シイノトモシビタケ
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かさは釣鐘形ないし円錐形で平らに開くことはむしろ少なく、径15-25ミリメートル程度、紫褐色で粘性を欠き、粉状を呈する。ひだは柄に直生し、やや疎で白色を呈し、紫褐色に縁どられる。柄は細長く、表面はかさとほぼ同色でやや粉状をなし、基部は吸盤状をなすことなくしばしば白色の粗毛を有し、内部は中空、軟骨質である[1][2]。
胞子は広楕円形で平滑、ヨード液でほとんど染まらず、大きさ 8.5-12×6.5-9 μmである。担子柄は四個の胞子を着け、大きさ 30-40×9.5-12 μm程度、側シスチジアはなく、縁シスチジアは密生してひだの縁に不実帯(不稔部)を形成し、大きさ 40-100×7-32 μm程度で薄壁、紫褐色の内容物を含むとともにこん棒状ないし便腹状をなし、先端部にはしばしば指状の突起(長さ 25 μmまで、もっとも太い部分の径 2-6 μm)を有することがある[1]。
かさや柄の表面にも、紫褐色の内容物を含んだシスチジアを備えている。子実体を構成する菌糸はクランプを有し、しばしば隔壁部でくびれ、薄壁である[1]。
生態
分布
属内における位置づけと類似種
原記載[1]では Sect. Calodontesに置かれ、類似種としてMycena purpureofusca (Peck) Sacc. が挙げられているが、後者とは「胞子がより大型であり、さらにシスチジアが指状突起をしばしば有して不規則形をなす」点において異なるとされている。また、M. purpureofuscaは、その原記載[11]によれば「針葉樹(トウヒ属)の枯れ木に発生する」と記述されている。
ロルフ・シンガーにより構築された分類体系においては、Sect. Mycena クヌギタケ節に所属させるのが妥当であると考えられている[12]が、シンガー自身は、シイノトモシビタケそのものについては言及していない[13]。
本種と同様に八丈島に普通に産し、強い発光性を持つきのことしてヤコウタケが挙げられるが、後者はかさが灰白色ないしほぼ白色を呈するとともに著しい粘性を有することや、柄の基部が吸盤状をなすことなどにおいて異なっている[2][12]また、ヤコウタケは、カナリーヤシやビロウあるいはタケ類によく発生するほか、父島では、枯死したツルアダンの体上に生じた例もある[3]。
ウスベニフチタケ(Mycena roseomagrianata Hongo)は、ひだの縁が着色する点で多少類似しているが、ひだの縁どりが淡紅色を呈し、子実体は発光性を欠くことや、ヒノキの腐植上に発生することなどにおいて異なっている[14]。また、フチドリクヌギタケ(Mycena neoavenacea Hongo)では、ひだの縁はニッケイ色を呈し、さらに側シスチジアを有すること・スギやヒノキなどの針葉樹の落ち葉あるいは枯れ枝上に生えること・発光性を持たないことなどで区別できる[12][15]。