サマーヨーガ・タントラ

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サマーヨーガ・タントラ』(Samāyoga Tantra)は、仏教密教経典の1つ。正式名称は『サルヴァブッダ・サマーヨーガ・ダーキニージャーラ・サンヴァラ』(: Sarvabuddha-samāyoga-ḍākinījāla-saṃvara、一切仏-集会瑜伽-荼枳尼網-最勝楽)であり、最後の言葉を採って『サンヴァラ』(: Saṃvara)とも略称される[1]。「一切仏との結合を通じたダーキニーの網からもたらされる最勝楽」といった意味である[2]。全10章から成る。本書の内容を8世紀の唐の僧不空が知っていたことから、8世紀中葉までには、少なくとも本書の祖型が存在していた[3]

金剛頂経』系のテキストの1つであり、不空の『金剛頂経瑜伽十八会指帰』(大正蔵869)の分類における、第九会に相当する[1]。第六-八会に相当する『理趣広経』と内容で密接に関連している[1]。『理趣広経』系の『金剛場荘厳タントラ』、『トリサマヤラージャ』と同様の内容の偈があり、これらの文献は本書に先行すると考えられ、本書は『理趣広経』の延長上に成立した[3]

アレクシス・サンダーソン英語版は、本書がヨーガ・タントラの伝統に基づきながらもヨーギニー・タントラへの展開の端緒を開いていると考えており、具体的には、「ヘールカ信仰を全面に打ち出し、ガナ・マンダラを導入し、テクストに全文韻文からなる様式を採用した」とする[4]。これらの点は、密教の伝統がヴィドヤーピーター(ヴィディヤー・ピータ)系のシャークタシヴァ派の性質を濃縮していったことを示すと分析している[4]

チャクラサンヴァラ・タントラ』(『ラグサンヴァラ』)以降の「サンヴァラ系タントラ」の起源となった[1][5]

参考文献

脚注

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