コウシュンシバ
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| コウシュンシバ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Zoysia matrella (L.) Merr. | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| コウシュンシバ |
コウシュンシバ Zoysia matrella (L.) Merr. はイネ科の植物の1つ。シバに似ているが小柄で葉は細い。芝生としても広く用いられ、往々にコウライシバの名で扱われているが本来のコウライシバは別種であり、本種より更に葉が細くて針状になっている。
分布と生育環境
日本では九州と琉球列島に見られ、国外では台湾から東南アジアに分布する[4]。九州での分布は南から西回りに広がり、長崎県の壱岐が北限である[5]。世界的な分布で言えば、本種はシバ属の種のうちで最も広い分布域を持つものであり、その範囲は東は日本から西に韓国南部、中国東部、中国東南部、台湾、ベトナム、マレーシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、インドを経てマダガスカルとマスカリン諸島まで、南に向かってはフィリピン、インドネシア、ニューギニアからソロモン諸島までにわたる[6]。更にオーストラリアのクイーンズランドからも記録があるが、これは形態などにアジアのものと違いがあり、今後の検討を要する。
本種の分布はコウライシバのそれとよく似ており、生育環境もほぼ同じであるために同一地点にこの2種が見られる場合もあるが、コウライシバの方が海寄りに生育し、本種の方がより内陸側に生育しているのが見られる[8]。琉球列島では砂浜海岸や隆起珊瑚礁の上にコウライシバ群落が見られ、これには上記のように往々にして本種が混じっている、あるいは本種のみが生育している場合もあるはずだが、植物群落や植生にかかわる書籍、例えば矢野他(1983)や「沖縄の生物」編集委員会編(1984)などにはコウライシバに関する記述はあるものの本種については全く取り上げられていない。後述の大井(1983)ではシバ属の記述で本種の次にコウライシバがあるにもかかわらずコウライシバの記載がはるかに多く、本種に関しては『コウライシバに似るが』と、はるかに簡略な記載しかなされていない。そのような例が出典に多く見られ、どうやらコウライシバの名の方が知名度がはるかに高い状況が続いていて、そのために本種の存在が見過ごされることが多かったのではないかと思われる。
ただし本種は後述のようにコウライシバの名で芝生を作るのによく用いられており、その面では自然分布域より北まで、本州でもよく見られるものである。
- 岩の上に生育する様子
- 砂浜の群落
- 芝生として用いられている様子
分類、類似種など
本種の属するシバ属は世界に数種があり、日本には5種がある。もっとも普通に見られるのはシバ Z. japonica であるが、この種は葉幅が2~5mm、小穂の長さが3mm程と本種より一回り大きく、他の種も後述のもの以外はそれ以上に大きい。 本種とよく似ているのは上記のコウライシバ Z. pacifica で、異なる点としては本種より葉が細く、断面も棒状に近い形になっていることで、本種の葉は細いながらも扁平であり、針状になっている場合も扁平な葉の両端から巻き込んで出来た形になっている事や、花序当たりの小穂の数が本種の方が多いことなどで区別できる[9]。ただし本種はコウライシバの名で園芸的に流通しており、本種の名で確認されていないことが多いと思われる。
この2種の関係は少々混乱しており、大井(1983)ではコウシュンシバ Z. matrella とコウライシバ Z. tenuifolia が記述されており、その違いとして葉幅が広いことなどが挙げられている。Goudswaard が1980年にそれらを検討した結果、インド洋西部からマレーシアや太平洋諸島に分布するもので従来それらの名を当てられていたものが同一種であることを示し、南日本に見られるものが未命名の分類群であるとして、これに Z. matrella var. pacifica と命名した[10]。しかし堀田、黒木(1994)はこれが独立種であると判断して Z. pacifica の和名をコウライシバとし、Z. matrella の和名をコウシュンシバとした。
なお本種の原記載では本種はヌカボ属とされ、Agrostis matrella の学名で発表された[11]。