)。
| ┌バートエーク┐ |
| ボット |
a○○○○○○○○ |
|
b○○○○○○○○ |
| c○○○○○○○○ |
|
d○○○○○○○○ |
| └バートトー┘ |
クローン詩形は音の踏み方は多の詩形と比べて非常におおらかな傾向を持ち、他の詩形の根本てきな形式を持つ。以下に主要な 3 つの決まりを挙げる。以下の決まりは 1 つの節が終わるまで繰り返されるが、1 つの節で作品全体を構成する必要はなく、作者の好きな所で留めても良い。また 1 つの節を 1 ボットのみで構成しても良い。
- ワックサダップの最後の音節(下表の●および■)における韻はワックラップの先頭から 5 つの音節(下表① - ⑤および⑪ - ⑮)のどれかにおいて踏まれる。
- ワックラップの最後の音節における韻はワックローンの最後の韻で践まれる(下表◎)。この影響を受けて 1. のごとくワックソンの最後の先頭から 5 つの音節(⑥ - ⑩)のどれかにおいてワックラップの最後の音節の韻が践まれる。
- ワックソンの最後の音節の韻はその次のボット(第二ボット)のワックラップの最後の音節において踏まれる(下表△)。この影響を受けて 2. が行われ、第二ボットのワックローンの最後の音節が同じ韻を踏み、第二ボットのワックラップの先頭から 5 つの音節(⑯ - ⑳)のいずれかが同じく韻を踏む。第二ボットのワックソンの最後の音節(×)も、当然、第三ボットにて同様に韻を踏む。
| 第一ボット |
○○○○○○○● |
|
①②③④⑤○○◎ |
| ○○○○○○○◎ |
|
⑥⑦⑧⑨⑩○○△ |
| 第二ボット |
○○○○○○○■ |
|
⑪⑫⑬⑭⑮○○△ |
| ○○○○○○○△ |
|
⑯⑰⑱⑲⑳○○× |
以下に具体例を挙げてみる。番号は前述した決まりの番号である。
| 第一ボット |
อสุรีพีเสื้อสดับเสียง1 |
|
เพราะสำเนียง1เสนาะในฤทัยหวน2 |
| ทำเสแสร้งใส่จริตกระบวน2 |
|
ละมุนม้วน2เมียงหมอบแล้วยอบตัว3 |
| 第二ボット |
อันน้องนี้ไร้คู่ที่สู่สม1' |
|
เป็นสาวพรหม1'จารีไม่มีผัว3 |
| ถึงเป็นยักษ์ยังไม่มีราคีมัว3,2' |
|
พระมากลัว3,2'ผู้หญิงด้วยสิ่งใด |
| 第一ボット |
a su rii phii swa sa dap siang1 |
|
phrö sam niang1 sa nö nai ha ru thai huan2 |
| tham se sææng sai ja rit kra buan2 |
|
la mun muan2 miang mööp lææo yööp tua3 |
| 第二ボット |
an nöön nii rai khuu thii suu som1' |
|
pen sao phrom1' caa rii mai mii phua3 |
| thwng pen yak yang mai mi raa kii mua3,2' |
|
phra ma krua3,2' phuu ying duai sing dai |
出典:プラ・アパイマニー(スントーン・プー著)
訳:
- 阿修羅女のピースアは[プラ・アパイマニーの]声に傾聴しました
- [ピースアの]心配の心にはその声が美しく響いたからです
- [ピースアは]礼儀作法のこどなどは無視して
- [プラ・アパイマニーの]体にうずくまって近づき抱きかかえること優しく
- [言いました]「このぼくちゃんは、同棲するのにふさわしく無いのかしら
- [わたしは]ヴェーダの修道女で夫はいないのですよ
- たとい、夜叉であっても肉欲の亡者では無いのですよ
- [こんな]偉大なる方が来て女みたいなものを怖がるとは…
クローン・スパープは通常のクローン詩形よりもより多くの韻を踏む傾向にある詩形である。前述のようにクローン・スパープはスントーン・プーによって大器晩成したもので、クローンの中でも特に格調の高いものであると言われる。
クローン・スパープはワック内で頭韻、脚韻を多用するのが特徴である。韻を踏む音節は作者の好みであるが、意味が通るのであれば出来るだけ多く踏むのが良いとされる。なお、クローン・スパープの形式を持たず、クローン詩形の基本的の形式のみ持つものは自由クローンと呼ばれる。
なお前述の具体例における第一ボット、ワックサダップでは以下の場所にクローン・スパープ独特の韻がみられる。(斜体は頭韻、太字は脚韻)
| อสุรีพีเสื้อสดับเสียง |
| a su rii phii swa sa dap siang |