スバエク
From Wikipedia, the free encyclopedia
起源
種類
カンボジア語でスバエク(Sbek)は牛の革を意味し、影絵芝居に用いる人形は牛の革をくり抜いて作られる[2][3]。人形の大きさによって呼称が異なり、大型のものをスバエク・トム(Sbek Thom)、小型のものをスバエク・トーチュ、スバエク・トーイ(Sbek Toch)という[1][2]。このほか、1940年まではスバエク・トムの派生形といわれるスバエク・カンダル(Sbek Kandal)があった[2]。
スバエク・トムの人形は、縦1.5メートルから2メートル、横1メートルから1.5メートル程度の縦長のパネル状で、可動部はなく、劇の一場面を切り取ったレリーフ・静止画のようなものとなっている[2][4]。幅10メートル前後のスクリーンの周りで語り手の話や音楽に合わせて人形を動かしていく[1][4]。宗教色が強く、演目はリアムケーのみであり、王族の誕生日や葬礼、寺院の建立や収穫祭などの祭礼の場面で演じられた[1][2]。スバエク・トムの人形は神聖なものとされ、牛の革に絵柄を彫る作業の前には祈りを捧げ、シヴァなどの特定の役柄の人形には自然死した牛の革のみを用いるなどの決まりがある[3]。
スバエク・トーチュ(トーイ)の人形は、スバエク・トムよりも小ぶりで、人形の手や足を動かすことができる[2]。伝説や説話などを演目とし、主に民間の祝い事で演じられた[1][2]。シェムリアップやバタンバン周辺で継承されており、スバエク・トムとは別系統で発展したものと考えられている[1][2]。庶民的で娯楽要素が強く、即興やアドリブが多く盛り込まれる[1][2]。