スミス・レーバー法
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アメリカ合衆国の独立以降、入植者による民間主導の農業改良に加え、連邦政府による農業振興政策も本格化し、1862年のモリル・ランドグラント法成立を受け、農業の教育・研究機関としてランドグラント大学が各州に設立されていく[1][2]。ランドグラント大学は、農業技術や機械工学に関する実践的な教育を行うことを目的とし、連邦政府から土地と資金が供与された[1][2]。
19世紀末から20世紀初頭のアメリカ合衆国では国民の3割程度が農村部で農業に従事していたことから、農村住民への教育機会の提供・拡張を求める声が強く、ランドグラント大学への助成・活用に関する立法が続いていく[1][3]。また、州政府による独自の施策も発達していき、1906年にテキサス州が郡単位で農業普及に関する専門職員を置いたのを皮切りに、州政府・ランドグラント大学を中心とした政策実行体制が構築されるに至る[1]。一連の動きを受け、連邦政府(アメリカ合衆国農務省)と各州の施策の関係性も整理されていき、ジョージア州選出上院議員のH.Smith、ノースカロライナ州選出下院議員のA.F.Leverがそれぞれ議会に提出した案をもとに農業教育に関する基本法として 1914年にスミス・レーバー法が成立する[1][4]。
協同普及事業
スミス・レーバー法では、農村人口に応じて連邦政府が各州に資金を供与し、各州はランドグラント大学を中心とした体制で農業普及・農村教育に関するプログラム、協同普及事業(Cooperative Extension Service)を実施していく[3][5]。教育的手法によって農村住民に科学知識を教授していくことを基本コンセプトとするが、教授する知識の分野は、同法制定当初は農業技術や家政学が主だったが、現代では栄養学や環境教育などが加わるなど、時代の経過に応じて変化している[3][6]。また、ニューヨーク州のような農村人口比率が低い州では都市部の住民向けの教育プログラムも実施されている[5]。
農務省から各州に交付する資金の規模は2017年度実績ベースで777百万ドル、これに各州が同等以上の予算を追加し、協同普及事業に充てている[5]。州政府は、協同普及事業の実施に当たって、郡レベルの地方政府や民間団体を体制に組み入れることもでき、アメリカ合衆国全体で1万人以上のスタッフが事業に従事している[6]。