タルカス

エマーソン・レイク・アンド・パーマーのアルバム From Wikipedia, the free encyclopedia

タルカス』 (Tarkus) は、イギリスにおいて1971年5月に、アメリカにおいて1971年6月14日に発売されたエマーソン・レイク&パーマー(ELP)のセカンド・アルバム

リリース
録音 1971年1月-4月
ロンドン、アドビジョン・スタジオ
時間
概要 『タルカス』, エマーソン・レイク&パーマー の スタジオ・アルバム ...
『タルカス』
エマーソン・レイク&パーマースタジオ・アルバム
リリース
録音 1971年1月-4月
ロンドン、アドビジョン・スタジオ
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル イギリスの旗アイランド(オリジナル盤)
WEA(リイシュー盤)
アメリカ合衆国の旗アトランティック(オリジナル盤)
Rhino(リイシュー盤)
日本の旗ワーナー・パイオニア(オリジナル盤)
イーストウエスト・ジャパン→ビクター(リイシュー盤)
プロデュース グレッグ・レイク
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
ゴールドディスク
  • Platinum(英国・BPI)
  • Gold(米国・RIAA
エマーソン・レイク&パーマー アルバム 年表
エマーソン・レイク・アンド・パーマー
(1970年)
タルカス
(1971年)
展覧会の絵
(1971年)
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解説

本作は『展覧会の絵』(1971年)、『恐怖の頭脳改革』(1973年)などと並び、ELPの代表作のひとつに数えられてきた。作詞とプロデュースはグレッグ・レイク、作曲はメンバー3人が担当した。

オリジナルLPのA面を占める20分を超える壮大な組曲である表題曲「タルカス」は、怪物タルカスが火山の中から現れ、地上のすべてを破壊し尽くし、海に帰っていくというストーリーを描いている。タルカスはアルバム・ジャケットにイラストで描かれている想像上の生物で、アルマジロのような体に戦車が合体した非常に風刺的な姿を持つ[注釈 1][注釈 2]キース・エマーソンは「Tarkus とは帰宅途中に突然閃いた単語であり、特に意味は無く、辞書を調べてもわからなかった」と述べている[2]。タルカスの最後の戦い相手として登場する「マンティコア」は、ライオンの胴と蠍の尾を持つ怪物で、その名前とシルエットは、後にELPが設立するレーベルマンティコア・レコード」の名前とロゴに使われた。

ほぼ全編で使われている「ド・ファ・ソ・シb・ミb」のコードはエマーソンが書いたELPの作品の多くにも使われており、ELPらしさの象徴として知られている。作詞を担当したレイクは、当初この組曲のコンセプトに興味を示さず、エマーソンに「ソロでやれば?」と冷たく言い放ったという。

LPのB面は対照的に小品集とも呼べる内容である。「ジェレミー・ベンダー」は1974年[注釈 3]、「ビッチズ・クリスタル」と「タイム・アンド・プレイス」は1997年と1998年のツアー[注釈 4]で演奏された。「ジ・オンリー・ウェイ」の冒頭でパイプ・オルガン[注釈 5]の独奏でヨハン・ゼバスティアン・バッハの「トッカータとフーガヘ長調」(BWV 540)のトッカータ、中間部でピアノ・トリオに代わってバッハの「平均律クラヴィーア曲集」から「BWV 851 前奏曲 - 3声のフーガ ニ短調」が演奏される[3]。「限りなき宇宙の果てに」はエマーソンとカール・パーマーの共作で、ピアノを中心に据えたインストゥルメンタル。「アー・ユー・レディ・エディ」は本作のレコーディング・エンジニアのエディ・オフォード[注釈 6]をからかったロックン・ロールである。

2012年、新しいステレオミックスと5.1サラウンドミックスを含むリイシューが発売された[4]

