スーペルストラーダ

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スーペルストラーダ(: Superstrada)とは、アウトストラーダの規格を満たさないが、それに類似した種別の道路のイタリアにおける俗称である。主に欧州諸国で、イタリア以外でもそれぞれの国ごとの呼び方で用いられている道路種別のひとつである。スーペルストラーダは、多くの場合、進行方向ごとに分かれた車道を持ち(上下線分離道路(: Dual carriageway/divided highway))、交差点を持たない、自動車専用道路の一種である。スーペルストラーダの規格は国ごとに異なるが、一般的には高速道路の規格より緩い。

ドイツのスーペルストラーダ

ウィーン条約

スロヴェニアのスーペルストラーダ H4

世界のほとんどの国が批准している1968年の道路標識及び信号に関するウィーン条約[1]にはスーペルストラーダについての明示的な定義はないが、自動車専用道路の標識は提示されている。その標識は、自動車を正面から見た図柄で、条約で規定された背景色は青か緑である[2][注釈 1]。これは自動車専用道路を示しており、その交通規則は高速道路の規則と同じである。本条約によれば、これらの道路では、補助標識による明示的な例外を除いて、道路に面した店舗等の施設を持たない。

道路構造による分類

スーペルストラーダは、交通量、道路建設費用、地域、などにより、種々の構造で建設されている。自動車専用道路のため、2+1型のいくつかの事例を除き、他の道路とは立体交差になっている。緊急車線は必ずあるわけではない。

1+1型と2+2型のスーペルストラーダ

もっとも一般的なスーペルストラーダは、1+1型と2+2型である。1+1型は上下線非分離の片側1車線の道路であり、2+2型はガードレールか分離帯により上下線を分離した片側2車線の道路である。

3車線型と2+1型のスーペルストラーダ

中央車線が双方向に使われるスーペルストラーダ
中央車線を交互に追い越し車線として用いる3車線型スーペルストラーダ

前述の上下線非分離と上下線分離のスーペルストラーダに加えて、別の型のスーペルストラーダがある。それは3車線型である。この形態のスーペルストラーダは、3車線の双方向通行であり、これには3つの形態がある。

  • 形態1: 中央車線を双方向の追い越し車線として使う形態 - 3つの車線の間の車線境界線は破線であり、中央車線は双方向の追い越し車線として使われるものである。この形態は危険性が高いためすぐに廃止された。
  • 形態2: 中央車線をリバーシブルレーンとして使う形態 - 3つの車線の間の車線境界線は破線であり、中央の車線の使用は電光標識(リバーシブルレーンの信号灯)により規制される。緑の矢印が表示されている時には、その車線は通行でき、一方、赤いX印が表示されている時には、その車線は反対向きの車両が使えることを示している。この形態では、中央車線は必要に応じて動的に使われる。
  • 形態3: 一方は1車線、他方は2車線の道路とする形態 - ふたつの進行方向の1車線と2車線の間に二重の実線を表示することで分離する方式。

上記形態3の中央線の部分を物理的な障壁により分離した形態が2+1型であり、スウェーデン(2+1-väg)とアイルランド(3型2車道)がこれに該当する。

ガードレールで分離されたスウェーデンの2+1型スーペルストラーダ

追い越し車線は上下線交互に2キロメートル(以下 km と表記する)程度ごとに造られる。すなわち、1車線部分と2車線部分が交互に存在し、2車線部分を走行する時に、先行車を追い越すことができる。アイルランドの2+1型の道路の幅員は約14メートル(以下 m と表記する)である。

他の道路との接続箇所は限られ、通常はランプであるが、稀にラウンドアバウトのこともある。2+1型により、高い安全性と大量の交通量(1日あたり14,000台)を両立することができ、特に既存の道路の改造費用を大幅に節約できる。

実際この形態は、交通量が少ない場合には、高価な2+2型スーペルストラーダや高速道路の建設、および上下線間を物理的に分離しない危険なスーペルストラーダの建設、の両方に対する有効な代替手段であり、スウェーデンでは2+1型道路の事故は、物理的な分離帯のない道路に対して約55パーセント少ない。1990年からこの形のスーペルストラーダを最初に建設してきたスウェーデンには、2005年時点で約1500 km の2+1型スーペルストラーダがある[3]

標識と交通規制

スペインの高速道路入り口に配置された道路標識 - 進入が許可されていないカテゴリが表示されている

スイスフィンランドなどの国では、スーペルストラーダ上の標識は、高速道路上の標識と同じ色であり、一方、イタリアフランスなどの国では、一般道上の標識と同じ色を使っている。高速道路と同様に、欧州のスーペルストラーダの入口には開始の標識、そして出口には終了の標識があり、各国の交通法でのこの道路上の禁止事項と運転規則を示唆している。欧州のそれらのすべての国において、この標識は乗用車を前面から見た絵であり、背景色と同様に国によって細かな違いはある。

