グラビティーノ
重力子の超対称粒子
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一般相対性理論と超対称性を組み合わせた超重力理論において、グラビティーノ(G͂、英: gravitino)または重力微子[1]は、仮説上の重力子のゲージフェルミオン超対称性パートナー。暗黒物質の候補として提案された。
存在するならば、スピン 3/2 ħ のフェルミ粒子であり、ラリタ=シュウィンガー方程式に従う。 グラビティーノ場は慣習的に4元ベクトルインデックス μ = 0, 1, 2, 3 とスピノルインデックス α = 1, 2 で ψμα と記述される。 すべてのスピン 1 ħ 以上の質量のない粒子と同様に、μ = 0に対して負ノルムのモードとなる。これらのモードは物理的ではなく、一貫性のためにこれらのモードをキャンセルするゲージ対称性を必要とする: δψμα = ∂μεα, ここで εα(x) は時空間のスピノル関数。このゲージ対称性は局所超対称性変換であり、結果として理論は超重力理論となる。
したがって、光子が電磁気力を媒介し、重力子がおそらく重力を媒介するのと同様に、グラビティーノは超重力を媒介するフェルミ粒子である。超重力理論において超対称性が破れるときは必ず、超対称性が破れるスケールによって決まる質量を得る。これは超対称性の破れのモデルによって大きく異なるが、超対称性が標準模型の階層性問題を解決するならば、グラビティーノが約 1 TeV/c2より重くなることはない。
歴史
マレー・ゲルマンとピーター・ファン・ニューウェンホイゼンは、超重力理論に関連付けられるスピン 3/2 の粒子を「半分の3」を意味する「ヘミトリオン」(hemitrion)と呼ぼうとしたが、フィジカル・レビューの編集者はこの名前に乗り気ではなく代わりに1977年の刊行物では「質量のないラリタ=シュウィンガー粒子」という名前を提案した[2][3]。現在のグラビティーノの名前はシドニー・コールマンとハインツ・パージェルによって代わりに提案されたが[4]、この用語は元々は1954年にフェリックス・ピラニーがゼロ静止質量を持つ負のエネルギー励起のクラスを記述するために生み出したものであった[5]。
グラビティーノの宇宙論的な問題
グラビティーノが本当に 1 TeV/c2のオーダーの質量を持つならば、少なくとも素朴には、それによって宇宙論の標準モデルに問題を生じる[6][7][8][9]。
ひとつの選択肢はグラビティーノが安定とすることである。これはグラビティーノが最軽量超対称性粒子であり、Rパリティが保存される(もしくはほとんどそうなる)場合である。この場合、グラビティーノは暗黒物質の候補となる。このようなグラビティーノはかなり初期の宇宙で生成されたことになる。しかしながら、グラビティーノの密度を計算すると、 観測された暗黒物質密度よりもはるかに高いことがわかる。
もうひとつの選択肢はグラビティーノが不安定とすることである。すると上述のグラビティーノは崩壊し、観測された暗黒物質密度に寄与しないことになる。しかしながら、重力相互作用のみによって崩壊するので、その寿命はM 2
pl /m3のオーダーと非常に長い。ここで、 Mpl はプランク質量であり、 m はグラビティーノの質量である。 1 TeV/c2 のグラビティーノ質量に対しては、これは105 sとなり、元素合成の時代よりはるかに遅い。少なくともひとつの可能な崩壊チャンネルが光子、荷電レプトンまたは中間子のいずれかを含まなければならず、そのそれぞれが原子核に衝突した場合、破壊するのに十分なエネルギーを持っている。観測に反して、元素合成の時代に生成されたほとんどすべての原子核を破壊するのに十分なエネルギーを持った粒子が崩壊で生成されることを示すことができる。実際、このような場合は宇宙が水素のみで構成されることになり、星形成はおそらく不可能になる。
宇宙論的なグラビティーノの問題のひとつの可能性のある解決策はスプリット超対称性モデルである。このモデルではグラビティーノの質量はTeVスケールよりもはるかに大きくなるが、他の標準模型の粒子のフェルミオン超対称性パートナーはこのスケールで既に現れる。
もうひとつの解決策は、Rパリティがわずかに破れ、グラビティーノが最軽量超対称性粒子とすることである。 こうすればほとんどすべての超対称性粒子は初期宇宙で原初の原子核が合成されるよりずっと前にRパリティを破る相互作用を介して標準模型の粒子に崩壊するが、ごく一部はグラビティーノに崩壊することになる。グラビティーノの半減期はプランクスケールと小さいRパリティの破れの組み合わせで崩壊速度を抑えることにより、宇宙の年齢より大きい桁のオーダーになる。[10]