テクタイト
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概要
起源に関する研究史
テクタイトは、そのガラス質の外観が黒曜石に類似することから、研究初期には地球の火山活動に由来するものと考えられていた。しかし、特定のテクタイト型が地層の年代や層準に関係なく広域に分布すること、また一般的なテクタイトが極めて低い水分含有量を示すことなどから、通常の火山噴出物とは成因的に大きく異なることが明らかとなり、火山起源説は次第に否定された。
その後、月面の巨大火山活動や、月における天体衝突によって放出された物質が地球に到達したとする月起源説が提唱された[4][5]。この説は、一部のテクタイトが超音速飛翔に伴う空気抵抗によって形成されたと考えられる特異な形態を示すことを根拠としていた。しかし、テクタイトの化学組成が月の表層を構成する玄武岩質・斑れい岩質岩石と大きく異なり、地球表層の花崗岩質岩石や砂岩に近いことが明らかになるにつれ、月起源説にも疑問が呈されるようになった[2]。
その後、テクタイトの放射年代測定結果による新たな視点が提供された。北アメリカ、ヨーロッパ、西アフリカ、南西アジア[6]、オーストラリア地域[7]などに分布する主要なテクタイト群の年代はいずれも新生代に集中しており、これらの年代に対応する大規模火山活動や衝突構造は月面には存在しない。このことから、テクタイトが月起源である可能性は否定された。
現在では、テクタイトは天体衝突によって地球表層の岩石が高温で溶融し、その溶融物が液滴状となってクレーター周辺数百~数千 kmの範囲に飛散・固結したものと考えられている。この理解は、テクタイトの分布域と衝突クレーターとの対応関係、ならびに衝突構造内に認められる衝撃変成岩や溶融岩の産状とも整合的であり、現在の地質学において広く受け入れられている[3]。
分布と給源クレーター
テクタイトの分布域(テクタイト・ストリューフィールド)は、地球上で主に4地域が知られている。
給源クレーターが特定されている地域
- 中央ヨーロッパ:ネルトリンガー・リース(ドイツ)、14.8 Maに落下[8]
- 北アメリカ:チェサピーク湾クレーター、35.5 Maに落下[9]
- Bediasite(アメリカ合衆国、テキサス州)
- Georgiaite(アメリカ合衆国、テキサス州)

