ツィンバロン
中欧・東欧地域で見られる大型の打弦楽器
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ツィンバロン(ハンガリー語:cimbalom)は、中欧・東欧地域で見られる大型の打弦楽器。台形の箱に張った金属製の弦を叩いたり弾いたりすることによって演奏する。民俗楽器としても中欧・東欧に分布する他、ヨゼフ・シュンダによって大型化、およびダンパーペダルを装備して改良、さらにボハーク・ラヨシュ(Bohák Lajos)により改良されたコンサート・ツィンバロンが、ハンガリーを中心に分布する。コンサート・ツィンバロンは39コース以上の弦、4オクターブ以上の音域を持つ。

Hornbostel-Sachs楽器分類コードは314.122-4,5で、共鳴箱付き板ツィター(314.122)に分類される。ダルシマーとは同系の楽器。チェンバロや初期のピアノも大きな括りでは同族になるが、ツィンバロンは主に弦をバチで叩く打弦楽器であるのに対し、チェンバロは内部機構により弦を弾く撥弦楽器に分類される。1700年代に作成された初期の大型ツィンバロン「パンタレオン」は当時黎明期だったピアノの製作に影響を与えており、現代のピアノに繋がるハンマー機構やペダルシステムはその祖をパンタレオンに求めることができる。一方で1870年代のシュンダによるツィンバロン改良は、当時既に完成された楽器として地位を得ていたピアノを参考に、白鍵と黒鍵の配列導入、ペダル式ダンパーの装備を図ったものであり、ピアノとツィンバロンは、各々の発達の過程で、互いに影響しあった楽器といえよう[1]。
楽器名を日本語で表記する場合、ハンガリー語の発音に最も忠実なのはツィンバロンである[2]。このほかいくつかの表記揺れがあり、ツィンバロム、チンバロン、チンバロムなどと表記される場合もある[3]。
コダーイ、ストラヴィンスキー、クルターグ・ジェルジ、エトヴェシュ・ペーテル、ラーング・イシュトヴァーン、ドゥブロヴァイ・ラースローなどの近現代の作曲家にもしばしば用いられている。コダーイがオペラから編んだ組曲『ハーリ・ヤーノシュ』(第3曲、第5曲でソロ的に扱われる)が特に有名で、しばしば演奏される。中欧のレストランやフォークロアのフェスティバルでツィンバロンが活躍する[要出典]。
外形的には、彫刻を施されたクラシックな雰囲気のものが多いが、最近では装飾を一切廃したツィンバロンがブームになっている[要出典]。
現在製造されるツィンバロンは、Bohákの楽器を手本にして作られているものが多いが、音域が拡大されるものもある。
現行主要メーカー
- Bohák
- Opera Zongoraterem
- Vsiansky
ツィンバロンを用いた楽曲
- フランツ・リスト:「ハンガリー狂詩曲第3番」(ドップラーによる管弦楽版)
- ドビュッシー:「レントより遅く」(作曲者自身による室内管弦楽版)
- シュレーカー:歌劇「はるかなる響き」
- ストラヴィンスキー:「狐」「ラグタイム」
- バルトーク:「ヴァイオリンと管弦楽のための狂詩曲第1番」
- コダーイ:組曲「ハーリ・ヤーノシュ」
- デュティユー:「瞬間の神秘」「夢の樹」
- ツィンマーマン:「パ・ド・トロワの形式によるチェロ協奏曲」
- クルターグ:「クアジ・ウナ・ファンタジア」op.27「石碑」op.33
- アンドリーセン:「時間 (De Tijd)」
- コステロ:「イル・ソーニョ (IL SONGO)」
- ジョン・クーリッジ・アダムズ:「シェヘラザード.2」「もうひとりのマリアの福音書」
- レハール: 喜歌劇「ジプシーの恋」
- ペテル・マハイジック:「植付 (Planting)」[4] (2023年)
- ペテル・マハイジック:「水は許します (Water Forgives)」[4] (2005年)
- カールマーン: 喜歌劇「チャールダーシュ侯爵夫人」「伯爵夫人マリッツァ」
- ジョン・グラム: "Glorious Edo" (2025年NHK大河ドラマ『べらぼう』オープニングテーマ)[5][6]
オペレッタの上演では、しばしば(ハンガリー、オーストリア国外では)ツィンバロムを省略、またはハープなどで代用することが多い。
演奏家
- Geza ALLAGA (1841-1913)
- Sandor HERKEL
- Ylonka Fodor
- Ida Tarjani Toth (1918- )
- 加納靖子
- Viktoria Herencsar (1953 -)
- Agnes SZAKALY (1951 -)
- James Earl Barnes
- Laurence Kaptain
- 崎村潤子 (1965 -)
- 斉藤浩
- Suzana Hroncekova (1983 -)
- Vladimir homola
- Aladar RACZ (1886-1958)
- Josef SZALAY
- Zoth ELEK
- Ferenc Gerencser (1923-1989)
- Ilona Szeverenyi (1946 -)
- Gyongyi FARKAS
- Marta FABIAN (1946 -)
- Detlef KIEFFER (1944 -)
- Paul STINGA (1948 -)
- Ildiko Vekony (1963 -)
- Rozsa Farkas (1971 -)
- Enikő Ginzery (1975 -)
- Helena Cervenkova
- Katerina Zlatnikova
- Ruzena Decka
- Luigi Gaggero
- John H. Leach
- 生頼まゆみ
- Toni IORDACHE (1942-1987)
- Kalman Balogh (1959 -)
- Ludovit KOVAC (1968 -)
- Marius Preda