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ターミンジカ

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ターミンジカ(Rucervus eldii または Panolia eldii)は、哺乳綱偶蹄目シカ科に分類されるシカの一種[5]。

概要 ターミンジカ, 保全状況評価 ...
ターミンジカ
ターミンジカ
ターミンジカ
Cervus eldii
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 哺乳綱 Mammalia
目 : 偶蹄目 Artiodactyla
科 : シカ科 Cervidae
亜科 : シカ亜科 Cervinae
属 : ヌマジカ属 Rucervus
種 : ターミンジカ R. eldii
学名
Rucervus eldii
(McClelland, 1842 in Eld, 1842)[2]
シノニム[2]
  • Cervus eldii McClelland, 1842
  • Panolia eldii
和名
ターミンジカ[3]
エルドジカ[3]
英名
Brow-antlered deer[1]
Eld's deer[1][4]
Thamin[1]
近年の分布状況
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呼称

別名エルドジカ(Eld's deer)[3]。この他に、英語では「ターミン(Thamin)」や「Brow-antlered deer」[1]、カンボジアでは「ロメアン(រមាំង、Romeang)」とも呼ばれる[5]。

分類

1840年にジョン・マクレランド(英語版)によってインド・マニプル州で採取された個体が最初の報告であった[6]。

長らくRucervus(ヌマジカ属)の所属とされてきたが、分子系統によって、ヌマジカよりもシフゾウに近縁なことが判明し[7][8]、角の構造もヌマジカとは異なる[9]ことから、独立したターミンジカ属Panolia[10][11][12]に移すことが提案された[7][9]。一方で2026年時点のアメリカ哺乳類学会のMammal Diversity Databaseではヌマジカ属が維持されている[2]。

3亜種に分かれるとされる[4]。2011年には亜種をそれぞれ独立種(P. eldii・P. thamin・P. siamensis)とする説も提唱されている[13]。

Rucervus eldii eldii (McClelland, 1842) マニプルターミンジカ(サンガイ[要出典]) Sangai, Manipur Eld's deer
インド(マニプル州)、基亜種
Rucervus eldii siamensis (Lydekker, 1915) Eastern Eld's deer
カンボジア、中国、ラオス、タイ、ベトナム。別種として再分類される可能性がある[14]。
Rucervus eldii thamin Thomas, 1918 Thamin
ミャンマー、タイ西端部

1915年にリチャード・ライデッカーは中国・海南島に生息する個体群を P. e. hainanus として記載しているが、遺伝学上では独自の亜種とは認められていない[15]。

分布

インド北東部、カンボジア、タイ、海南島を含む中国南東部[15]、ベトナム、ミャンマー、ラオスに自然分布する。

以前は東南アジアの全域に見られたが、近年では個体群や分布の分断などに直面しており、カンボジアでは激減の末に一部の乾燥林地帯などに限定されている[5]。

形態

オスの弓状の角。

中型のシカであり、頭胴長150 - 180センチメートル、尾長20 - 30センチメートル、肩高110 - 125センチメートル、体重125-175キログラムほどに達する。首と四肢は細長い[5]。

蹄(主蹄)は長く、蹴爪(側蹄)も発達し主蹄と蹴爪の間が硬い。長い主蹄や主蹄と蹴爪の間が硬い部分により接地面が大きくなり、ぬかるんだ場所でも足をとられずに移動する事ができる。後肢の踵には臭腺(中足腺)がある。

眼の周囲や耳介の外縁、下顎は白い体毛で被われる。首には鬣状の体毛を持つ[5]。夏季は背面が赤褐色、腹面が淡褐色の体毛で被われる。冬季には背面が暗褐色、腹面が白い体毛で被われる。幼獣は白い斑点が入る。

オスには前方に湾曲した弓状の角がある。角長は最大で1メートル弱[5]。第1枝は左右へ湾曲し、第2枝は角幹のやや後方で分枝する。またオスの頸部には鬣状に体毛が伸長する。

生態

繁殖期に対峙するオス同士。

生息域は広大であり、平原や湿原などに生息する。餌となる植生が豊富で身を隠せる場所を特に好む。カンボジアでは湿地帯に生息が限定されず、北部や東部の乾燥地帯に見られるフタバガキ科の落葉樹林およびフタバガキ科が優占種である開けた森林地帯にも分布している[5]。

昼行性であり、日中にとくに活発であるが、とくに気温の高い乾季には森林や水場へ移動する[5]。また、沼田場に赴いて泥浴びを行う。

食性は植物食で、主に草を食べるが木の葉、果実、低木なども好んで摂取する。餌や水源を求めて季節ごとに移動を行う[5]。

オスは単独、メスは群れを形成し生活する。繁殖形態は胎生。2-5月に交尾を行う。1回に1頭の幼獣を産む。授乳期間は42週間。オスは生後1年6か月-2年で性成熟する。

人間との関係

平野とくに水場によく見られる傾向があるために人間活動の影響を受けやすい。農業や開発などによる生息地の破壊と分断、個体群の分断と遺伝的多様性の低下、食用だけでなく伝統医療や角を目的とした狩猟や密猟、乱獲、家畜との競合などにより生息数は減少しており[5]、基亜種であるマニプルターミンジカ(英語版)は1950年代に絶滅したと考えられていたが、1975年に再発見された[16]。

カンボジアでは古くから文化的に象徴的な動物とみなされてきたが、カンボジア内戦を経て一時期は国内で地域絶滅(英語版)を迎えたことが示唆されたほどに顕著な個体数の減少を経験し、現在も絶滅危惧種に指定されている。争乱の情勢において、クメール・ルージュによる食用の狩猟も生息状況の悪化に拍車をかけた。内戦が終了して保護政策や持続可能性を目標とする様々な法規制などが進められている現在でもカンボジア国内の生息状況は危機的であり、個体群の復活のためには保護区の制定などの他にも、遺伝的多様性の確保の観点からも飼育下での繁殖プログラムの必要性が示唆されている。一方で、ラオスなどの近隣諸国では民間が積極的に介入してきた保護活動によって個体数の回復が見られる[5][17]。

関連画像

脚注

参考資料

外部リンク

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