サラフィー主義
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概要
政治社会思想としてのサラフィー主義
サラフィー主義者はシャリーアの厳格な施行やイスラーム国家の樹立を求めるなど政治性が強いものの、基本的には非暴力的である[注釈 1]。これに対しシャリーア施行などを実現するために武力行使をジハードと位置づけて優先する流れ(1990年代以降に台頭した)については、区別して『サラフィー・ジハード主義』(サラフィー主義・ジハード派[2])などと呼ばれる。
創設者ハサン・アル=バンナーが上記のラシード・リダーに影響を受けたムスリム同胞団などもサラフィー主義を源流とするとみられるものの、より社会福祉を重視するなど経済や貧富の格差に注目する社会運動としての性格を強く築いてきた点が区別される(このため必然的に同胞団の社会政策は大きな政府となろう)。これに対しアラブの春以降の現在のサラフィー主義にはワッハーブ派であるサウジアラビアの影響も強く、利子を禁止するイスラム金融を重んじるほかは、商業や経済活動に肯定的で、ある意味資本主義的、市場経済的であり[3]、夜警国家指向ともいえる。このようにアラブの春後の各国では同胞団系とサラフィー主義系は別々の宗教政党を作り、つば競り合いを演じた。イスラム教徒の人権が問題になっている中華人民共和国にもサウジアラビアの支援で広まったサラフィー主義を信奉するサラフィーヤ派が存在するが[4]、中国共産党政府に公認されるまで同じ回族から迫害を受けた歴史を持ち[5]、穏健なイフワーン派(同胞団と同じ名前だが、別の集団)とも反体制的なウイグル族の運動とも対立している[6]。