本節では、相関の向きと強さを共分散によって定量化する。
共分散を既知とする集団が二つ以上あると考え、それらの集団の集まりを
とおく。
に属する任意の二つの集団は重複しないとする。

集団の大きさ、説明変数値の平均、目的変数値の平均、共分散について、それぞれの記法を下式のように定義する。
は説明変数値を返す写像(関数)、
は目的変数値を返す写像である。




全体についての説明変数値と目的変数値それぞれの加重平均を下式のように求める。


下式[注釈 1]のように、
全体の共分散
は、
に属する各集団についての共分散の加重平均のほかに、
に属する任意の二つの集団の重心の相対的な位置関係にも依存する。

に属する全ての集団で相関の向きが全て同じであっても、集団間の相対的な位置関係によって
全体の相関の向きはその逆をとることがある。そのため、「
に属する集団のうち一つ以上では必ず、相関の向きが
全体でのそれと同じである」との帰結は誤謬となる。
ある同一の説明変数値に複数の元がある場合、説明変数値別の目的変数の加重平均値からも全体の共分散は定まる。なお、共分散の定義上、同一の説明変数値上に元が散らばる集団における共分散は必ず 0 となる。