コバヤシマル
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訓練生の指揮する連邦宇宙艦が救難信号を受信、民間の貨物船コバヤシマルがクリンゴン帝国との緩衝宙域近くで故障しクリンゴン帝国側へ漂流していくという想定のシミュレーションプログラム。
訓練生らは宇宙艦隊規約に則り、宇宙艦の指揮官およびブリッジ士官としてコバヤシマルを救助しなければならない。ただしそのためには緩衝宙域を超えクリンゴン領域を侵犯することとなる。クリンゴンに見つからないようコバヤシマルを救助する必要があるが、どう行動してもクリンゴンに見つかり、武装した多数のクリンゴン艦隊からの猛攻撃を受けてしまう。
実はこのシミュレーションは絶対にクリアできないプログラムであり、候補生がどんな行動をとろうともコバヤシマル救出に失敗し、自身の指揮する船も壊滅する。
候補生が「絶望的な状況を打開できるかどうか」ではなく、「絶望的な状況に置かれたときどんな反応を示すか、最後まで的確な対応がとれるかどうか」を見極めるためのテストである。
コバヤシマルとカーク
艦隊アカデミーの歴史上、コバヤシマル・シナリオに勝ってしまった唯一の候補生がジェームズ・T・カークである。このことは『スタートレックII』でも言及されており、彼が勝てたのは試験の前日に実習室へ侵入し、シミュレーション用のプログラムを書き換えていたため。『スタートレックII』(映画版、小説版)では「教官から独創的だと評された」「その行動を評価すべきか処罰すべきかを悩み、コインを投げて決めた」とのセリフも登場する。なお、「コバヤシマル・シナリオは決して勝てないようになっている」ことは本来候補生には知らされていないはずであり、カークがなぜそれを知っていたかは不明。
過去が書き換えられた世界を基にした、2009年公開の『スター・トレック』では、実際にシミュレーションプログラムの書き換えを行う様子が描かれた。この作品のスポックは、このテストを「避けられぬ死を潔く受け入れることができるかどうかのテスト」だと解して「死を(避けようとさえせずに)潔く受け入れる」選択をしており、両者の人となりの差を端的に表すことにもなった。艦隊アカデミーはこのカークの行為を重く受け止め、審問会を開き、彼を謹慎処分とした。
『スター・トレック』では、カークは過去に2度コバヤシマル・シナリオに挑戦したとされ、その経験から「わざと攻略不可能に設定されている」という内幕に勘づいた可能性もある。
コバヤシマルのボードゲーム
ウェストエンドゲームズから出版された『スタートレック3』というソリテアゲームを3点集めたゲームの一つに『コバヤシマル』がある。「スタートレック」という架空世界の「コバヤシマルシミュレーション」という模擬演習のボードゲームという多重にメタフィクショナルなゲームである。 ソロプレイゲームの常として、確率的に分が悪い状況に立ち向かう設定だが、映画のようにインチキをしないと絶対に勝てないというようなことはない。