収録曲

作詞はレイク。作曲はカッコ内参照。

アナログA面

  1. タルカス - "Tarkus"
    1. 噴火 - "Eruption" (エマーソン)
    2. ストーンズ・オブ・イヤーズ - "Stones Of Years" (エマーソン、レイク)
    3. アイコノクラスト - "Iconoclast" (エマーソン)
    4. ミサ聖祭 - "Mass" (エマーソン、レイク)
    5. マンティコア - "Manticore" (エマーソン)
    6. 戦場 - "Battlefield" (レイク)
    7. アクアタルカス - "Aquatarkus" (エマーソン)

アナログB面

  1. ジェレミー・ベンダー - "Jeremy Bender" (エマーソン、レイク)
  2. ビッチズ・クリスタル - "Bitches Crystal" (エマーソン、レイク)
  3. ジ・オンリー・ウェイ - "The Only Way (Hymn)" (エマーソン、レイク)
  4. 限りなき宇宙の果てに - "Infinite Space (Conclusion)" (エマーソン、パーマー)
  5. タイム・アンド・プレイス - "A Time And A Place" (エマーソン、レイク、パーマー)
  6. アー・ユー・レディ・エディ - "Are You Ready Eddy?" (エマーソン、レイク、パーマー)

2010年日本盤ボーナス・トラック

  1. プレリュード・アンド・フーガ - "Prelude And Fugue" (フリードリヒ・グルダ、アレンジ: エマーソン、レイク、パーマー)

チャート

全英1位・全米9位を記録した。ELPとしては唯一のチャート1位獲得作品である。

組曲「タルカス」の編曲版

  • 作曲家の吉松隆が編曲した管弦楽曲(以下、便宜上「吉松版」と呼称)が、2010年に発売された『タルカス〜クラシック meets ロック』に収録された。音源は2010年3月14日に東京オペラシティコンサートホールで行われた初演のライブ録音で、吉松と親交の深い藤岡幸夫が指揮する東京フィルハーモニー交響楽団による。「吉松版」は、2012年放送のNHK大河ドラマ平清盛』で劇中音楽として使用された[注釈 7]ほか、2013年3月20日に東京オペラシティコンサートホールで行われた「吉松隆 還暦コンサート『鳥の響展』」でも披露された[注釈 8]。この還暦コンサートにはキース・エマーソンが来聴して、この模様を収録した『《鳥の響展》ライブ』のライナーノーツにはエマーソンと吉松の対談が掲載されている。
  • 「吉松版」の初演でコンサート・マスターを務めた荒井英治弦楽四重奏版を編曲した。荒井はプログレッシブ・ロックの熱狂的ファンである。この版は荒井が参加するモルゴーア・クァルテットのアルバムに所収されている。
  • 2012年9月9日に放送された「題名のない音楽会」で、シエナ・ウインド・オーケストラと和太鼓奏者の林英哲との共演で、「吉松版」をもとにした吹奏楽版が放送された。
  • イタリアの作曲家マウリツィオ・ピサーティ英語: Maurizio_Pisatiはピアノとパーカッションのために編曲、さらにオリジナル曲を加え「ゾーン=タルカス」という組曲にした。ピアニストの黒田亜樹によるCDが出ている。
  • 2021年に発表されたピアニスト榎本玲奈によるアルバム『タルカス&ラプソディー・イン・ブルー』で、「タルカス」をピアノソロによる編曲でカバー[5]。なお同アルバムには他にも「限りなき宇宙の果てに」「アー・ユー・レディ・エディ?」のピアノソロ編曲版および2010年日本盤ボーナス・トラックの「プレリュード・アンド・フーガ」が収録されている。

影響

  • 成毛滋つのだひろ高中正義と結成したフライド・エッグ[6]が、アルバム『ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン(Dr. Siegel's Fried Egg Shooting Machine)』[7](1972年)に「タルカス」のパロディ曲「オケカス(Oke-Kus)」を収録した。
  • ブラジルにバンド「タルカス」がいて、ELPとは異なったシンフォニックなプログレッシブ・ロックを演奏している。
  • 長野県山ノ内町渋温泉街にスナック「タルカス」がある。店主がELPのファンで、カウンターにはタルカスの置物がある。「アド街ック天国」でも紹介された。

脚注

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