この標識は、通行できるのは自動車のみである事を示している。各国の規則に基づいて、高速道路を走行する場合の交通規則を遵守しなければならないことを意味する場合もある(Uターンの禁止など)。

欧州諸国の規定概要

スーペルストラーダは、ほとんどの欧州諸国で施行されている規則では、高速道路として分類されておらず、高速道路に類似した特性を持つ道路としての分類を規定している。特定の道路種別に類別することができるようにするための道路が持つべき構造的必須特性は、通行料を徴収するための料金所の設置や、通行のためのヴィニェット購入の義務、のように国により異なる。

これらの道路は、欧州のすべての国において、高速道路の下の道路格として類別される。

アメリカ合衆国では、平面交差点のない上下線分離道路は、MUTCDにより、フリーウェイと定義し、一方、上下線分離であるが部分的に進入・退出を制御されている道路をエクスプレスウェイと定義している[4]

以下の表に、欧州の16か国の状況を示す。

欧州のスーペルストラーダ
開始標識最高速度 (km/h)通行料法規上の公式名称上下線分離化規定
オーストリア 又は 100/130 あり (vignetta) オーストリアの道路規格にはスーペルストラーダ(シュネルシュトラーセ(: Schnellstraße))は含まれておらず、高速道路(アウトシュトラーセ(: Autostraße))もしくはアウトバーン(: Autobahn)と識別される。スーペルストラーダ(シュネルシュトラーセ)としては上下線分離は必須ではないが、高速道路、スーペルストラーダのどちらも他の道路と十字の平面交差は持たない。スーペルストラーダ(シュネルシュトラーセ)は記号Sで示され、記号Aで示される高速道路(アウトシュトラーセ)と区別される。 なし/あり
デンマーク 90 なし Motortrafikvej(モーターウェイ) なし
フィンランド 100 なし Moottoriliikennetie(モーターウェイ) なし
フランス 110 なし 自動車専用道路の標識は、構造的な特徴の観点から道路の種類を特定するものではない。したがって、この標識は、上下線の分離・非分離、交差点の有無に関係なく設置されうる。その標識は特に明示されていない限り許容最高速度は110キロメートル毎時(以下 km/h と表記する)であることも暗示している[5]
特定の地点でのみ進入・退出が可能で、通過が制限されている(必須ではない)道路は、道路規格ではroute express(高速道路)と定義されている。
なし
ドイツ 100/無制限[注釈 2] なし 自動車専用道路(クラフトファールシュトラーセ(: Kraftfahrstraße))の標識は、構造的な特徴の観点から道路の種類を特定するものではない。したがって、この標識は、上下線の分離・非分離、交差点の有無に関係なく設置されうる。
シュネルシュトラーセ(: Schnellstraße)とシュネルフェアケーアスシュトラーセ(: Schnellverkehrsstraße)という言葉は同義語であり、これらは一般的に速い速度で走行する道路を示す為の口語用語である。
片側2車線以上の上下線分離の郊外道路は、標識に使われる色から口語では"黄色い高速道路"(ゲルべ・アウトバーン(: Gelbe Autobahn))、もしくは、"高速道路のような道路"(アウトバーンエンリヒェ・シュトラーセ(: autobahnähnliche Straße))と呼ばれる。黄色い高速道路には通行規制がない場合がある。
なし
イタリア 110 なし 主要郊外道路(タイプB) あり
90 なし 自動車専用道路の標識は、構造的な特徴の観点から道路の種類を特定するものではない。 したがって、この標識は、上下線の分離・非分離、交差点の有無に関係なく設置されうる。この標識は、高速道路と同じ基準に従う必要があることを規定している。
アウトストラーダと主要郊外道路以外の上下線分離道路は、平面交差点のない上下線非分離道路と同様に、自動車専用道路である場合があるが必須ではない。
なし
ノルウェー 90 なし Motortrafikkvei(モーターウェイ) なし
オランダ 100 なし Autoweg(ハイウェイ) なし
ポーランド 100/120[注釈 3] なし Droga Ekspresowa(エクスプレスウェイ) なし
英国 60マイル毎時(以下 mph と表記する)(97 km/h)/70 mph(113 km/h)[注釈 4] なし Special road[6] なし
チェコ共和国 130 あり (vignetta) Silnice pro motorová vozidla(自動車専用道路)(Rychlostní silnice(ハイウェイ)) あり
スロヴァキア 130 あり (vignetta) Rýchlostná cesta/Cesta pre motorové vozidlá(高速道路/自動車専用道路) あり
スロヴェニア 110 あり (vignetta) Hitra cesta(ハイウェイ) あり
スペイン 120 なし Autovía(上下線分離道路) あり
90 なし Vía para automóviles(自動車専用道路)(Vía rápida(高速車線)) なし
スウェーデン 90 なし Motortrafikled(モーターウェイ) なし
スイス 100 あり(vignetta) : Semiautostrada(半高速道路), : semi-autoroute(半高速道路), : Autostrasse (高速道路) なし

イタリアのスーペルストラーダ

脚注

関連項目

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