タンタンコロリン
日本の宮城県仙台市の伝承上の妖怪
From Wikipedia, the free encyclopedia
概要
タンコロリン
柿の伝承
タンタンコロリンと同様、宮城には柿が人間に化けるという話がよくある。これは佐々木徳夫という昔話収集家が宮城県を拠点に綿密な調査の中、意識的に柿の精の話を集めたためである。他にもこの手の柿の妖怪話は岩手県や秋田県でも分布が確認され、また同様の筋で「ナシ」や「リンゴ」の妖怪が出る話、さらにアイヌの伝承にもウバユリやギョウジャニンニクの精が同じように人間と接触するものがあることから探せば類話が東北地方一帯あるいはさらに広い地方で分布している可能性があるという。[7]
ある民話では以下のように語られている。ある寺の小僧のもとに男がやって来て、自分の糞をすり鉢ですって食べろと言った。小僧は嫌がったが、男が怒るので仕方なく食べると、とても美味しい柿の味がした。不思議に思った小僧が、寺の和尚にわけを話し、ともに男を捜し出して跡をつけた。男は山奥へ入って行って姿を消し、そこには大きな柿の木があって、実がたくさん落ちていた。和尚は、きっとこの柿の実が化けたのだろうと、柿の実を拾い集めて持って帰ったところ、男は現れなくなったという[8]。話によっては、「糞」を盛る器は皿、膳、茶碗であることもある[9]。
また宮城県栗原郡(現・栗原市)には「柿の精」と題し、以下のような民話がある。ある屋敷に仕える女が、庭に実る柿を見てなんとか食べたいと思っていたところ、夜中に真っ赤な顔の大男が現れ、尻をほじって嘗めろと言う。言われるままにその男の尻をほじって嘗めたところ、甘い柿の味がした。翌朝に柿の木を見ると、その実には抉り取った跡があったという[10]。佐々木喜善の著書『聴耳草紙』にも、「柿男」と題して同様の話がある[1]。佐々木は採集地について書いていないが、この話の話者である三原良吉が『仙台の昔話』に「柿の精」と題して同じ話を載せている[9]。
東北各地に伝わるこれらの柿の精がタンタンコロリンと同一視されるが、上述の「放置された柿の精」以外の「柿の精」が「タンタンコロリン」という名前で呼ばれ、同一の存在として扱われる事例が見つかっていない点からこれには疑問が呈されている[2]。
