コンポーネントステレオ
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画像はTechnicsブランドのSC-HD51。松下電器産業(現・パナソニック)製で、世界市場向け(日本は対象外)。この写真では最上段がCDプレーヤー、2段目が「カセットデッキ」と呼ばれるカセットテープのプレーヤー兼レコーダー、3段目がFMとAMのチューナー、4段目がアンプ。積む順番はユーザの好みで変更できる。





コンポーネントステレオ(和製英語: component stereo, 英語: stereo component system)は、スピーカー、アンプ、プレーヤーなどがそれぞれ独立し単体化された形態のステレオ[1]。(「複数のコンポーネントで構成されたステレオ方式の音響再生装置」という意味の用語[2]) 略して「コンポ」と呼ばれることもある。
各部分(各コンポーネント)ごとに買い替えて、部分ごとにグレード‐アップが可能である[1]。
コンポーネントステレオの入手方法はいくつかあり、あらかじめメーカー側がコンポーネント群をひと組、ワンセットにして販売している状態のものを入手する方法もあるし、ユーザが各コンポーネントを別々のメーカーから個別に購入して自力で組み合わせて構成する方法もある。なお、コンポーネントステレオのコンポーネントうち、特にアンプ(のコンポーネント)やスピーカーユニットは、自作が可能であり、熱心なオーディアマニアの間では古くから自作が行われており、現在でも行われ続けている。
各コンポーネントは、例えば(基本となる)アンプおよびスピーカー、それに加えて、(各時代ごとの一般的な音響技術(録音媒体)に基づいたメーカー側の判断や、各ユーザの好みなどに応じて)レコードプレーヤー、録音された磁気テープの再生装置、CDプレーヤー、またラジオチューナーなど。
大きさ(サイズ)に関しては、(スピーカーを除いた部分のサイズに関して)業界で「フルサイズ」と習慣的に呼ばれるサイズは、 19インチラック収容の業務用機器に範をとった幅 19 インチ (482.6 mm)、またはここからマウント用の耳の分を除いた幅 17 インチ (431.8 mm) 程度の大きさが一般的(ただし操作部が上面にあるなどの理由で積み重ねられることのない機器はこれに当てはまらない)。それに対して、幅を 35 cm 程度以下とした小型のものは「ミニコンポ」と呼ばれる。コンポーネントステレオの中でも、いわゆるオーディオマニアが購入する高級オーディオ機器の場合は通常、「フルサイズ」である。スペースを余計にとり部屋が狭くなってしまうことを避けることのほうが重要だと判断するユーザは「ミニコンポ」を選ぶ、ということになる。
世界
日本
コンポーネントステレオ自体は古くから存在しており、1958年に日本ビクター(現・JVCケンウッド)から発売された日本最初のステレオレコード再生装置[3] STL-1S (¥77,000-) もレコードプレーヤー・インテグレーテッドアンプ・ 20 cm フルレンジバスレフ型スピーカーシステム 2 台の計 4 点[4]からなるコンポーネントスタイルだった。しかしこれは価格的にもサイズ的にもおいそれと買えるようなものではなかった。
1959年にやはり日本ビクターから「皇太子殿下・美智子妃御成婚記念モデル」と銘打って発売されたアンサンブル型ステレオ STL-3 (¥47,800-) は、大卒初任給が 12,700 円の時代に依然として高価だったにもかかわらず大ヒットとなり、ここにアンサンブル型がステレオの定番として定着した。アンサンブル型とはレコードプレーヤー・ラジオチューナー・アンプ・スピーカーなどがすべて一体化されたタイプである。大形のセットで一体化するとあまりに巨大で重くなってしまうため、必然的に比較的小形のセットに限定される(当時は真空管時代であり、小形といってもそこそこの大きさがあった)。またスピーカーまで一体化されているためレコードプレーヤーに振動が伝わり、音響的には悪条件となる。このため特にレコードの再生で音質が悪く、後に廃れることになるが、ともかく一時代を築いた。 CD ラジカセなどの祖先ともいえる。
1960年には福音電機(現・パイオニア、およびオンキヨーホームエンターテイメント)からセパレート型ステレオ Pioneer PSC-1 が限定発売された(価格不明。 1962年にパイオニアから発売された PSC-5A は¥83,000-)。セパレート型とはアンサンブル型から左右のスピーカーを分離したもので、これによりセットを大形化することが可能となり、またスピーカーの振動が伝わらなくなることで音質が格段に向上する。しかしその分大がかりで高価なものとなってしまい、当初はあまり売れなかった。しかし日本が豊かになるにつれアンサンブル型との違いが知られることとなり、また家具調度としての見栄えも良く、 1960年代後期にはアンサンブル型は廃れ、セパレート型がとって代わった。
アンサンブル型ステレオやセパレート型ステレオはその大きさとデザインから「家具調ステレオ」とも呼ばれるが、その一方で 1960年代後期くらいから「卓上セパレート」「モジュラーステレオ」などと呼ばれる小形のステレオ装置が登場してきた。真空管に代わって新しく使えるようになったトランジスタを用い、セパレート型を卓上サイズにしたもので、それまでの「家具」からの脱却が見られる。後のミニコンポの祖先ともいえる。
コンポーネントステレオは欧米では先行して普及していた。しかし真空管回路では信号系のトランスに使用する日本製のコアが劣悪で、日本製のコンポーネント機器は欧米では全く勝負にならなかった。ところがトランジスタが実用になると信号系のトランスが不要になる。まさに欧米に打って出る千載一遇のチャンスが訪れたのである。 1965年にソニー(初代法人。現・ソニーグループ)が日本初の全シリコントランジスタステレオアンプ TA-1120 で高級コンポーネントステレオ市場に参入するが、同じ頃、日本の多くの企業が高級コンポーネントステレオに舵を切ったのである。
1973年頃からはセパレート型ステレオに代わり日本でもコンポーネントステレオが主流となった。