シャチホコガ科
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本科は現生ヤガ上科の中で最初に分岐した系統群だと考えられている [3][4]。
本科の下位分類に関しては複数の体系が提唱されており一致を見ていないが、本科内の分子系統分析を行った小林・野中 (2016) によれば、アフリカに分布するものを除き、本科は以下の12亜科に分けられる[1]。
- ハネブサシャチホコ亜科 Platychasmatinae
- トガリバシャチホコ亜科 Scranciinae
- ツマアカシャチホコ亜科 Pygaerinae
- フサオシャチホコ亜科 Dudusinae
- ギョウレツシャチホコ亜科 Thaumetopoeinae
- オオキシャチホコ亜科 Periergosinae
- ホソバシャチホコ亜科 Heterocampinae
- ギンモンシャチホコ亜科 Spataliinae
- ツマキシャチホコ亜科 Phalerinae
- ウチキシャチホコ亜科 Notodontinae
- マダラシャチホコ亜科 Dioptinae
- ナガバシャチホコ亜科 Nystaleinae
オーストラリアに分布するミナミシャチホコガ科 Oenosandridae はかつて本科に含まれていたが[3]、現在では本科と最も近縁[4]だが独立した科として扱われる[5]。
形態と多様性
世界から3800種[5]、日本からは123種[6]が知られる。
成虫は褐色などの地味な色を基調とした複雑な色彩の翅をもつものが多く[7]、中には隠蔽擬態で有名な Phalera 属やムラサキシャチホコ Uropyia meticulodina なども知られる。また、Gazalina 属、Cerura 属、モンキシロシャチホコ Leucodonta bicoloria などの白を基調とした翅をもつ種や、ピンク色と黄色の翅をもつ Hyparpax aurora といったものも含まれる。
主に中南米に分布し旧大陸には分布しないマダラシャチホコ亜科には昼行性で色鮮やかな翅をもつ種が含まれる。この色彩は警戒色であり、既知の例では幼虫がトケイソウ属の有毒植物を食草とすることから、ドクチョウ亜科やヒトリガ科などに属するその他の鱗翅目とミューラー型擬態環を形成すると考えられている[8]。
幼虫の形態は多様で、刺毛が発達するいわゆるケムシ型と刺毛が目立たないイモムシ型の両方が見られる[9]。本科の一部には元来歩行用の器官である尾脚(腹部末端の腹脚)が機能性を失い、体の移動に関与しない構造に変化するものもいる。たとえば Cerura 属や Furcula 属では機能性を失った尾脚が著しく伸張し、先端からひも状物を突出させる機能を有する。Stauropus 属や Cnethodonta 属の幼虫は尾脚が棍棒状に変形する以外にも、第7、8、9腹節が肥大化し、中・後脚(胸脚の2対)が細長く伸張するなどの特異な形態を呈する[9][10]。
- ムラサキシャチホコ Uropyia meticulodina 成虫, 台湾
- タッタカモクメシャチホコ Kamalia tattakana 成虫, 台湾
- Cerura vinula 幼虫, ドイツ. 変形した尾脚の先端からピンク色のひも状物を突出させている

