タラス・ブーリバ (ヤナーチェク)
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楽器編成
楽章構成
以下の3つの楽章から成り、それぞれは小説の登場人物とその死を描いている。
- アンドレイの死
- オスタップの死
- タラス・ブーリバの予言と死
第1曲「アンドレイの死」
アンドレイは、コサックの首領タラス・ブーリバの次男でありながら、ポーランド人の将軍令嬢と恋に落ちる。冒頭のコーラングレーとオーボエ、ヴァイオリンによる情熱的な旋律は、恋人同士のロマンティックな情感を示唆している。いたるところで影を孕んだ楽曲は、徐々に不穏になっていき、ポーランド軍とコサック軍との戦闘を描写する。怒れるトロンボーンは咆え、鐘は鳴り、トランペットは勝ち誇って叫ぶ。アンドレイはポーランド軍に加担するが、自分の寝返りを知った父親と接戦し、投降するとその手にかかる。曲末で愛の場面の音楽が短く回想される。
第2曲「オスタップの死」
タラス・ブーリバの長男は、弟アンドレイの死に悲嘆に暮れているうちに、戦場でポーランド軍の捕虜となり、ワルシャワに連行され、拷問の末に処刑される。タラス・ブーリバは変装してワルシャワに潜入するが、息子の最期を目の当たりにし、自分の居場所を忘れて息子に向かって呼び掛けてしまう。
曲のほとんどは無感情で不恰好な行進曲である。曲末での猛々しいマズルカは、ポーランドの勝利を示唆する。タラス・ブーリバは暗いトロンボーンの音色によって演じられ、オスタップの断末魔は甲高いクラリネットによって再現される(後者の表現は、ベルリオーズの《幻想交響曲》やリヒャルト・シュトラウスの《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》の断頭台の場面に比すべきものである)。
第3曲「タラス・ブーリバの予言と死」
コサック軍は、オスタップの仇討ちのために死に物狂いでポーランド中で転戦する。とうとうタラス・ブーリバがドニエプル河畔で捕らえられるが、ポーランド軍によって火炙りにされる前に挑発的な予言を口走る。曰く、「コサックがこの世に恐れるものなどあるものか。待ちやがれ。ロシア人の信仰心がどんなものか思い知る日が来るだろうよ。とっくにあちこちの人間が承知しているさ。ロシアの地からツァーリが立てば、それを脅かすような力は起こりやしないってことを。」
開始の音楽は軍楽や、(再びトロンボーンによる)タラス・ブーリバの雄叫びの声にあふれているが、静かなパッセージになってブーリバの捕縛を描写する。予言そのものは金管楽器とオルガンの煽情的なパッセージで描写され、鳴り響く鐘と誇らしげなエピローグによってクライマックスに至る。